カフーを待ちわびて (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
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レビュー : 557
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796663526

作品紹介・あらすじ

もし絵馬の言葉が本当なら、私をあなたのお嫁さんにしてください-。きっかけは絵馬に書いた願い事だった。「嫁に来ないか。」と書いた明青のもとに、神様が本当に花嫁をつれてきたのだ-。沖縄の小さな島でくりひろげられる、やさしくて、あたたかくて、ちょっぴりせつない恋の話。選考委員から「自然とやさしい気持ちになれる作品」と絶賛された第1回『日本ラブストーリー大賞』大賞受賞作品。

感想・レビュー・書評

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  • 家族のいない友寄明青(あきお)は沖縄の与那喜島で黒いラブドールズのカフーと裏の家に住むおばあと、よろずやをしながら暮らしています。
    タイトルにもなっている、カフーとは与那喜島の方言で<果報>いい報せの意味です。

    明青が遠久島の飛泡神社で絵馬にふざけて「嫁に来ないか。幸せにします。与那喜島 友寄明青」と書いたのを見たという、謎の女性、幸から「あなたのお嫁さんにしてください 幸」という手紙が舞い込み、その後しばらくして、本当に若く美しい女性、幸が明青のところにやってきます。
    「今日からお世話になります」それだけ言うと、素性の全くわからないその女性、幸は、その日から明青と一緒に店の手伝いをしながら、おばあと三人で暮らし始めます。
    明青は「幸には知られたくない過去、あるいは、忘れたい過去があってやってきたのではないか」と、突然やってきた幸の本意がわかりません。

    幸は美しくてなかなかいないような、かわいい女性。ちょっとアバサー(おてんば)です。
    明青は不器用だけど、おばあ思いの、優しい青年。

    とても気持ちよく読むことができる、沖縄の美しい情緒のかおる素敵な恋愛小説です。

    「どうかこの二人が幸せになりますように」と願わずにはいられませんでした。

    第1回「日本ラブストーリー大賞」を受賞しています。

    • まことさん
      やっぱり、色々、お詳しいですね!
      映画はイメージが壊れるから観られないのでしょうか?
      スピンオフは「花々」という作品みたいですね。(今、...
      やっぱり、色々、お詳しいですね!
      映画はイメージが壊れるから観られないのでしょうか?
      スピンオフは「花々」という作品みたいですね。(今、調べました)図書館には置いてないみたいです。
      今、私は『奇跡の人』を拝読中です(^^♪
      2019/07/11
    • kanegon69 さん
      そうですね。映画の方、それほど評価高くないのと、自分のイメージのままにしときたいからの両方ですかね。マハさん全制覇しそうてすね、また感想お待...
      そうですね。映画の方、それほど評価高くないのと、自分のイメージのままにしときたいからの両方ですかね。マハさん全制覇しそうてすね、また感想お待ちしております
      2019/07/11
    • まことさん
      全制覇はちょっとむずかしいかもしれないです。。。
      初期の作品をあまり読んでいないので、もし何かオススメがあれば教えてください(^^♪
      全制覇はちょっとむずかしいかもしれないです。。。
      初期の作品をあまり読んでいないので、もし何かオススメがあれば教えてください(^^♪
      2019/07/11
  • 沖縄を舞台にした小説が読みたい…
    と思い購入したこの本。

    まさに私が求めている沖縄の空気、
    ゆったりした時間が流れ、
    運命とも言えるような出会いと
    温かい気持ちになれる結末。

    沖縄を旅してみたくなりました。

    原田マハさんは芸術関係の
    攻め挑んで来るような鋭い作品も
    とても好きだけれど、
    実は日常を描いた緩やかな作品の方が
    私は好きだったりします。

  • 「嫁に来ないか。幸せにします」
    「絵馬の言葉が本当なら、私をお嫁さんにしてください」
    から始まるスピリチュアルなほどピュアなラブストーリー。
    ゆるやかな時間が流れる、沖縄の小さな島。一枚の絵馬と一通の手紙から始まる、明青(あきお)と幸(さち)の出会い。偶然に見えた二人の出会いは、思いも寄らない運命的な愛の結末へ。
    第1回「日本ラブストーリー大賞」大賞受賞作品。
    Amazon より

    絵馬に書いてあっただけで、そんなことにはならないよなぁ・・・
    と思っていたら、やっぱりつながりがあった.
    でも、シリアスすぎず、沖縄のゆったりとした時間を感じさせる文章が二人を取り囲む友人や環境をゆるやかに心の中に広がる作品.
    待ちわびて、だけど、待っているだけじゃ、つかまえられない想いがある.

