チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796661638

作品紹介・あらすじ

東城大学医学部付属病院で発生した連続術中死の原因を探るため、スタッフに聞き取り調査を行なっていた万年講師の田口。行き詰まりかけた調査は、高階病院長の差配でやってきた厚生労働省の変人役人・白鳥により、思わぬ展開をみせる。とんでもない行動で現場をかき回す白鳥だったが、人々の見えなかった一面が次第に明らかになり始め…。医療小説の新たな可能性を切り拓いた傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 「とんでもない。あの時私は、たかが外科の知識が少々足りないくらいで、こういう素直でアホな男を医者にするのを一年遅らせるのはもったいない、と思っただけです。考えてみて下さい。試験に合格した結果、先生に何かいいことがありましたか? 一年余計に大学病院の雑務に埋もれることになっただけです。なのに、私は君に長く感謝される、大学も助かった。田口先生はそこそこの医者になって世の中の幸せを少し増やしている。私の裁量ひとつで誰も損はしていないし、みんなハッピーじゃないですか」

    2022/2/2読了(再読)
    初読は'07年。翌年、映画化もされた。田口先生は女性に設定変更されて竹内結子、白鳥さんは阿部寛、と原作イメージから大幅に逸脱していたけど。
    で、今回再読して、結局は全てを見通していたが如き、高階病院長の采配が光る話であったなぁ、というのが率直な感想であった。

  • 上巻の情報を下巻で上塗りしていく感じがよかった
    そういう理由で上下分けてたのかもなぁ
    手術のシーンは描写がリアルで怖かったけどそれも文才あってこそですね

  • ▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
    https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/142882

  • 下巻に入って、やっと白鳥調査官が登場。
    遅すぎるよ。

    この小節の面白さは白鳥とグッチーのやり取りでしょ。
    だから、白鳥の居ない上巻はつまらなかったよ。

    この手の探偵物、刑事物っていっぱいあるよね。
    まあ、いっぱいあるからこそ、ミステリーとか推理小説とか言うカテゴリーがあるんだろうけど、この本はどうなんだろう。
    私は、あまりこの手の推理物はそんなに読んでないけど、これがこれだけ売れる理由はイマイチわからんなぁ。

    わざわざ読まんでも、暇なときにドラマ見ればいいんじゃね。
    仲村トオルの白鳥役は、よく填ってると思う。
    あの独特な台詞回しは、本の通り。
    伊藤淳史のグッチーは、ちょっと違うかも。

  • 田口を上回る変人キャラ白鳥の登場にエンタメ感が一気に増して、痛快で面白く一気に読了^^

  • 火喰い鳥、ロジカルモンスターの白鳥圭介の初登場!
    厚生労働省大臣官房秘書課付技官 兼
    医療過誤死関連中立的第三者機関設置推進準備室室長
    この肩書きを聞くとワクワクする。こんなに画数の多い肩書き、白鳥以外に存在するのだろうか。

    上巻では田口の聞き取り、パッシヴ・フェーズに徹していた調査だったが、下巻では白鳥の登場によりアクティヴ・フェーズへと変わっていく。

    白鳥の言動はかなり荒く、忌み嫌われるようなものばかり。どこにいても嫌われ者、例えるならばゴキブリ。同席させられる田口が気の毒である。
    仕方がない。白鳥の行うアクティヴ・フェーズは相手を怒らせてなんぼの調査。怒りによって、見えていなかった顔が見えてくる。
    ドラマでの仲村トオルさんのようなダンディさは1ミリも感じ取れないが、白鳥の本質はそこではない。
    高階病院長や桐生、田口と望む未来は同じなのだ。今目の前にある消えそうな命を救いたい。ただそれだけ。
    変人役人の白鳥。悲しいかな、あなたのような真っ直ぐで正直な役人は多くない。

    上巻にあったある文を思い出す。
    "手術の場は、掛け算に似ている。他の人たちがどれほど大きい数字でも、ゼロが一人いれば、全部ゼロだ。マイナスが一人いれば、数値が大きいほど悪い。かと思うと、マイナスが二人いると、今度は大きなプラスに変わる、こともある"

    栄光のチームバチスタは綱渡りのような奇跡を続けていた。皆が必死に守ろうとしていたチームはあるマイナス因子によって崩れていく。

    解決後はまたゆっくりと時間が流れていく。
    高階病院長が田口をお気に召しているのは、自分と似ているからだろう。全てを受け入れられる"お偉いさん"も多くない。

    田口と高階、田口と白鳥、田口と藤原、田口と桐生。やられっぱなしの田口ばかり、ではないのが面白い。ちゃんと反撃しちゃう。
    Bravo!


