一分間だけ (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
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レビュー : 162
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796670678

作品紹介・あらすじ

ファッション雑誌編集者の藍は、ある日ゴールデンレトリバーのリラを飼うことになった。恋人の浩介と一緒に育て始めたものの、仕事が生きがいの藍はは、日々の忙しさに翻弄され、何を愛し何に愛されているかを見失っていく…。浩介が去り、残されたリラとの生活に苦痛を感じ始めた頃、リラが癌に侵されてしまう。愛犬との闘病生活のなかで、藍は「本当に大切なもの」に気づきはじめる。"働く女性"と"愛犬"のリアル・ラブストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙のあまりのかわいさに癒される。
    読み終わって再度表紙を眺めると、リラを思い涙が出る・・

    動物もの、子供の話・・私の涙腺崩壊させるもの。
    このお話もその1つ。ダム崩壊しました。

    藍と浩介そしてリラの3人の生活。
    リラを飼おうと決めた時の、藍と浩介のやりとりが好き。
    浩介っていいやつ、って思ったのになぁ・・・
    3人での楽しい生活は長くは続かない。
    編集者としてバリバリ働き仕事に生きがいを持つ藍、浩介との間に溝が深まり結局別れることに。
    リラは藍が飼うことになったけど、なかなか無理があるよね。
    バリバリ仕事もして、リラの世話もなんて。

    この本読んでペットを飼うのって本当に大変なんだって実感した。
    私自身いままでペットは飼ったことなくて、ちゃんとお世話できるのかって自信もないし、何よりもやっぱりお別れをしなくてはいけない日がくるのがきっと私には耐えられない・・と思い飼うことに躊躇してしまう。

    リラの病気がわかってからは、読んでてもつらくてつらくて。
    1人で頑張って看病していた藍だけど、やっぱり限界が。
    周りの人に助けられ最期まで仕事と看病を両立させた藍。
    最期、間に合ってほしかったなぁ・・・
    獣医の宮崎先生の「リラはあなたといて幸せでしたよ」って言葉。
    こんな温かい言葉かけられる獣医さんていいなぁ。飼い主も救われるだろうなぁ。

    私が常日頃、子供たちに、お友達や兄弟でも喧嘩してどんなに腹がたっても「死ね」って言葉は言ったらダメ!!と。もし、偶然にでも「死ね」って言った後にお友達が死んでしまったら、あなたはこの先その言葉を使ったことを後悔するから。と、「命」の大切さを教えるとともに言って聞かせてます。
    子供たちには通じてるのか・・・わからないけど。

    本の中で藍が1人でリラの面倒をみて行き詰ってしまったとき、ふと「リラなんて死んでしまえば・・・」と考えてしまった。
    もう、本の中に飛び込んで、藍をパチーンと1回叩いて、それから「つらいのはわかるけど、そんなこと考えちゃダメ!!」と抱きしめたくなりました。

    「本当に大切なのは何か」を考えさせてくれる、読んでて悲しくてつらいけど心温まる素敵な本でした。

    • vilureefさん
      こんにちは!

      この本は、本当に涙腺崩壊しますよね~。
      もう前半から泣けて泣けて。
      友達の飼っていたゴールデンが去年亡くなって、私も...
      こんにちは!

      この本は、本当に涙腺崩壊しますよね~。
      もう前半から泣けて泣けて。
      友達の飼っていたゴールデンが去年亡くなって、私もその姿を思い出して余計に泣けて。
      いまだにレトリバー系を見かけると切なくなります・・・。

      マハさんの今まで読んだ中では絵画シリーズに次いで好きかも・・・(*^_^*)
      2013/06/19
    • nobo0803さん
      vilireefさん

      こんにちは♫
      本当にこの本は涙腺崩壊です。
      お友達のゴールデンが亡くなったのならなお更、重なってしまい涙涙・・・でし...
      vilireefさん

      こんにちは♫
      本当にこの本は涙腺崩壊です。
      お友達のゴールデンが亡くなったのならなお更、重なってしまい涙涙・・・でしょうね。
      マハさんの本、どれも大好きです。
      絵画シリーズ、皆さんのレビューを読んでいると、すごく読みたくてうずうずしています。
      今、2冊とも予約待ち・・いつになることやら。
      2013/06/25
  • 可愛い犬の話というだけでもズルイというのに
    その犬が癌になってしまうという話だから…
    もはや反則技!といったところでしょう。

    リラが浩介ではなく藍を選んで腕の中に飛び込んできたところあたりから
    もう涙が止まらず…。
    暗い中で、トイレを我慢してひたすら帰りを待ち、
    いつでも尻尾を振って盛大に出迎えてくれるリラ。
    我慢しきれなくて粗相をしてしまって、テーブルの下で
    ぶるぶる震えているリラ。
    ほんの少ししか一緒にいられない時間を愛おしむように散歩に出かけ、
    石ころや雑草やありんこ、誰も気にとめない小さなものに夢中になり
    「ちゃんといっしょにあるいてるよね?」と確認するように
    ときどき後ろを振り返るリラ。