  • 2005年第1回日本ラブストーリー大賞受賞作。

    沖縄の与那喜島で、小さな店をやりながら、ひとり暮らす友寄明青(ともよせあきお)。
    友寄商店は戦前から続くよろずやで、昼間は中休みをとるのんびりしたやり方だ。
    明青が子供の頃に、母は家を出た。
    祖母もなくなった7年前からは、裏の家に住むおばあが、夕食は作ってくれている。
    おばあは、ユタという沖縄の巫女だった。ユタは今も地域の要で、代々続いている家系もある。神託を受けた後、厳しい修行をしてユタになるのだ。
    島人(シマンチュ)が折節に相談に来たり祈ったりしている特別な家。おばあは本物の神人(カミンチュ)だと明青は感じている。
    ことあるごとに、おばあはそれを予言するウシラシ(お知らせ)を告げてきたからだ。

    犬のカフーも一緒にいる。
    黒いラブラドール犬。
    カフーとは、果報という意味と、幸せという二つの意味がある。

    友達と生まれてはじめて島を出て旅行した先で、飛泡神社の絵馬に「嫁に来ないか、幸せにします」と名前も書いた。
    崖が心中の名所になっているというところだったが。
    「お嫁に行きます」という手紙が来る。
    まさかと驚きつつも、それとなく支度をして、待ちわびる明青。
    あきらめた頃になって、すらりとした綺麗な娘・幸がやってきた。
    笑顔で店を手伝い、すぐにカフーと仲良しになる。

    町では開発計画が進んでいて、乗り気でない数軒も、次第に説得されていく。
    人口800万の島に、観光客を5万集めようというリゾート計画だ。
    かっての級友・俊一がその会社にいるのだが、いかにもやり手で調子がいい男。犬のカフーは俊一が来ると必ず吠え立てていた。
    祈りを重ねてきた家を手放したがらないおばあだったが。
    明青は、幸と結婚するために家を売ろうとついに決心する。
    ところが、幸の正体を友達から聞かされて‥?

    まぶしい日差し、珊瑚の石垣、晴れ晴れとした水平線。
    小学校の校庭にある巨大なデイゴに登った思い出。
    犬のカフーと散歩し、近所の人とおしゃべりする毎日がなんだか羨ましい。
    何気ない生活の中で、ゆったりと育まれるラブストーリー。
    気立てが優しく不器用な二人の、控えめな気持ちが、切ない。
    大ハッピーエンドではないけれど、たぶんそうなるだろうと‥
    想像させる余韻を味わえます。

    作者はキュレーター、ライター。
    大手総合商社、ニューヨーク近代美術館勤務などを経て、2002年独立。

  • 有名人が不倫の果てに波頭崖から身投げしたことで知名度があがった飛泡神社。友寄明青はそこの絵馬に場違いな願掛けをする。
    「嫁に来ないか。幸せにします」

    もちろん本気で書いた訳ではない。

    なのに、幸という女性から手紙が届いた。
    「あの絵馬に書いてあった言葉が本当なら、私をあなたのお嫁さんにしてください」
    その後本当に、美しい女性 幸が現れる。まさか神様が本当に花嫁を連れてきてくれたのか…?

    沖縄の美しい風景とリンクして、不器用な2人の恋模様が眩しい。でも明青、不器用すぎるよ…。

    カフー、アラシミソーリ。幸からの手紙があたたかくてせつない。

    • koshoujiさん
      あけましておめでとうございます。

      これは原田マハさんのデビュー作ですね。
      日本ラブストーリー大賞受賞。
      この本も読んでみたいと思っ...
      あけましておめでとうございます。

      これは原田マハさんのデビュー作ですね。
      日本ラブストーリー大賞受賞。
      この本も読んでみたいと思っています。

      仙台のお正月は毎日雪が降り続き、
      朝晩の冷え込みが厳しい日が続いています。

      今年もよろしくお願いします。
      2013/01/04
    • hetarebooksさん
      koshoujiさん

      あけましておめでとうございます。
      仙台のお正月、寒そうですね~。
      私は年末の野外フェスで風邪をひき、今まで...
      koshoujiさん

      あけましておめでとうございます。
      仙台のお正月、寒そうですね~。
      私は年末の野外フェスで風邪をひき、今までこじらせております(><)

      弱った体にほこほことあったかい、原田マハさんのこの作品、ぜひどうぞ♪

      今年もよろしくお願いいたします。
      2013/01/08
  • 切なくて温かくて。

    いつになく、ジンと深く長い余韻に浸った。
    沖縄の離島に暮らす明青とそこにやってきた秘めた過去を持つ幸とのひと夏の暮らし。忍び寄る島の再開発を波形に二人の恋の行方が描かれる。

    荒削りだけれど、物語の引力が強くて、読者の私の気分はすでに島人だ。一度も訪れたことのない南国だけれど、明青と幸のカップル二人と親同然のおばあや、友人たちのにぎやかな顔が浮かんできて、とても楽しくゆるやかな時間を楽しむことができた。

    心の洗濯ができた。彼ら与那喜島の人々に幸せな日々が来ることを願ってやまない。

  • 沖縄の小さな島に住む明青は、小さな店を営みながら犬のカフーと裏に住む巫女のおばあと静かな生活を送っていたが、島は明青の友人である俊一が進めようとしているリゾート開発の是非を巡って揺れていた。
    そんな中、明青が旅先の神社で気まぐれに「嫁に来ないか」と書いた絵馬を見たという女性が、本当に明青の元にやってきた…。

