ナイチンゲールの沈黙(下) (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796663601

感想・レビュー・書評

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  • 前編で起こったある事件の解決編。共感覚の強化版のようなものや、デジタルムービーアナリシスといったSFチックなものが出て来た為、現実感のあまりない小説になっていると感じました。ただ、田口をはじめとする人間ドラマは前作同様面白く、今後の作品にも期待出来ると思いました。

  • 一気に読み終えました。
    イメージを想起させる、不思議な歌声をもつ看護師と、両目に癌を患うちょっと複雑な少年と、もう残された時間が僅かな色白の少女。
    病院と手術と殺人事件と、複雑に絡み合う中で、命と向き合う彼らの姿に、涙が誘われました。
    ミステリーとしての面白さが、第一作目のバチスタの栄光から、さらに深まり、海堂尊シリーズを追いかけたいと思いました。

  • 田口、白鳥コンビの病院ミステリ。
    バチスタはかなり前に読んでいた。

    登場人物はシリーズものなので、同じ人が多く、こんな感じだったなーと思い出す。

    話は小児科での話。面白くて、ほぼ一気に読む。

  • 2時間ドラマを見ていたのだけれど、全然違う話で驚いた!
    犯人とかその辺は大体わかるけれど、何がすごいって共感覚についてでしょう!!
    SFチックな設定で、ちょっとエンタテインメントに偏りすぎてる感じもするけれど(特に城崎さん)、ありえないことじゃないような気がしてしまうのが、さすがなのかな。
    本当に共感覚って不思議。子どもの頃には私も持っていたんだろうか。
    「これはこういうイメージ!」って解釈していたものが、実は実際の感覚を伴っていたんだろうか。

  • 登場人物が少ないので犯人は大体決まっていたし、理由もわかっていたけど、まさかそこまでするとは思ってなくてそうなのかなぁどうなのかなぁと、最後まで確信が持てなかったです。瑞人くんと由紀さんのもどかしい関係とか城崎さんと冴子さんのもどk・・とか加納さんと白鳥さんとぐっちーとタマちゃんのかけあいとか合間合間にきゅんとしたり楽しい部分が入っているのがシリーズを読んでて好きです。

  • 犯人は上巻で分かっていたけれど、決定的証拠のない中どう詰めていくのか、どきどきしながら読んだ。

    色んな人の思いが交差して、切なくなった。
    瑞人君は「哀しい少年」と言う言葉が本当にぴったりで、凛々しくもあり虚しくもあり…。
    後半はちょっと涙しそうにもなりつつ、終幕。


    面白かった!
    次の話への複線もちらほら散りばめられていて、またまた続きが気になる…

  •  海堂尊の作品は、どの作品も同じ世界の出来事として、キャラクターと時代を共有している。さらにその中で、度々主張される作家的見解(医師的見解)も執拗に表現されるため、医師がペンを取った理由はかなり明確なものとして世界に伝えられていると思う。小説のみならず、エッセイその他のノンフィクションにおいても、メディアにおいても作家(=医師)は、同じ主張を繰り返す。

     放射線科教授・島津が解剖に代わる法医学の手法として死後MRIを選択する方向を示すのは『螺鈿迷宮』で主体的に取り上げられるテーマだが、これも作家的(医師的)モチーフの重要な一つである。本書ではMRIを通して看護師・小夜の美しい歌声を聴いた子供がママの顔を思い浮かべ、不思議な現象を投影するシーンが描かれる。

     そのシーンばかりではなく、本書のテーマは歌である。死を待つばかりになった、かつての歌い手・水落冴子が入院患者として最上階の特別病室に君臨するのもまるで音楽の神ミューズの使いのようである。

     一方で、患者家族の残忍な死が、ミステリーのネタ、謎解きの材料として提供され、そこに関わる子供たちの心情、看護師たちの狂騒と、暗いテーマを音楽的で美しいイメージで装飾し包み込もうとする作者の造形の心が見えてくる。

     一作目『チーム・バチスタの栄光』では愚痴外来を中心にミステリー的要素を多く持つ娯楽小説が、新鮮でなおかつそのテンポとリズムとの魅力で、海堂尊は、日本中を唸らせた。二作目の本書では、まだミステリへのこだわりは見せるものの、物語の語り部としての才能をむしろ開花させている気がする。暗く救いのない現実を、美しいソプラノで包み込み、美しい感性として昇華させる、作家の技である。

     もちろんその後の作品でも、海堂尊はいくつもの美しい描写、個性的なキャラクター、人間同士の距離と駆け引きの妙、そこに生まれるドラマ……といったものを次々と作り出してゆく。

     二作目として書かれた本書の意味は、言わば作家的地平、スケール感といったものを大きく広げ、後のこの作家の安定した創作ぶりを予告する重要な役割を果たしたものという気がする。

     その後も各作品において、活躍を余儀なくされる、ナースという存在。医師ばかりではなく、患者を、そして医療の現場全体を支えるナースという極めつけにタフな天使の存在を、奇麗ごとばかりではなく、罪のサイドに追いやってなお、その強さと一途さと人間愛の深さとで、情緒たっぷりに描いてゆくこの作家の技には、まだまだ目を離すことができないものがあるように思うのだ。

  • やっと読み終わった。

    バチスタとジェネラル・ルージュは
    実写化したのにどうしてナイチンゲールは
    実写化にならなかったのか不思議だったけど
    読んでみてわかった。たしかに無理だわ・・・

  • 一見、バラバラに見える3本のストーリーがクライマックスに向かって収束していく様は、読んでいて鳥肌が立った。これは是非、映画化してほしい。コミカルな要素も随所にちりばめられている。さり気ないエピソードが後に重要な伏線だったことを気づかせてくれる手法は見事。そして、クライマックスにヒロインが取った行動に驚いて3文字のスラングを叫びそうになった。

  • おもしろい!やはりシリーズものは、どんなに新しいキャラクターが出てきたとしても、レギュラーの存在感が重要だし、自分も底に期待しているので、それにしっかりと応えてくれるのは、読んでいて気持ちがいい。

著者プロフィール

海堂 尊(かいどう たける)
1961年、千葉県生まれの作家、医師。医師としての所属は、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所・放射線医学総合研究所病院勤務(2018年3月時)。
2005年に『チーム・バチスタの崩壊』で、第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、作家デビュー。
同作はのちに『チーム・バチスタの栄光』と改題して出版される。映画・テレビドラマ化もされた代表作となった。

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