    ドラッグラグや小児心臓移植など、日本の医療は最先端な部分と承認されていない部分の差が激しいように感じる。
    リスクの高さが壁となって世界との差があるのだろうけれど、当事者からすると世界では認められてるのになぜ日本にいるだけで…となるのは当然だろう。

    私がバチスタシリーズに出会ったのはドラマなので、15年ほど前。そして初読は中学生頃だったはずなので10年ほど前かな。
    医療知識0だった私がハマったのは海堂先生の文章があまりに丁寧で易しく読みやすかったからだと、3年間基礎医療を勉強して再読した今よく分かる。卒業して医療の道には進まなかったので、懐かしい〜!と思い出しながら読むのが楽しかった。
    目指せシリーズ全制覇!

  • おもしろい

  • やっぱり白鳥が出てくるとテンポが上がる。解説でも言われてたけどキャラ強すぎ。白鳥の論理的な説明と専門用語には頭を使わなくてはいけない。事件後のやりとりとか記者会見とかこっちがニヤニヤしてしまった。田口と白鳥はやはりバランスがとれているのかな。

  • 登場人物の魅力や、専門用語に圧倒されるだけでなく
    推理小説としてのストーリーも上手にまとめられていて素晴らしい作品でした。

    また、ところどころで著者の聡明さが伺える言葉が使われているのも個人的には高ポイント。

    読み応えのある作品に出会えました。


  •  海堂節がくどく感じることも多いが、それでも面白くて一気に読んでしまえるリーダビリティの高さ。本書でAI(人工知能)ではないAi(死亡時画像病理診断)を知った。刊行から15年以上経ち、医療現場ではAiに関してどんな変化が起きているのだろうか。
     1つずつ証拠を探して検証するような警察が主役のミステリーとは違い、心理学を用いた聞き取り調査に重きを置いている点が新鮮。終盤の記者会見では田口先生の印象がガラッと変わる。そういえば出世欲はないけどやり手だった、この人。

  • 白鳥がやっとこさ登場。
    一気に物語が進行していく。

    が、ペースを落とさないとついて行きにくい箇所があった。

  • 大変面白いミステリーものだった。最後まで犯人がわからなかったので、いつもなら退屈して最後までチラッと読んだりしてしまうのだが、我慢して物語がどのように展開するのか楽しんだ。
    登場する看護婦2人が寿退職っていうのはちょっとどうなのかなとも思ったが、まあそれでも主人公以外の登場人物の描き方や大学病院内部の様子は十分リアリティがあったし、よしとしよう。
    医者が書いただけあって外科手術のシーンなども緊迫感があり、ドラマを見ているようで面白かった。出世欲のない大学病院万年講師の医師と厚生省から派遣された医師免許持ちの役人がコンビとして活躍するところも、よかった。こういう飄々としたヒーロー2人も味わい深い。

  • 10年くらい前に読んで以来の再読。
    白鳥&グッチーのペアはやっぱり面白い。
    ただ、映像化されて白鳥がスマートな印象になってしまってるので、小太りな白鳥が想像できない(笑)

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 上巻と同じく、ドラマ映画の印象強くて、白鳥さんぽっちゃりなんや、と言うビックリが。

  • 心臓手術チーム、チーム・バチスタに起こった連続術中死について、不定愁訴外来の田口さんと厚生労働省の白鳥さんがその謎にせまる‥。このコンビだから楽しく読める!ドラマでもはまだ観ていないので、観たくなりました。

  • とても面白かった。
    名前は知っていたが、タイプライターズで特集が組まれていたことをきっかけに読もうと決意した。今回医療小説は初めて読んだが、後半、特に下巻に入ってからはスラスラと読めた。さすが「このミス」と感じさせられる。
    田口・白鳥率いる登場人物はどれもキャラクターが立っていて、脳内で考えていくのは楽しかった。特に後半から登場する白鳥はかなり癖が強いが、読んでいて痛快。
    ぜひ読んでほしい。

  • 感想は上巻のほうに書きました(°▽°)

