殺戮ガール (宝島社文庫)

  • 宝島社 (2012年5月24日発売)
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感想 : 89
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  • 本 ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796669641

感想・レビュー・書評

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  • 想像以上に鳥肌ものの掘り出し物でした^_^

    七尾与史さん著『殺戮ガール』の概要と感想になります。

    概要です。
    女子高の遠足でバス一台が山中で消失した。想定外の出来事に警察は行方を探すが、バスが見つかったのは十年後。しかも遺体が一体足りない不可思議な状態。そして、とある放火事件を捜査していた刑事は被害者が探偵事務所に一人の女性の素性を探ってほしいと依頼をしていたと知り、その女性を事件の関係者として捜査する。しかし女性は幾度となく他の女性と入れ替わって日常を過ごしていた奇妙な経歴の持ち主と知る。果たして全ての出来事は偶然なのか?

    感想です。
    冒頭から不穏さが漂う本作は、多くの人の語りによって徐々に真相が見えてくる構成で、浅倉秋成さんの『六人の嘘つきな大学生』と似た印象を受けました。さらに入れ替わる女性に近づく人が次々に不可解な死に至る様は、一気読みせずにはいられませんね。久し振りに興奮と恐怖が交差する作品に出会えました♪
    グロテスクな表現はあまりないサスペンス作品ですので、未読の方は夏のゾワッとしたい作品として強くオススメします♪

  • 作中作「スペクター」は女が関わる人々を破滅させる内容だが,このスペクターはもっと凶悪で他人になりすまし邪魔者を始末。夢がお笑い芸人で殺人とミスマッチ。

  • 殺戮の仕方と動機が面白すぎた。

    内容としては人が多く亡くなっていく内容なのだが、殺害していく方と殺された、遺族の人達との温度差がすごすぎて風邪をひきそうだった。
    殺すこと自体が目的ではなく方法だったことに驚き。

  • 死亡フラグシリーズ程のおふざけは無いけど、それでも ミスマッチを突いたおふざけ感はある。

    登場人物は多いが、一人×②の役割がしつかりしてるので 混乱ゎなかった。
    天涯孤独な人を次々と殺し、その人になり済まし生きて行くが……夢はお笑い芸人(笑)
    芸人にならなかったら?の問いに「人気ラーメン屋さん」
    そして 殺人鬼【スペクター】を追い詰めた時 2つの夢が意味を持つ……
    なんて難しく書いても 言葉遊びで終わる辺りは七尾作品の真骨頂。

  • 読書録「殺戮ガール」4

    著者 七尾与史
    出版 宝島社文庫

    p125より引用
    “ そんな二人を女は狙った。彼女たちが姿
    を消しても誰も気づかないだろうし、そうで
    あればすり替わっても同じことだ。肉親や頻
    繁に連絡を取り合う親戚や友人がいたらそう
    はいかない。”

     大量失踪事件に端を発した、不可解な出来
    事と、その周囲に常に存在する人物を描いた、
    長編ミステリ。同社刊行作「殺しも芸の肥や
    し殺戮ガール」改題・加筆修正文庫版。
     遠足先へ向かうバスの中に入る、暑さが引
    けてきた秋へと季節が移る空気に、気分が癒
    される女子高生たち。はしゃいだり進路につ
    いて話したりしていた彼女たちに、突然異変
    が降りかかる…。

     上記の引用は、いつの間にか他人に入れえ
    変わっている謎の女についての一節。
    自分の人生を乗っ取られないためには、普段
    からの人づきあいが大切なのかもしれません。
    デジタル隆盛の世の中ですが、直接顔を突き
    合わせてやり取りする相手がいることは、防
    犯上大切になってくるのはなんだか皮肉です。
     どうしようもない人間というのは、確実に
    存在するのは、現実の事件を見ていても思う
    ことです。そんな人について書かれているの
    で、後味はあまり良くない一冊です。何時ま
    でも気持ちにこびり付くような、そんな感じ。
    それも平気ならば、面白い一冊ではないでしょ
    うか。

    ーーーーー

  • バス一台、遠足に出たクラスメイトと先生と運転手と
    いなくなって10年。

    一体どこに消えたのか、という事件を追う刑事が
    作家の家が燃え、担当者がいなくなり
    果てはその恋人が殺される、という事件を担当。
    書いていた小説ごときで? と疑問でしたが
    分かってくるにつれ、何だかすごい状態に。
    次々となれるのなら、それは当然、後始末さえすれば
    問題ない状態。

    これが一体バスとどう関係してくるのかと思ったら…。
    いや、人間思いきったらすごいです、とかいう
    次元の問題ではなかったです。
    どこまでどう突き進むのか。
    目的がある人ってすごい…なのか。
    夢に向かって進んでいるのはすごいですが…w

  • 犯人の過去を調べていくだけって言ったら悪いけど犯行時の状況をもっと詳しく書いてほしかった

  • 共通点は色白なところ。
    他人の人生を乗っ取り生きているというのに、天涯孤独とはいえ誰にもバレないのは凄いな。
    復讐心に捕らわれてしまったからこそ、選択を間違えてしまったのかもな。

  • 設定も構成も面白い。サイコパスによる証拠隠滅のための連続殺人であり、実は冒頭で犯人が提示されている(?)といった趣向で、ダリオ・アルジェントの『サスペリア2』をふと思い出してしまった。

    文体の軽さとテーマの重たさのミスマッチは作為的なのだろうか。

  • 登場人物が多くて、良くわからなかった

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著者プロフィール

1969年、静岡県生まれ。第8回『このミステリーがすごい! 』大賞・隠し玉として『死亡フラグが立ちました! 』(宝島社)で2010年デビュー。
他の著書に「ドS刑事」シリーズ(幻冬舎)、「山手線探偵」シリーズ(ポプラ社)、「バリ3探偵 圏内ちゃん」シリーズ(新潮社)など多数。

「2023年 『全裸刑事チャーリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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