木嶋佳苗劇場~完全保存版! 練炭毒婦のSEX法廷大全 (宝島NonfictionBooks)
- 宝島社 (2012年5月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796668248
感想・レビュー・書評
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どこかの書評(というほどのつもりもないのかもしれないが)で、週刊誌風にまとめていて軽いけど面白いと書いてあったので買ってしまった。法廷証言などは面白かったし、他の人たちがどのようにこの事件や木嶋佳苗さんを評しているのかはわかった気がする。
裁判には大勢の人が傍聴に訪れ、カナエギャルと言われていたらしい(誰が言っていたのかは不明)。そのカナエギャルの対談もあった。私の思っていたのとは違って、もっと意地悪な感じだった。真実はどうであれ、もう少し彼女のありように共感、共鳴している人たちなのかと思っていたら、興味本位であったり、私は彼女の粗がわかってて、それを楽しんでるのよね、といった感じであった。まあ、そういったスタンスの本だったんだろうけどね。
インターネットの世界での新しい犯罪って評価をしている人もいるけど、裁判の記録を読む限りでは正直そんな感じはしない。
私は裁判の傍聴に行くほどでも毎日記録を読んだり、彼女のブログを読むほどではないけど、この事件は面白いと思っている。木嶋佳苗さん自身が本当に殺人事件の犯人かどうかはわからない。本人は否定していて明確な証拠はない。怪しいよねということはできるけど、推定無罪の原則は守って欲しいと思うだけだ。殺人を犯したのかどうかの部分については、きちんと調べて正当な判決を下して欲しいとおもう。彼女がどんな生活をしようと愛人契約してようと、そんなことは、殺人事件の犯人であるということの証拠にはならないだろう。
まあ、それはそれとして、私の感想としては、田舎からでてきた学歴もなくとりえもなく、美人でもない女性が、贅沢をするために、このように男性からお金を引き出してなにが悪いのか、という次元まで来た人がいるということに感心したということだ。こういう人って他にもいっぱいいるのかもしれない。殺人事件につながらないだけで。結婚詐欺って昔からあるから、このような心情の人は大勢いるのかも。それが明るみに出て、みんなびっくりしてしまったのだ。普通に暮らしている人たち、普段はそんな人に注目もしていない人から思わぬ反撃をくらった感じだ。
毎日生活していると、雑誌やテレビなどあらゆるところで「セレブ」の生き方みたいな感じで贅沢なライフスタイルをみる機会は多い。美味しいものを食べ、趣味のよいものをもち、文化に触れ、そういった生き方は上等であるみたいな論調だ。いいものをもつということは、お金がかかる。お金のかかる生活を喧伝しておいて、でも、学歴も、とりえも、職もないあなたはこつこつやって、そのうちの一部しかかじることができない、それでも満足でしょ、的な感じがある世の中で、あれもこれももつためになら、お金を手に入れるためにできることをやるという人が出てくるのは仕方ないだろう。その手段が愛人であるのであればそれはそれでよいのでは。誰が彼女を責められるのだろうか。彼女が手記で書いているように、自分を責める人がどれほど立派な人生を歩んできたというのか。
このように木嶋佳苗さんの事件の一連の報道は、色々な思いを抱かせるのだ。
この本については、裁判の記録等を読んで思ったのは、愛人契約とか本当だったのかなあ、ということだ。1億円以上お金をもらってとか書いてあってそのことが強調されているけど、それより、お金もらうようになるまでかなり数うってたんじゃないかということだ。ナンパ師が成功するまで声をかけ続けるから、必ずナンパできるというように、お金もらうことができる人に会うまで、彼女はメールをしまくっていた感じがするのだ。愛人でお金をもらうのもやっぱり大変なことなのだ。1億円稼ぐっていうのは、それなりに才能と努力が必要なのだという当たり前のことだったりした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルはアレでソレでワイドショー的な興味をそそられる本だけれど、実際のところ、これが一番色のついていない情報という気もする。編集 者の力なのか。
中村うさぎさんのコメントが非常にぐさりとくる。
しかし、有罪無罪問わず、ほんとにこの検察官怖い。これが法治国家なのか?という気がする。 -
木嶋佳苗の男遍歴と裁判記が半々ぐらいにまとめられているムック。読み応えあったがそれでも語られていないことがあるような気がする。例えば彼女の女性の交遊関係者からの評価など。成人後は友達がいなかったのだろうか。
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良くも悪くも「宝島社の出版物」って感じである。読みやすくはあるのだけれど、週刊誌のそれと特に変わらない。どうにも、この本じゃなくては! という印象を何も抱けなかった。