メディア・スターは最後に笑う(上) (宝島社文庫) (宝島社文庫 C み 1-3)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796671590

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻読み通しての感想。
    中盤までは物語の方向性が見えず、いったいどこが着地点になるのかわからない。
    才能にあふれ、日々の鍛錬を怠らず、天才という称号を手にした瀬川恭介。
    ただし、性格はすこぶる悪い。
    殺人犯だと疑われてもそのふてぶてしい言動は変わらない。
    自分にはもっとふさわしい待遇、場所があるはずだと思い込んでいる報道記者・志田。
    犯人に踊らされ、記者としては致命的な失態をおかし、窮地に追い込まれてしまう。
    それでも、粘着質な性格ゆえに最後にはマイナスをプラスに変えていく。
    けっして品行方正ではない。
    インタビューのためなら多少の譲歩も辞さない臨機応変さもある。
    正義のため…なんて理想には振り回されない。
    あるのは記者としての勘、そしてしたたかさ。
    弱さを隠して取材対象へと近づこうと足掻く姿は頼もしい。
    結局、恭介の最後の種明かしを書きたいがために物語が書かれたのでは?と感じてしまうラストだった。
    百戦錬磨の世界を生き抜いてきた恭介のしたたかさと強さ。狡さ。
    ラスト近くまでまったくそれが描かれていないことが残念な気もした。
    もう少しさりげない伏線として読み終わった後に思い当たるようなところが欲しかったような…。
    誰から見ても嫌な奴にしか見えない恭介。
    隠されている計算高さが垣間見れる箇所があったらもう少し違った感想になっていたかもしれない。
    事件の解決そのものよりも、恭介という人間の裏側が露わにされるラストが強く残る物語だった。

  • 口汚いピアニストが目新しい。
    今のところ話がなかなか動かない。
    下巻が楽しみだ。

  • 2011/10/05
    復路

  • 殺人の疑惑をかけられた天才ピアニストが、横暴な警察や正義感と品性に欠けるマスコミと闘う話。
    水原氏の作品はいつもプロフェッショナルな主人公が登場しますが、囲碁やピアノなど自分があまり関心のないジャンルにも関わらず、圧倒的な描写の魅力に惹きこまれてしまうところがスゴイです。
    本作では加えてマスコミ批判の色も濃いのですが、ワイドショー的な興味本位で被害者のプライバシーを踏みにじる報道番組に対して、私自身が普段感じていることと同じで共感できました。

  • 史上最年少でショパンコンクール優勝を果たしたピアニストの瀬川恭介は、才能に加えて 長身に端正な顔立ち(いわゆるイケ面)と、恵まれすぎのせいか慇懃無礼で口が悪くて憎たらしい性格。 そしてそこが災いして、殺人犯の汚名を着せられてしまいます。殺されたのは、以前、瀬川が 「音楽性なし」と批判した話題の美少女ピアニスト…。テンポの良い展開でいっきに読み終えてしまいました。 見どころはラストで瀬川がショパンの曲を演奏するシーンです。この演奏ならあの態度も仕方ないな…と 思わせる天才ぶりは大変爽快です。

  • この人の話はいつも天才が主人公なのですが、今回はピアニスト。かなりアレな性格で最初は同情も共感もしにくいのですが、段々可哀想になってくるw報道被害とかかなりしっかり書いてますが、全体的にはキャラのおかげか何か軽い。ミステリ部分最後はしょってる気もせんでもないですが主人公とは無関係なので良いんです。ピアノ演奏に筆を割いてるし。

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