チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796661614

感想・レビュー・書評

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  • すでに映画版を見ていたが、やはり本の方が想像力を使うので面白い。
    はしょりもないし。

  • どいつもこいつもキャラ濃すぎ!!→ 火 喰 い 鳥

  • テレビドラマは観ていましたが、原作は初めてです。ドラマのおっちょこちょいな田口先生と白鳥さんのコンビも配役の妙もあって、とても面白かったですが、原作のほうの大胆不敵で計算高い田口先生もまた、これはこれで非常に魅力的なキャラクターです。話は高度な医療技術と用語を駆使しながらスリリングに展開し、目が離せない。それにしても、「バチスタ」手術という、いかにもよくわからないけど何だか格好良さげだぞ、というネーミングにもこの成功の要因の一旦があったに違いない。

  • 一般人にとっては聖域で、密室な手術室。
    そこで起きた事実が解明されていく様は、
    まさに手術を見ている気分。
    田口先生と白鳥さんと高階院長という執刀医たちの
    手腕が見事でした。
    しかし下巻から登場の割に、白鳥さんの存在感と言ったらないですね。
    リアルな世界観で、
    個性的すぎるキャラが暴走するのが堪らなく面白かったです。
    個人的に、桐生先生・鳴海先生の今後の幸せを祈りたい。
    なんであれ、成功率80%強という数字は誇るべき。
    まさに栄光だと思います。

  • 『チームバチスタの栄光(上)』
    海堂ワールドに引き込まれたきっかけ作品です。
    出会いは、図書館でも本屋でもなく銭湯でした。

    入浴後に、寝ころびの間で休んでいましたら、
    そこにちょっとした本棚がございまして。

    ドカベンやエースをねらえ!が鎮座している中、
    黄色い表紙のこの作品。

    ついつい時間も忘れ、5回くらい銭湯に通って読破いたしました。
    (END)

  • ドラマの影響が強いかもしれない。まずは原作を読んでからにすればよかった。

  • テンポ良く、ついつい先が読みたくなる作品。個人的には好きなジャンル。

  • これはスゴイ! 読み始めて早々から惹き込まれてしまいました。読みやすいのに、とても面白い! 何より登場人物のキャラがいいですよね。そこが作者の筆力、というものなのか、各々の人物像がすごく分かりやすく浮かんできます。やはり馴染みのない医学界を舞台にしてますので、耳慣れない用語が出てきたり、作中の説明だけでは分からない、イメージしにくい、という事象も少なからずあるのですが、そんなことは問題にならないほど面白く読めます。ホント“すごい”のヒトコトです!
    この作品が著者デビュー作ということですが、全くそんな風には思えなかった。否が応にも今後の作品に期待しちゃいますよね。映画にドラマに、メディア化されるのもよくわかります。作者買い、決定★(^o^)

  •  医療ミステリーというだけで腰が引けてしまうところがある。医療機器関連の仕事に長いこと身を置いていたせいなのかもしれない。小説に多くを求めるはずの現実との距離感を、医療ミステリーは埋めてしまい、自分の関わる日常の側に小説を引き寄せてしまうからだ。

     本業医師、しかし作家デビューしたという人では、帚木蓬生が思い浮かぶのだが、生真面目すぎる印象と、いかにも医師らしいというヒューマニズムが、作品の底浅に繋がってしまい、意外性に欠け、娯楽小説でありながら使命感に満ち満ちている辺りが説教臭く思えるようになって、ぼくは敬遠するようになってしまった。

     もっとも、最初の頃の帚木蓬生は、ミステリーに新しい地平を切り開いた勇気ある作家というイメージであった。『白い夏の墓標』『十二年目の映像』の二作は、ミステリーというより、その頃ブームであった冒険小説の気概に満ちていた。だが『アフリカの蹄』あたりから、ルポルタージュ色が強まってしまい、現実の側にミステリーが阿るように見え始め、小説としては重たさが増し、一方でエンターテインメントとしてはつまらなくなってしまった。その後、ぼくは医療ミステリーへのアレルギーを示すようになる。

     この小説を手にしたのは、とある会社の同僚に勧められたためである。そもそもこの本を医療ミステリーとさえ知らなかった。手術チームが、スポーツチームのように人間ドラマを繰り返し、栄光を手にするまでのスポコンもののような小説なのかと勝手に思い込んでいた。

     だから随分と遅くなってしまったが、同僚が、この小説の面白さは、最初の設定にありと、序章に当たる部分だけを喋って聴かせてくれたからだ。なるほど。そういう娯楽性に溢れたものであるのなら、読んでみようか。

