オールド・フレンズ (下)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 65
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796671729

作品紹介・あらすじ

あたしたちは小さい頃からずっと、こうやって手を繋いでどうにか世界と向き合ってきた。父親の入院、不倫の代償、明らかになる家族の秘密。次々と起こる出来事にはるかが見出したものとは。はるかへの想いを胸に隠し、ひとり生きていたまことの決断とは。

感想・レビュー・書評

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  • じれったいような展開にいらいらしながら読みました。最終的な結果には納得。


    はるかに思いを寄せるまこと。哲平に思いを寄せるはりか、まことに思いを寄せる哲平。この3人の思いは成就しないまま3人ばらばらになってしまう。
    どうしてもはるかのことが好きでたまらないまこと。
    はるかは母を亡くし、父親の看病をしながら保育園に努めているが、保護者と不倫関係を続け、妊娠してしまう。
    哲平は結婚し、子どもがもうすぐ生まれる。
    はるかは不倫が保育園の知ることになり、仕事を辞めざるを得ない状態に。そんなとき、父親から亡くなった母親がレズビアンだったことを知らされる。
    失意のどん底にいたはるかはまことに感じていた思いを改めて認識し、まことに連絡を取り、再び二人はともに生活することを選択する。

  • 内容が少し異質なので、あまり好まない人もいるかもしれない。私は上巻から紡がれた主要登場人物の心情表現を色々感じながら読むことができて良い本だったと思います。

  • 人を愛するのに男とか女とか、どうなんだろうって考えた。ラスト泣けた。

  • 上に書いたので省きます。

  • 間違いは、この本の帯を見なかったこと。図書館で借りたからね。ネットで見れば、帯にはちゃあんと『ガールズラブ』書いてあったのね。このミス大賞受賞者だから、まさかこんなふうな話とは思わず読み進めたから余計に辛かった。本の雑誌9月号で、北上次郎さんが浅倉卓弥さんの筆力をほめ『小説好きの読者にこそ読んでほしい』って書いてあったけど、騙された気分。ガールズラブが嫌いってわけではなく、いつまでたっても子供なこの主人公たちに共感できないし、不自然な大人たちにも疑問が湧く。動作や表情を表す表現のぎこちなさも気になる。いったい『唇をすぼめる』『口を尖らす』って何回書けば気が済むのか。ラストにいたっては、もうどうぞご勝手にっていう感じ。アッキーナ、どんな話か知ってて表紙に出たのかな。赤い糸がありきたりすぎて、悲しくすらある。

  • 2009/9/18読了

  • で、こういうオチかよ。「まこと」の弱みにつけ込む「はるか」はずるいし、それがわかっていて拒めない「まこと」の弱さもなんなんだかなぁ…。全く納得の出来ないエンディングでした。

  • 「誰だって、出会うべきたった一人が必ずいる」

    誰もが出会うべき「ひとり」を探すストーリーが多い浅倉卓弥さんらしい作品でした。

    「四日間の奇跡」や「君の名残りを」、「雪の夜噺」に「北緯43度の神話」など心の底から
    大切だと思える人、愛する人、つまり出会うべきたった一人の「ひと」(一)を追い求めると、
    いうのがこの作家の作品にはいつも見え隠れしています。

    それははっきりと見える時もあれば、最後の最後で「ああ、そうだったのか」と、思わせるモノ
    まで様々ですが、この作品もまたそんな一つでした。

    今までは男女の恋愛模様が多かったのですが、今回ではそれに加えて女性の同性愛も絡んだ
    複雑な三角関係が物語を貫きます。
    加えて、保育士をしている主人公の女性が教え子の父親と不倫関係に陥るなど、周囲からは
    禁忌(タブー)とされている恋愛が数多く見られます。

    その様子は、「なぜ自分じゃないの?」「何であの人なの?」といった誰もが一度は
    味わうであろう「何で」がふと頭の中をよぎっていく様でした。
    もう一人の主人公である「まこと」という女性もまた、実母の逮捕や母親の恋人である男性との確執など、多くを
    抱えている様子が上巻で描かれていましたが、下巻では「はるか」の抱えていたモノが明らかになっていきます。
    果たして二人は出会うべきたった一人に出会えるのでしょうか…

    登場人物たちの特定の誰か一人を強く強く思う姿は、かつて映画のタイトルであった「ただ君を愛してる」と、
    いう言葉こそが相応しいのではないでしょうか。




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著者プロフィール

作家・翻訳家。東京大学文学部卒。レコード会社洋楽部ディレクター等を経て作家に。
著書に『四日間の奇蹟』、『君の名残を』(以上宝島社)、『黄蝶舞う』(PHP研究所)ほか、訳書に『安アパートのディスコクイーン─トレイシー・ソーン自伝』、『フェイス・イット─デボラ・ハリー自伝』(以上ele-king books)、マット・ヘイグ『ミッドナイト・ライブラリー』(ハーパーコリンズ・ジャパン)、テイラー・ジェンキンス・リード『デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃』(左右社)など多数。

「2022年 『ボクのクソリプ奮闘記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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