林檎と蛇のゲーム (『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 211
レビュー : 57
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796662031

感想・レビュー・書評

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  • 以前、日テレ系の『超再現ミステリー』の中で取り上げられていた記憶があり、
    読んでみたいなあと思っていた本。
    数日前、図書館で見かけて、読んでみる気になり、借りてきました。

    中学3年生の名取珠恵は、船の設計士であるイケメンパパ・名取康孝と、拾ってきた白猫ミルクちゃんとの二人と一匹暮らし。
    『悲しみよこんにちは』(サガン)のセシルとレエモンのような父娘ですね。
    2階のパパの寝室に繋がるバルコニーからは海が見えるし、まさしくサガンの世界!海辺の爽やかな雰囲気を感じます。

    パパの恋人?謎の女が現れて不穏が走る。
    水野鈴奈の立ち位置は、「悲しみよ~」でいえば、アンヌあたりか。
    媚びを売らない無愛想な水野と、母親を気取って干渉してくるアンヌとでは正反対だけれど。

    猫失踪、残虐な死体で発見。占い師殺人(未遂)事件。
    急にミステリーっぽくなってきた!!
    ああ、そういえば、この話ってミステリーなんだっけ。
    珠恵、水野と逃亡。水野さんのことを少しずつ信頼し始める。

    パパの暗い過去。水野との秘密。
    今度は、少年少女の冒険譚に。ミステリーから、また爽やかな青春小説に戻りましたね。
    ボーイ・ミーツ・ガール~♪(byTRF)

    ヤクザの親玉・五条の登場で、いよいよ、タイトルの「林檎と蛇のゲーム」が登場。
     *林檎(一億円)=禁断の果実(りんご)
     *蛇=五条
    禁断の果実を食べてはいけない……みたいな。
    中窪との約束を果たそうと、何が何でも一億円には手を出すまいとしている康孝少年。
    対して、彼が誘惑に負けて一億円を使ってしまうように仕向ける五条。
    この関係は、『走れメロス』(太宰治)のメロスと暴君ディオニスに通じるところがありますね。

    水野が過去を語っているあいだに、占い師事件は思わぬ方向へ。
    誰の陰謀か、事件の容疑者としてニュースに取り上げられてしまった珠恵。
    誰も信じてくれるひとはない……という孤独感は、『八つ墓村』(横溝正史)の寺田辰弥のよう。
    サスペンス要素が強まり、なんだかドキドキしてきましたよ。

    紳士的なヤクザ、井川さんの協力のもと、事件は解決へと向かっていきます。
    占い師の家へ忍び込んだ空き巣が捕まり、変わり果てた中窪とも再会。
    そして、占い師の正体が明らかに!!
    珠恵も無事容疑が晴れ、こうして元通りの平和な暮らしが戻ったのでした。めでたしめでたし。

    ゲームに隠された意味や最後の珠恵のセリフなど、少々哲学的なところもまた深いですね。
    もしも突然一億円が手に入ったら?というありがちな質問をテーマに、お金とはなにか、お金を使うのと使わないのとどちらが難しいのか、ということを問いかけてきます。

    ただ、占い師宅の事件は空き巣の犯行だとして、ミルクちゃんを無残にも殺害したのは本当にあの占い師だったんでしょうか?
    麻薬所持で捕まった占い師が、件の一億円を送り付けられたあとのことも気になります。一体どんな反応をしたんだろう。
    あと、水野さんはパパ(康孝少年)の船に乗せてもらったけれど、中窪は乗せてもらえたのかなあ、とか。
    水野さん、やっぱりパパのこと好きだったんじゃないかなあ、とか。
    珠恵とも打ち解けたようだし、パパと水野さんの再婚もあるんじゃないかなあ、とか。
    (でも、井川さんと復縁する可能性もなくはないかも……)

    青春小説に始まり、残虐な描写もあり、ミステリー、サスペンス、冒険譚、ドキドキハラハラの逃亡劇、そして哲学的要素もあり、すごくおもしろかったです。
    ただ、最後にほのめかして終わりというか、「ああ、この子たちどうなるの!!」ってじれったくなる終わり方だったので、続編を期待して☆4つです。

  • 読みやすい文章で、最後まで楽しく読めた。
    他の作品も読んでみたい。

  • 何年か前のこのミス大賞を惜しくも逃した作品に加筆された物を読んでみた。この作者はライトノベルを別のペンネームで発表している人らしく読みやすい軽い文体ながら文章力があるのは読んでいて分かる。交通事故で母を無くした主人公が、父の海外出張中に事件に巻き込まれるところから物語は始まる。父親の元恋人が出てきたり、彼女から知らなかった母親の様子を聞く事が出来るなどお話はそこそこうまく作られているので、まあ読んでよかったかなという感じの小説ではありました。
    軽いサスペンスをお探しの方にはちょうど良いかもです。

  • ★★★★☆
    ご都合主義だけど、ハツラツしていて楽しい
    【内容】
    父と二人暮らしの珠恵。ある日出張が決まった父が、娘の面倒をみてもらおうと水野という女性を連れてきた。

    【感想】
    かなりのご都合主義っす。都合がいいとしか言い様がない。
    でも、個々のキャラクターは生きており読んでいて楽しいです。

    シリーズ物にしたらドラマ化もイケます!

    なお、あまり題名は関係がない。。。。

  • 読後感が爽やか。
    テレビで紹介されていたのがきっかけで読んでみた。

  • ヤクザ、殺し、お金をめぐるごたごたと、話しの内容はドロドロなのに、何とも爽やかにスッキリとした話しのように感じるのは?何故だろう? 特別な感動などはないけれど、読後感がとてもよい作品でした。小説だから受け入れられるけれど、ドラマ化はむりでしょうね。

  • 面白かった。
    ストーリーの流れにすんなり入り込めた。
    過去の話が、中心に描かれているが、話しの持って行き方がうまいなぁーと思った。

  • 351ページ
    最初から最後まで割とサクサク読めた。中学生が主人公のせいか若干文体が幼稚な気がした。タイトルの「林檎と蛇のゲーム」とは康孝がヤクザである五条に仕掛けられた一億円を巡るゲームである。一億円の行方はとても気になる部分であったが、オチはあまり気に入らなかった。この本は以前テレビで紹介されていたので読んでみた。

  • 「再現ミステリー」で見たよりも、かなり面白かった。

    あらすじと「再現ミステリー」で見たのとで“藤枝を襲ったのは誰か?”がメインかと思ってたら“珠恵の父と水野が一億円を守ってきた話”がメインで少しビックリ。(題名で考えると正しいのか。)
    珠恵のお父さんも凄いけど、お母さんも凄いな。
    水野さんも格好良い!仕返しの方法も上手いし。
    叔母さんとツルちゃんにはどこまで話したんだろう?

    ミステリーというよりはミステリ風味の青春小説って感じだった。

    登場人物たちが皆好きだから、シリーズ化してほしいけど無理だろうな。
    珠恵の両親と水野、井川の過去話読みたいんだけど。

  • 時を超えたミステリー
    命懸けで、一億円を守ろうとする姿勢が立派です。

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