     実際に驚いた。ミステリーとしての手腕と、医者だから思いつくことのできる犯罪であるという二点について。ミステリーとしての骨格は、ちゃんとしていた。しっかりと捜査する側の探偵コンビがいて、それもキャラクターがしっかりと立っている。

     探偵役の厚生労働省役人・白鳥圭介は、東野圭吾のガリレオ、あるいは奥田英朗の伊良部先生を思い起こさせるなと思っていたら、しっかりと巻末解説で茶木則夫氏が同じ二人の名を挙げていた。それほど、奇抜でユーモラスな現代風の探偵像がまた一人確実に誕生しているのだ。しかも解決への導き方が並ではない。唸ってしまうほどに見事だ。

     医学的知識を与えた東野圭吾、とでも言おうか。つまり娯楽色に医療の情報性という専門知識をプラスした作品なのである。一般の人が読んでもかなり反響は高いと思うが、同業の病院関係者、あるいは医療に関連する仕事に携わる人々にとっては、たまらない一冊なのではないか。

     それも、一つには現代の病院が抱えるヒエラルキーその他の旧態依然とした課題を、重たく、暗くではなく、明るく喜劇風に笑い飛ばしてしまう痛快さを、作品全体が秘めているからだ。そのために生み出した語り手としての、はぐれ勤務医・田口先生であるのかもしれない。

     ちなみに犯罪の謎解きもこれまた知識がある人には、相当に面白いと思う。ぼくはある診療科の機械に狭い範囲でちょっとした知識を持っているのだが(業界人だったから)、謎解きの時点であっという仕掛けがあって驚かされた。バチスタ手術の天才外科医や、その他の脇役たちの配備、病院と言う機構そのもののおかしさ、そうしたすべての医療に関する情報をすべて、小説としての面白さを演出する道具に変えてしまった作者の語り部としての才に、価値を見出すべき作品であると思う。

     医師としての作者については知り得ないにせよ、作家としての海堂尊その人は、まぎれもなく快哉に値する成功例そのものであったと思う。

     この後、作者は凄いペースでシリーズを何作も書いているらしい。そうした続編の方も、読みたくてたまらなくなった。何度でも再会したくなるほどに、白鳥・田口コンビは、魅力的な探偵であるからだ。

  • 医療専門用語がバンバン出てくるけど読んでて苦にはならない。
    変に知識をひけらかすでもない嫌味のない作品。
    どんどん次が読みたくなります。
    そしてココで真実がわからなくても十分満足いく(笑)
    下巻読まずしても十分楽しめます。

  • 病院の組織についてリアルに近いぐらいの設定で想像しやすかったです。手術や解剖のことがサラッと説明されるので病院勤務の私でも理解するのが難しかったです!

  • 「とんでもない。あの時私は、たかが外科の知識が少々足りないくらいで、こういう素直でアホな男を医者にするのを一年遅らせるのはもったいない、と思っただけです。考えてみて下さい。試験に合格した結果、先生に何かいいことがありましたか? 一年余計に大学病院の雑務に埋もれることになっただけです。なのに、私は君に長く感謝される、大学も助かった。田口先生はそこそこの医者になって世の中の幸せを少し増やしている。私の裁量ひとつで誰も損はしていないし、みんなハッピーじゃないですか」

    2022/2/2読了(再読)
    初読は'07年。翌年、映画化もされた。田口先生は女性に設定変更されて竹内結子、白鳥さんは阿部寛、と原作イメージから大幅に逸脱していたけど。
    で、今回再読して、結局は全てを見通していたが如き、高階病院長の采配が光る話であったなぁ、というのが率直な感想であった。

  • おもろ過ぎて一気読み
    早く下巻も読みたい
    あと内容関係ないけど、これそんな分厚くないし上下巻まとめられたんじゃないかしら

  • ▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
    https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/142881

  • 海堂 尊の一連のシリーズの1作目。
    テレビドラマもどんどん作られ、映画も作られ、どれほどのもんかと気になっていたが、やっと手にした。

    ん~?
    なぜ、この本がこんなに売れる?テレビドラマにもなる?

    私には合わないなぁ。
    って事で、下巻は放棄したい気分。

    グッチーは伊藤淳史じゃないなぁ。
    ましてや、竹内結子なんてもってのほか。

    ま、テレビドラマも見てないし、映画も見る気ないけど。

    上巻では、まだ厚生省の白鳥は登場せず。
    だから面白くないのかも知れないけど、もう作品の半分でっせ。
    それでいて、こんな展開なのか?

