シャトゥーン ヒグマの森 (宝島SUGOI文庫) (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 564
感想 : 109
  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796669030

作品紹介・あらすじ

マイナス40度も珍しくない極寒の北海道・天塩研究林。そんな土地に立つ小屋に集まった、学者や仲間たち。そこへ雪の中を徘徊する体重350キロ、飢えて凶暴化した手負いの巨大ヒグマ、"シャトゥーン"ギンコが襲いかかる!次第に破壊される小屋。電話も通じない孤立無援の状況下から抜け出すことは出来るのか!?第5回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 増田俊也『シャトゥーン ヒグマの森』宝島社文庫。

    10年以上前に読んでいるが、古本屋で発見し、再読。増田俊也のデビュー作。穴持たずの巨大ヒグマの恐怖を描いた冒険小説である。再読しても、なお面白い。

    極寒の北海道・天塩研究林で体重350キロの手負いのヒグマが次々と人間を襲う。『シャトゥーン(穴持たず)』と呼ばれる冬眠に失敗した飢えて凶暴化したヒグマ。ヒグマの正体はかつて主人公の土佐薫と昭が保護したTF4、ギンコだった……逃げても、逃げても、執拗に襲い掛かってくるヒグマの恐怖。

    恐らく自分がクマ物にハマったのは、小さい頃に映画館でB級映画の『グリズリー』を観たのがきっかけだと思う。以来、クマ物小説やノンフィクションはかなり読んできた。古くは苫前三毛別事件を題材にした戸川幸夫の『羆風』に始まり、吉村昭の『羆嵐』『羆』、同じく苫前三毛別事件の詳細を描いた木村盛武のノンフィクション『慟哭の谷 北海道三毛別・史上最悪のヒグマ襲撃事件』、吉村龍一『光る牙』、樋口明雄の『約束の地』、北林一光『ファントム・ピークス』、熊谷達也の『ウエンカムイの爪』『邂逅の森』、白土勉の『火の獣』、佐藤友哉の『デンデラ』、久保俊治の『羆撃ち』と多数読んだ。

    クマに関する話の中では、何と言っても本作にも登場する苫前三毛別事件が一番怖い。

    本体価格562円(古本100円)
    ★★★★★

  • ー 北海道をアイヌモシリっていうのは知ってるでしょう。これは人間の住む大地という意味よ。かつて北海道というこの広大な土地は、すべてアイヌ民族五十万人とカムイたちのものだった。

    それを、開拓の名を借りた私たちの祖先・和人が侵略し、土地も文化も、そしてカムイたち動物も奪ってしまった。北海道開拓の歴史は、そのままアイヌ文化と動物たちの減亡の歴史なのよ。でも、和人も結局すべてを奪うことはできなかった。それはこの地に巨大なヒグマがいたから。そのヒグマに対する恐怖が、今でも北海道の深い森をぎりぎりの線で守ってる。 ー

    このミス大賞、だけど、巨大ヒグマとのガチンコサバイバル。ギンコが人間を食べているシーンがかなりグロいけど、人間が生き延びる為にネズミを食べるシーンもグロく、“食べる”というのはそういうことなんだな、と思い知らされる。

    まさに、壮絶、な作品。

    生きたまま食べられていくシーンが多く、人間ってなかなか簡単に死なないんだな、と思ってしまう。

  •  渓流釣りや狩猟をそのうちしてみたいと思っていたのだが熊が怖すぎて無理になる。本州にいるのはツキノワグマでヒグマではないのだが、それでも熊というだけで超怖い。ヒグマのついていろいろ詳しくなった。

     とても面白くて最後までぐいぐい読んだのだが、最後の方はちょっと大味だった。娘が何度も口にくわえられて連れて行かれそうになるのにあんまり怪我をしていなかった。子供が悲惨な目に会うのは読んでいてつらいのだが、それまで無慈悲な鬼神ぶりを発揮していたのに、トーンが変わっていた。庁舎にたどり着いた時になんで娘を一緒に建物に入れないのだ?と疑問がわいた。