    「楽園のカンヴァス」が面白かったのでこちらの小説を読んでみたらビックリ、スタイリッシュでエッヂーな「楽園…」から一転、こちらは胸が締め付けられるほど穏やかで素朴で優しい小説だった。
    「オリエンタリズム」ならぬ「オキナワリズム」とも呼ぶべき、誰しも多かれ少なかれ持っているであろう沖縄に対する憧憬と郷愁と先入観が少なからずこの小説の覚束ないリアリズムを助けていることは否定できない。しかしそれ以上に、登場人物たちの恋愛感情がとても活き活きと、また初々しく書かれているので、ストーリー自体はおとぎ話のようでもこの小説にリアリティを感じることができた。
    沖縄の言葉や習慣を丁寧に調べ、またさりげない伏線にもキッチリと落としどころを付けてあるところもさすが原田マハという感じでぬかりない。

    物語のカラクリとしてはおおむね予想していた通りだったけれど、こういうラブストーリーは、奇をてらうよりもこのくらいの予定調和感で進んだ方が最後のオープンエンディングが活きると思う。

    三浦しをんの「風が強く吹いている」を読んだ時に、今年の上半期ベストは決まったと思っていたけれど、ひと月も経たないうちにこの作品が私的記録を更新してしまった。今年は良い小説に沢山巡り合えて幸せだ。

  • 何度も書くが、「楽園のカンヴァス」からはまった人間は原田マハのデビュー作を知らない。
    もしかしたら、正確には今作がデビュー作ではないのかもしれないが、今作は第1回日本ラブストーリー大賞受賞作であり、かなりのファンがいることを最近知った。
    沖縄が舞台の今作は先に読んでしまった「風のマジム」に雰囲気も作風もよく似ている。
    大らかな沖縄の風土と原田作品の温かさが相まって、前評判どおりの優しい作品。
    沖縄で愛犬と暮らす海人・明青が、島の再開発の視察で行った先の神社で絵馬に「嫁に来ないか」と書いたことから、本当に花嫁がやってきた、あらすじだけ読めば、何ともファンタジー。しかし、実際に描かれているのは主人公・明青の孤独な人生や、沖縄の小さな町が抱えている高年齢化や再開発問題など、かなり考えさせられる内容。
    直前に別の作家さんではあるが、やはり沖縄を舞台に描かれた作品を読んでいるだけに、いろいろな内容がクロスして、ライトなタッチで描かれているのに、何だかいろいろ考えてしまう。
    幸の正体は、うすうす分かってしまうが、完全なハッピーエンドで終わらないところがまたいい。
    そして何より、幸せは自分から探しに行かないといけない、と言うことを優しく教えてくれる良作。
    でも、ちょっと期待し過ぎていた部分があるので、星は少なめ。

  • 沖縄県渡名喜島を想わす与那喜島を舞台にした小説です。

    原田マハさんのデビュー作でずっと気になっていました。読んだ印象はこれまで読んだ作品と良い意味で違い、新鮮でした。しかし、沖縄の美しいビーチが思い起こされる風景描写は相変わらず綺麗だと感じました。

    すっと読みやすい作品なので、何か小説読みたいなと思った人におすすめしたい本です。

  • 沖縄の海に吹く潮風を感じて
    ゆっくりとした時が流れていく...

    純情ピュアな純愛物語。
    久しぶりに出会ったような気がします。

    沖縄の海に浮かぶ島、与那喜島。そこで小さなよろず屋をやりながら
    おばあと暮らす青年・友寄明青(ともよせあきお)は35歳。独身。
    島からは一歩も出たことがないという、この素朴な青年が主人公です。

    明青はね、
    優しすぎてお人よしすぎるから...

    そんな彼のことを少しでもわかってあげていたのなら、黙っていないでよ幸...。
    勝手に押しかけてきたのは幸の方なのだから、あなたの事情もわかるけれど
    ほんの少しでいいから心を開いて、明青になにか一言ってあげて欲しかった...。
    明青にも一歩を踏み出す勇気を出して欲しかったけど...
    そうしたらお互いがすれ違わずに済んだかもしれないのに...

    あぁ..でももうそれも過ぎてしまったこと。
    今さらですね...(笑)

    明青はきっと島に帰っているのでしょう♪
    カフーを手にして。^^

    島は賑わっているかな...

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著者プロフィール

原田マハ(はらだ まは)
1962年東京都生まれ。小6から高校卒業まで岡山で育つ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事株式会社、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館での勤務を経て、2002年よりフリーのキュレーターとなる。2005年小説化デビュー作の『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、『キネマの神様』で第8回酒飲み書店員大賞をそれぞれ受賞。2013年には『ジヴェルニーの食卓』で第149回直木賞候補、2016年『暗幕のゲルニカ』で第155回直木賞候補となる。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞受賞。2019年『美しき愚かものたちのタブロー』で第161回直木賞候補に。

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