    海堂 尊は、やっぱ本職の作家じゃないね。

    以前、「ラジオ版 学問ノススメ」で海堂 尊の回を聞いた。
    この人、小節を書く裏に、医療界を改革したいという思惑があるんだな。
    それはとっても良いことだけど、この本が売れたり映画やドラマになる事は、なにか政治的背景があるのかもしれないね。
    純粋に小説としては楽しめない。

    病院を背景にした小説なんていっぱいあって、それらは優秀な作品もいっぱいあるけど、海堂作品はそれには該当しないような気がする。
    本屋大賞とか○○賞ってのは、本を売るがための賞だと思った方が良い。

  • おもしろい

  • 田口・白鳥シリーズの原点。ドラマとは田口先生の印象が異なる。下巻で一気にスピードアップするはず。

  • 久しぶりにこの本を読んだ。
    物語としては、至極王道的な、御都合主義展開を見て取ることができる。

    盛り上がるのは下巻に入ってからだし。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • ドラマの印象が強くて、タグチ先生のイメージが最初違った。

  • 勤務医でもあり、小説家でもある。
    小説は面白く、下巻が楽しみ。

    そうだなとしみじみ思った、ハッと感銘を受けた箇所をメモ。

    不定愁訴外来こと愚痴外来の田口医師の考え

    俺は留蔵さんの言葉をききとげただけだ。沈黙も含めてすべて。人の話に本気で耳を傾ければ問題は解決する。そして本気で聞くためには黙ることが必要だ。大切なことはそれだけだ。但しそれは、人が思っているよりもずっと難しい技術ではあるのだが。

  • シリーズ1作目。医療モノとミステリの融合は他にもあるが、専門的な内容を素人にも分かり易く伝えつつ良作に仕上がっている。

  • 期待通り面白い作品でした。
    早い段階で容疑者が挙げられていたので、読みながら整理し易かったように思いました。
    前半は自分の都合に合わせて少しずつ読み進めましたが、後半の白鳥が登場したところからは止まらなくなり、半分徹夜になりながら一気に読み終わらせました。
    若干エピローグが冗長のように感じたかな?
    続編があるらしいので、そのためには必要な掘り下げだったのかも?とは思いましたが、もう少しサクッと終わっても良かった気がしました。

  • 桜宮サーガ 田口・白鳥シリーズ
     1『チームバチスタの栄光』
     2『ナイチンゲールの沈黙』
     3『ジェネラル・ルージュの凱旋』
     4『イノセント・ゲリラの祝祭』
     5『アリアドネの弾丸』
     6『ケルベロスの肖像』
     7『カレイドスコープの箱庭』

  • チームバチスタシリーズのはじまりの物語。

    映画化もドラマ化もしてる作品。
    流石このミス取ってるだけあって

  • おいおいめちゃくちゃおもしろいじゃないか。。。ゲバラの伝記みたいなやつがクソ退屈で途中でリタイアしたので著者はつまんない人なのかと思ってたがスーパーおもしろいじゃないか。。。こんなのが書けるならじゃあゲバラのやつは一体なんだったんだ???
    主人公の造形がうますぎる。世を拗ねた一匹狼を描くのは意外に難しくて、ハードボイルド 風味のワイズラックが空回りしたり単に皮肉屋なだけの嫌味なやつになっちゃったり厨二病になっちゃったりしがちなんだけど、著者は素晴らしい塩梅で主人公を描いている。窓際族だけど隠れた力があって。。。みたいな設定もクソになりがちだけど本書は全く嫌味がない。医者だけど手術の素人という設定も、読者に医学の知識を説明する契機にもなっているし、エリートのお医者さんの世界から外れた主人公に視点を寄り添わせることで読者を謎の世界に導く役割も果たしている。
    下巻もすごく楽しみ。

  • 東城大学医学部付属病院の“チーム・バチスタ”は心臓移植の代替手術であるバチスタ手術専門の天才外科チーム。ところが原因不明の連続術中死が発生。高階病院長は万年講師で不定愁訴外来の田口医師に内部調査を依頼する。医療過誤死か殺人か。田口の聞き取り調査が始まった。第4回『このミス』大賞受賞。

  • 面白い。描写がすごい。

  • 医療系ミステリー。先にナニワモンスター、スカラムーシュを読んでからこちらに。ナニワモンスターではそこまで気にならなかった文章癖がスカラムーシュではめちゃくちゃ気になってあまり楽しめなかったのでドキドキしつつ読み進めたものの、さすがこのミス大賞なだけあって普通にエンタメとしてたのしめた。前2つにも出てきたAi(死亡時画像診断)がやっぱりでてきたので、とにかくここを書きたいのかすべての作品同じ世界線という意味なのかな~って気になった。

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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