ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
4.01
  • (751)
  • (927)
  • (610)
  • (38)
  • (11)
本棚登録 : 6788
感想 : 472
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796667692

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • R1.7.1 読了。

    救命救急医には、頭が上がらない思いがする。自分の寝食を二の次にして頑張ってくれてるから。速水部長のような医師は、貴重だと思った。
    白鳥調査官の活躍が少なくて、残念だった。続編に期待したい。

  • 田口・白鳥シリーズ第3作

    今作は、救命救急センターが舞台。
    万年講師の田口公平が、学生時代の親友で、今はジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)と呼ばれる速水の企業との癒着問題に挑む。

    前作の『ナイチンゲールの沈黙』と同時進行で進んで行き、所々でシンクロしている部分が出てくる。
    あの大変な時にこんな事が起こっていたとは、医師って大変だなぁと思ってしまった。

    殺人や犯人探しの要素はなく、告発の怪文書をめぐって行われる院内会議が主になっていく。
    個性的な医師や看護師、病院関係者の腹の探り合い、行ったり来たりする主導権のやり取りが面白かった。

    白鳥の登場機会が少なかったのが少し残念。
    これもグッチー(今作では行灯と呼ばれることが多かった)の成長の証か?

    途中から登場した姫宮女史の正式な肩書きが最後に明かされ、次作への期待が高まった。

  • 主役にしかなれない男、速水晃一。

    救急医療に対して本気で取り組んでいるからこそ周りに敵をつくってしまう速水だが、良き理解者である高階病院長や、同期の田口、島津、部下たちは見捨てずその後ろ姿についていくんだろう。
    桜宮の医療は速水がいてこそ。3年後戻ってきてほしい。
    そして白鳥が出てくると急激にスピードアップする…笑

    何度も読み直しているけれど、今回もやはり私の大好きなジェネラルだった。

  • バチスタシリーズの2作目の下巻。

    救急医療のおかれる環境と倫理(ルール)とリスクと理想の間で繰り広げられるやり取りがかなり秀逸。
    委員会での舌戦やこれまでの遺恨などドロドロした争いが理論的に行われる一方で実際に患者を救う現場ではその事すらも空虚であり、矛盾しているのではないかと考えさせられるものであった。

    上巻の展開がゆっくりだったが、下巻ははじめからかなりのスピード感で進んで行き、非常に面白かった。

  • 今をときめく?海堂尊の東城医大病院シリーズ3作目。
    2作目の「ナイチンゲールの沈黙」と同時期に起こっていた事件ということらしいですが、2作目より面白い。
    「チーム・バチスタの栄光」から読んだ方が良いと思いますが、次はこれでもどれでも差し支えないのかも?

    ICUの爆弾娘・如月翔子看護師は、その晩に見ていた舞台で倒れた歌姫と救急車に同乗して、勤務先の病院へ。
    救命救急センター部長の速水晃一には一言褒められます。実は速水に惹かれている翔子。

    一方、その速水医師が特定企業と癒着しているという匿名の怪文書が。
    病院長の依頼で、また田口公平医師が調べることになりますが、倫理問題審査会の面倒きわまりない手順に振り回されます。
    速水とは同期で気心の知れている田口でしたが…

    タイプの違う看護師たちの仕事ぶりと出世競争がなかなか面白い。
    若き日の伝説的な指揮の巧みさで、血まみれ将軍と異名をとる速水医師がなんともかっこいいんです。
    一番、読後感が良いかも知れませんね。

  •  花房さんは世良とくっつくんじゃなかったのね、と他作品を読んでから気づくのが桜宮サーガ再読の醍醐味。場面は病院内に限定されているのにこのレベルの高さを維持しているのは、何回再読しても驚く。社会人経験を重ねてから読むと、学生の頃には気づかなかった田口先生の多忙ぶりに気づき同情してしまう。ジェネラルのカッコ良さに影が薄れてしまいがちだが、採算は取れなくとも絶対に必要とされる救命救急や倫理とは何ぞや?という漠然とした問いまで様々な問題を至上のエンタメと共に味わえる。

  • ドラマ版の「バチスタ」や「ナイチンゲール」がそれほど面白くなかったのでこれまで躊躇していた海堂尊さんですが、ドラマ版「ジェネラル・ルージュの凱旋」がなかなか面白かったので、今回初めて海堂尊さんの本を読んでみました。

    結果は大満足!!とにかくジェネラルがカッコいいし、非常に読みやすい本でした☆大好きな東野圭吾もそうだけど、理系作家が書く小説は僕にとってどれも分かりやすくて面白いです♪

    ・・・ただ、「ナイチンゲール」を読んでいないと分からない箇所がいろいろあって、その点だけは不満かも。「ナイチンゲール」の評判は余り良くないみたいだし、ひとまず次は「バチスタ」の方を読んでみたいと思います☆

  • 前作読んでから随分と間が空いて設定を忘れ掛けてたところも多々あったが(初っ端に搬送される患者とか)エンターテイメント小説として面白かった。色々細かく恋愛模様まで回収されてる。マンガチックな登場人物(特に医師)はキャラの書き分けとして有用。

  • 内容紹介
    高階病院長の特命で、速水部長の収賄疑惑を調べ始めた田口だったが、倫理問題審査委員会による介入や、新人看護師と厚生労働省のロジカル・モンスターの登場でさらに複雑な事態に巻き込まれていく。悲願のドクター・ヘリ導入を目前に、速水は病院を追われてしまうのか。切り捨てられゆく不良債権部門・救急医療を守る男の闘いと、医療の理想と現実をダイナミックに描き出した傑作エンターテインメント。

  • *上下巻ともに同じ感想を記述。

    *****

    アイツはワガママで傲慢で人を人とも思わず医療のために突っ走る暴走機関車です。

    *****

    ある日、不定愁訴外来担当兼リスクマネジメント委員会委員長である田口のもとに、一通の告発文書が匿名で届いた。
    『救急救命センター速水部長は、医療代理店メディカル・アソシエイツと癒着している。VM社の心臓カテーテルの使用頻度を調べてみろ。ICUの花房師長は共犯だ』
    速水部長-通称、“将軍(ジェネラル)”。
    高階病院長の命により、田口は調査を始めるが…。
    田口・白鳥シリーズ第3弾。

    *****

    まず、この本は田口&白鳥シリーズ第2弾『ナイチンゲールの沈黙』と同じ時間を流れている物語でもあるので、できれば順番通り、『ナイチンゲール~』を読んだ後の方がすっと呑み込める部分もあるかと。
    姫宮に関して言うと、『螺鈿迷宮』を読んでいる方が楽しめる気もしますが、どちらでも大丈夫かな。
    私は一応、刊行順(文庫化)に読んでいるので、順番通りをオススメはしておく。

全472件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

海堂尊の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×