  • はじまり

  • 病院で発生した連続術中死の原因を探るため田口が聞き取り調査をはじめます。病院調査にもかかわらず、エンターテイメント性が大きく感じるため、映画やドラマにするには最適な作品のようにも思いました。

    登場人物がたくさん出てきますが、結構特徴ある人物が多いため、底まではきになりませんでした。なんとなく分かる程度で話を読み進めていけます。

    真相に近づくにつれちょっと難しい内容も出てきますが、一気に最後まで楽しく読み進めれる作品でした。

    ミステリー小説というカテゴリー??っとはっきりとは言いがたい感じはしました。

  • ドラマと結末が違いますと言われて読み始めたのですが、時間の経過もあり、どう違うのかがわかりませんでした。登場人物の個性は、原作でも際立ってるなぁと思い、楽しめました。

  • 後半にて白鳥登場。
    最終的に解決するけどしてないっていうこのモヤモヤ感。
    ま、現実とは割り切れないものですわな。

  • 精神科医の主人公・田口が勤める大学病院で、高難易度の心臓手術を次々成功させ、世間から注目と喝采を浴びる「チーム・バチスタ」。
    ところが突如3件立て続けに術後に患者が死亡。田口が、この調査を病院長から任命されるところから物語が始まります。

    なんといっても異端官僚・白鳥のキャラの立ち方がすごいです。こういう色んな意味で力強いキャラが空気とか常識をぶち壊していくのは読んでいて爽快です(一緒に仕事はしたくないですが。理屈責めにあった上で「センスないねーアンタ」って言われそう)。

    上巻では謎が深まるばかりだったところから鮮やかにまくる下巻という展開で、話のテンポがよく、どんどん読み進められます。

    ミステリーを読みたい!というときに気軽に、かつ本格的に楽しめる一冊だと思います。




    -----以下、ネタバレ含む-----

    「飛ぶために必要で、今の田口センセに欠けているもの、それはほんの僅かな勇気、だけなんですけどねえ」
    というセリフをレストラン「満天」で白鳥に言われる場面がありますが、最後の会見シーンでの田口の大立ち回りはそれに対するひとつの答えなのかな、と思いました。
    田口センセの続編の活躍にも期待ですね。

  • おもしろかったけど白鳥のキャラがあまりに現実味がなくて少し冷めた。なんで半分過ぎてから出すんだろ?ちょっと歪ではないか?彼がいないと話が転がり始めないのであれば前半はなんだったの?
    犯人の意外性のなさにも拍子抜け。いやんいやん。そんな穏当な結末じゃいやん。動機も取ってつけたようだし。医局の闇的なものを扱いながら個人的な狂気が動機になるっていうのはどうなの?
    あとはチーム員のその後を描くなら全員の進退を示さないと公平でないと思う。そういう甘さが犯人の意外性のなさにもつながってしまっていると思う。
    犯人の指摘よりもチームの栄光と転落の軌跡がドラマチックだった。話しが進むにつれて集合写真が過去の栄光になっていくのが切なくてよい。

  • 東城大学医学部付属病院で発生した連続術中死の原因を探るため、スタッフに聞き取り調査を行なっていた万年講師の田口。行き詰まりかけた調査は、高階病院長の差配でやってきた厚生労働省の変人役人・白鳥により、思わぬ展開をみせる。とんでもない行動で現場をかき回す白鳥だったが、人々の見えなかった一面が次第に明らかになり始め…。医療小説の新たな可能性を切り拓いた傑作。

  • 読了

  • 面白かった!!

  • 爆速で読了。

    解説にもあったが、白鳥と田口のコンビが良い。
    湯川と草薙よりラフな関係であるが、クセが強め。田口視点からのぼやきが医療という題材の堅苦しさを和らげている。

    作家の海堂尊さんは全く知らなかったが、現役の医者らしい。執筆活動は多忙な合間を縫ってのものであり、なおかつ驚異的なスピードで作品を出しているらしい。
    何という人だ

    比喩表現が非常に秀逸で読みやすい。
    難しい語彙が多いが、それが文を読み進める上でストレスにならないのが不思議。むしろ語彙の意味を調べるうちに賢くなっている気分になる。
    他の作品もぜひ読みたいと思う。

  • 上巻の丁寧な書きっぷりが一転、下巻のスピード感が楽しい!

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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