    雑誌の編集部で働く主人公は一生懸命仕事に打ち込み、
    上司にも認められてきていて、まさにバリキャリで。
    どんなにリラが大事でも、
    通したい企画があり
    守らなければならない締切があり
    優先しなければならないパーティーがある。
    疲れがピークに達して、粗相をしたリラに八つ当たりをしてしまい、
    恋もおしゃれな生活も自分のしたいことができない憤りから、
    ふとリラの死を考えてしまう、
    主人公は等身大すぎる働く女性で、私には身につまされる思いだった。

    犬を飼うということは命の責任を持つということ。
    自分にすべてを頼っている小さい存在を、
    楽しいときだけでなく苦しいときも忙しいときも
    悪さをしたときも病気になったときも、全部受け止めるということ。

    愛情深く我慢強く健気なリラに涙しながらも、
    安易に犬を飼いたいと思っていた自分に、本当にその覚悟があるのかと、強く戒められた一冊だった。

  • あらすじを読んでイヤーな予感はしていたけど・・・案の定ボロッボロに泣いてしまった。
    やっぱりダメだわ!原田さん!動物もののこんな切ない話は反則だ!

    編集者として忙殺される毎日を送る神谷藍は仕事にやりがいを感じていた。
    そんな中でゴールデンレトリーバーのリラとの生活は甘い癒しばかりではない。
    リラを疎ましく感じ始める藍。動物と生活することはその命もしっかりと受け止めることだということを痛感し無理をし続けるうちに彼女は疲れてくる。
    彼女の身勝手だけど素直な思いがじゃんじゃんぶつけられていくのを目の当たりにして
    ただカワイイカワイイ・・・では済まない動物との生活を思い、同情する一方でリラのただただ藍のことが好きで傍にいたいという一途な可愛さにすっかりやられた。
    ハッピーエンドではないけれどとても優しいラストだった。

    編集長の身の上話はちょっと出来過ぎな感はあるけど
    やっぱり周囲に味方は一人でも多くいてほしいと思うのでアリ・・・なのかな。

  • 分かってたんです。いやぁ、最初から分かってたんです。
    でもしっかり泣いちゃいました。ハイ。もう年甲斐もなくポロポロ。

    中盤までは飼い主としての葛藤・仕事とのバランスの難しさ・夫婦の問題など、心の中の繊細な部分、そんなこと思っちゃいけないけど思ってしまう、そんなストーリー展開していました。そうだよなぁ、いろいろ難しいよなぁ、なんて思いながら、、

    あと半分ってところで、立ち寄ったフードコードで「たこ焼きとアイスコーヒー」を買い、よっこらしょと残りを読み始めたのが大間違い。。

    あぁ、もうダメ もうダメって、、、休日のフードコートでおっさんが食べ終わった「たこ焼き」を前に本読みながらポロポロ泣いて、、読み終わった後、ふと顔あげると、はっ!と何人か顔逸らすし!こらこらこらぁ、そんな変なもの見たみたいに!!

    中盤からエンディングまでの展開は本当に涙なくしては読めないですが、でも、中盤までの展開からは想像していなかったような温かいものをいくつも感じることができました。読み終わった今、悲しみの余韻とともに、でも前へ向いていこうという思い、もう少ししたら夜が明ける、、そんな気持ちになっています。

  • 表紙の赤ちゃんわんこが可愛すぎて、ジャケ買いしました。

    藍と浩介の出会い、藍とリラの出会い、リラを迎えに行くところがとても良かった(*^^*)

    そして、ペットショップの店員・田中さん言葉
    「犬って、ほめられるのが大好きなんですよ。人間が大好きだから、大好きな人間に、ほめてもらいたくて一生懸命なんですよ。」
    この言葉が、毎晩、生まれて初めて出会ったように、大喜びで藍を出迎えるリラの健気な姿に重なり涙を誘いました(T ^ T)

    あと、宮崎先生の「一年間でも、一分間でも、犬の時間は一緒なんです。どれだけ濃い時間を一番好きな人とともに過ごせるか。それが犬にとって、一番大切なことなんですよ」という言葉も母を亡くしたばかりの私の胸に温かく沁み入りました。

    母の最期の日、もっと朝早くから、私と父と弟と、もっとずっと母の側に寄り添っていれば良かった、「一般病棟に移れますから」との集中治療室スタッフの言葉を鵜呑みにして、いつもの入院セットを取りに3人揃って実家に引き返してしまったことを、悔やんでばかりいました。

    でも、母は人口呼吸器を外した時から死を覚悟していて、最期の時に、愛する家族が側にいて、手を握り、頭を撫で、「お母さん、いっぱい甘えさせてくれてありがとう、沙羅と美嶺を産む時、側にいてくれてありがとう、一緒に娘達を育ててくれてありがとう、私が倒れた時駆けつけて来てくれて、わがままをいっぱい聞いてくれてありがとう、あの時は、お母さんに甘えてイライラをぶつけて当たってごめんね、お母さん、愛してるよ、ありがとう、ありがとう。みんな側にいるからね。寂しくないよ。よく頑張ったね」と声をかけ続ける私、「夏代、46年間ありがとうな」と男泣きする父、「おかあ、丈夫な身体に産んでくれてありがとうな」と朴訥に母への思いを語る弟と過ごせ、安らかに眠りにつけたのかなと思えるようになりました。

