仏教は心の科学 (宝島社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796664288

作品紹介・あらすじ

「生きる」とはどういうことか?どのように生きれば幸せになれるのか?死んだらどうなるのか?お釈迦さまは何を語られたのか?「因縁」とは?「無常」とは?「無我」とは?「生きることは苦」とは?「悟り」とは?「涅槃」とは?「解脱」とは?-きわめて根源的な問いに、初期仏教の長老が明快に答える。一読、あなたの仏教観、性格、そして人生までが変わる衝撃の法話集、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  •  やっかいな問題のほとんどは自分と他人を比べることから生まれる苦しみです。幸福が消えてしまうのです。だから仏教は他人と比べることをやめて、心を混乱させずに、落ち着いて行動することを推薦しているのです。

     お釈迦さまは「一切は苦(ドゥッカ)である」と発見なさいました。快楽を得ようと努力しても、結局、残るのは「もっと欲しい」という気持ち、不満だけです。そういうわけで、お釈迦さまは、「欲望が消えた状態は幸福だ」と言うのです。~

     だから、欲望を追求しても幸せは続かない、それはムダな努力で、むしろ欲望を消すことが幸せになる最短距離だ、と言われても簡単には納得できないし、むしろ納得したくない、という人の方が多いでしょう。でも、欲しいものを少しだけ遠ざけてみると、それが無くても困らないし、不幸でもないことが分かります。

     心の働きは、コントロールできる意識的なものと、どうにも手に負えない、手の施しようのない無意識のものがあります。コントロールできる意識の働きを、自分の幸福の方に管理しておけば、それで人間は幸福になれます。ヴィバッサーナー瞑想は、コントロールできることを頭の中で言葉で実況中継しながら、ゆっくり行うのです。

  • 【要約】


    【ノート】

  • 普通の人は、私利私欲に走ってばかりで、永久に満足できない生き方をしている。
    しかし仏道とは、何かに依存するのではなく、完全に自立し力強く生きていく道だ。

    欲望にまみれて苦しむより、無欲で自由な生き方の方が幸せになれる。頭では理解できるけど、なかなか難しい。
    まずは週に一回でも、瞑想して心を落ち着けるところからスタートしてもいいかもしれない。

  • なかなか読み進まないのは、私が未熟なせいなのか…(。-_-。)

  • 尊敬している人から勧められて読んだ本、
    「仏教は心の科学」

    祈る対象は神様ではなく、恩を受けた他の人達に対して。
    お世話になった一に感謝すること。
    自分を少しでも助けてくれる人があったら、一生その人のオンを忘れてはいけない。
    恩を忘れるのは人間らしくない。

    仏教の心理の第一番目は、「生きることは苦である」というもの。

    人格を磨くこと。心を清らかにすること。
    あらゆる道具を使って取り組むべき人間の課題は、これに尽きる。
    そのありさまを「生きる」という。

    難しいのは、ストレスを感じつつ努力すること。
    欲張らずにものごとを皆と分け合って共有すること、
    ストレスを怒りに変えずに忍耐すること。

    難しいこともあるかもしれないが、心にとめて、生活に取り入れてみよう。
    仏陀は諸行無常と説きながら、現代でも通じる不変の真理を言葉にした、
    心からすごいと思う。

    One of the things that my parents have taught me
    is never listen to other people's expectations.
    You should live your own life and
    live up to your own expectations,
    and those are the only things I really care about it.

  • 自分の心を冷静に「観察」する。怠けと精進は「心の触媒」。自分の心の動きについて、こうしたらこうなるというように、「仮説」を立てて、それを「実験」によって「検証」していく。筆者の言うこのようなアプローチで考えると、正に仏教は「心の科学」だという考え方も腑に落ちる。
    この本のキーワードを3つの四字熟語で言うと、「因果応報」「諸行無常」「小欲知足」ということになろうか。
    このうち、「因果応報」については、ジェームズ・アレンの「原因と結果の法則」に通じるところがあると思う。

  • 一般的なお坊さんから聞けるような話が多かったが、「因縁」「無常」の観念の解説が面白かったです。
    でも慈悲が大事で、「慈悲の瞑想」の初っ端に「私は幸せでありますように」と最初に自分に慈悲をかけるのに、第2章 生きるということでは、「一番大きな苦しみは、皆さんが『我々は幸福だ。ああ生きてきて良かった』と思うことです。」や死んだらどうなるかの部分でも最期まで気を抜くなということをおっしゃっておられるが、この辺りはもう少し勉強する必要がある。

  • 仏教ってすごいです。現在の脳科学のほぼ同じようなことを二千年以上も前にお釈迦様は発見していたなんて、驚きました。

  • (2009/9/13読了)

  • スマナサーラ師のテーラワーダ協会というのは、いわゆる上座部仏教なのだと思いますが、すごい!と感動した。
    仏教って、こんなに論理的なものなのか、と目から鱗。
    大乗仏教的なイメージで、仏教ってナムナムしているもんかと誤解していました。

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著者プロフィール

アルボムッレ・スマナサーラ
Alubomulle Sumanasara

テーラワーダ仏教(上座仏教)長老。1945年4月、スリランカ生まれ。13歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとる。1980年に来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事している。朝日カルチャーセンター(東京)講師を務めるほか、NHK Eテレ「こころの時代」「スイッチインタビュー」などにも出演。著書に『サンユッタニカーヤ 女神との対話 第一巻』『スッタニパータ「犀の経典」を読む』『ダンマパダ法話全集 第八巻』『ヴィパッサナー瞑想 図解実践─自分を変える気づきの瞑想法【決定版】』(以上、サンガ新社)、『怒らないこと』(だいわ文庫)、『心は病気』(KAWADE夢新書)、『ブッダが教える心の仕組み』(誠文堂新光社)、『ブッダの教え一日一話』(PHP文庫)、『70歳から楽になる』(角川新書)、『Freedom from Anger』(米国WisdomPublications)など多数。

「2023年 『無常の見方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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