  • 恐かった・・・。次々に人が死んでいく。フィクションだと分かっていても、本の中の話だと分かっていても、熊の息遣い・視線がすぐ後ろに感じられるような、自然の中に放り出されたような緊張感があります。
    吉村昭「熊嵐」もそうでしたが、人間相手よりも、自然や動物を相手にすることのほうが絶望的という感じがします。。。
    実際、登別の熊牧場に行ったとき、ヒグマを前にして「あ、おれ死ぬ」って思ってしまいました。それくらい、説明の余地が無いくらい、生物としての強者弱者を感じた。
    この感じを本にするのは、ホラーとして確かにあり。ただのスプラッターものじゃなく、その場にいるかのような臨場感・自然さを感じ取れたこの本は恐くて面白かったです。

  • 装丁からなんかキワモノ臭がしたんだけど、ガチで怖い。ヒグマ怖い。グロいの駄目な人は、読まない方が良いと思います。ヒグマ小説で、若干フクロウ小説でもある。

  • 北海道の奥地でヒグマに襲われる話。

    そんな危険な動物が出る所でなんで対抗できる武器を一つも持ってないんだって突っ込みは置いといて・・・(一応、普段は出ないって設定っぽいし)

    襲われるときの描写が生々しすぎる。

    襲われたーでも間一髪助かったー恐かったー全員無事ー


    とかいう話では全然無い。
    容赦なくヒグマに喰われます。

    幸せな新婚生活も、長閑な田舎での研究も、母子の営みも、全て喰らい尽くすようなクマの獰猛さが半端ない。

    ちょっとした暴露とかストーリーもあるけど、それよりクマに襲われるシーンがすごすぎる。
    そしてそれが何度も何度もやってくる。

    クマに外で会ったことは一度も無いけど、その恐ろしさがしかと感じられた。

    なんとかだクマーとか冗談じゃない。
    逃げ切れる自信も闘える自信もない。出会わないのが一番。

  • ヒグマ恐っ!

  • 福岡大ワンダーフォーゲル部を連想させる。なんともしつこい執拗なヒグマの習性。
    人間が戦う設定はちょっと無理やり感が否めない。
    残された小熊は人間の味を覚えているので殺処分するしかない。ファントムピークスと同様、自然と人間との関わり距離感もベースのテーマとなっている。山を嘗めずにヒグマを恐れるためにはこういった小説は参考になる。

  • グロいグロい。結局人間が一番の害獣だよねって。

  • マイナス40度も珍しくない極寒の北海道・天塩研究林。そんな土地に立つ小屋に集まった、学者や仲間たち。

    そこへ雪の中を徘徊する体重350キロ、飢えて凶暴化した手負いの巨大ヒグマ、“シャトゥーン”ギンコが襲いかかる!

    次第に破壊される小屋。
    電話も通じない孤立無援の状況下から抜け出すことは出来るのか!?

    第5回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作の文庫化!

    ……はい。パニック物、好きですw

    これ、ギンコも凄いけど、ギンコと戦っちゃう薫も相当なもんだし、娘の美々ちゃんも血は争えないわね……って感じで、現実味ないくらいwww

    親しい人達が、生きながらバリバリ喰われちゃうのは、かなり怖いんだけど、やっぱ人間同士が殺し合う方が怖いな……。

    とはいえ、今後、ヒグマの出没するような場所には、絶対行きたくありません!

    というわけで、高みの見物、楽しませていただきましたー!!

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著者プロフィール

1965年生まれ。北海道大学中退後、北海タイムス社記者に。2年後に中日新聞社に移る。2006年『シャトゥーン ヒグマの森』(宝島社)で「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞しデビュー。2012年『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)で大宅賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。2013年、北大時代の青春を描いた自伝的小説『七帝柔道記』(KADOKAWA)で山田風太郎賞最終候補。他著に『VTJ前夜の中井祐樹』(イースト・プレス)など多数。2016年春、中日新聞社を早期退職し、専業作家となる。

「2018年 『VTJ前夜の中井祐樹 七帝柔道記外伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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