    過去に囚われず、未来ばかりを見据えず、今この一瞬しか生きられないからこそ、そばにいてくれてあたり前という感覚を捨て、そばにいてくれることはありがたいことなんだという認識を新たにし、今という一瞬を、家族と、大事な人と共に生きていきたいと思えました。

  • 原田マハさんは相変わらず泣かせるわ~。
    今回はペットの犬の話。

    ファッション誌の編集者として経験を積む藍は、ある日取材で言ったペットショップでゴールデンレトリバーの「リラ」と運命的な出会いをする。

    恋人の浩介とリラと暮らすため、都心から離れた場所に住み、早朝から散歩してリラ中心の生活を送るようになる。

    でも、浩介との間にもヒビが入るようになり、リラと2人きりで暮らす事になる。が、そこは仕事を持つ身、猛スピードで仕事を片付け終電で帰る生活にも疲れが見え始める。

    そんな時ふと思ってしまう。
    「リラがいなければ」

    そんな藍の心を読み取ったのか、リラは癌に侵され、介護が必要になってしまう。職場や周りのみんなの協力を得ながら、なんとか面倒を見るものの、終わりの時はやってくる。

    神様、どうかお願いです。
    せめて、一時間だけ。

    同じく犬を飼っている身としては、読んでいて涙が止まりませんでした。分かるんです、愛情をくれる分、手がかかるという事は。そして、確実に自分より先に逝ってしまうという事も。

    どうか、自分もペットの最後の時に後悔しない生き方をしたい。

  • 等身大な雰囲気が余計染みた。

    原田マハの表現はツボにハマるね。
    奇をてらった表現が無いからストレートに心に響く。
    そして、読んでいて昔し家で飼っていた犬を思い出した。
    なんでもっと可愛がってあげなかったんだろうって…。

    考えたら実家では絶えず動物を飼っていた。

    猫・鳥・犬。

    小学から高校卒業まで飼っていた犬を思い出したんだ。
    その時の俺は、特に中学2.3年から高校時代は
    犬の世話をしていなかったと思う。

    親や姉が散歩には連れて行っていたと思うが、
    犬にとって遊ぶ相手は俺だった。
    俺しかいなかったはずだ。
    なにの思春期の俺は全く相手しなかった。
    どんなに寂しかっただろう。
    いま思うと胸が締め付けられる。

  • 号泣しながら、一気に読んでしまいました。生き物を飼っている人なら必ず泣くんじゃないかな、これ読んだら。
    犬と散歩しながら自然の美しさやらいろんなことを発見できたのは私もこの物語の主人公と同じ。私の横で寝息を立ててる愛犬と1分でも1秒でも長く一緒にいたくなるお話。一緒に生きてくれる命に感謝して、もっと大事にしようと思えました。

  • あなたが本当に大切にしているものはなんですか?
    そんなことを教えてくれる一冊だと感じました。
    ワンコ飼ってる方は冒頭部から号泣必須なので気をつけてください。

    1分間だけ、1時間だけ。そんなタイトルに関連した単語が本書には多く散らばっています。でも実は1時間でも、1分間でも犬にとってはどうでもいいのです。時間なんて関係ない。その時にあなたと一緒に過ごせるだけで幸せなんだよ、という台詞に涙が滝のように流れました。ワンコに限らず、私たちも家族や友人、恋人ともそう思える時間を過ごしていきたいと思うようになれるのではないでしょうか?

  • ゴールデンリトリバーのリラが、健気で可愛いです。
    でも、切なくて……

    「犬って、ほめられるのが大好きなんですよ。……
    大好きな人間にほめられたくて一生懸命なんですよ。」
    ペットショップの店員・田中さんの言葉が、全編に響いてきます。

    リラのために、駅からの道を走る藍。
    その藍の帰りを信じて、トイレを我慢して玄関の前でじっと待つリラ。
    上手く行っている時はいいのですが、その均衡が崩れると苛立つのは人間の方なんですよね~。
    思い通りに行かなくて……。
    妙に、子育てとかぶってしまいました。

    ラスト、浩介が言う「一分間だけ」にはズキューンとやられました。

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著者プロフィール

原田マハ(はらだ まは)
1962年東京都生まれ。小6から高校卒業まで岡山で育つ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事株式会社、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館での勤務を経て、2002年よりフリーのキュレーターとなる。2005年小説化デビュー作の『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、『キネマの神様』で第8回酒飲み書店員大賞をそれぞれ受賞。2013年には『ジヴェルニーの食卓』で第149回直木賞候補、2016年『暗幕のゲルニカ』で第155回直木賞候補となる。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞受賞。2019年『美しき愚かものたちのタブロー』で第161回直木賞候補に。

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