イノセント・ゲリラの祝祭 (下) (宝島社文庫 C か 1-8)

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  • 宝島社
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レビュー : 286
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796673617

感想・レビュー・書評

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  • 田口&白鳥コンビの、霞が関の関、後編。

    前作の平行線から一転、昼行燈、田口せんせの空気を読まない発言で、さざ波をおこし、フィクサー&クラッシャー彦根の登場で、一気に大論理戦が繰り広げられる。流れるような展開、反対派を批判する形で、論点を明確にする手法は見事。

    どこまで現実なのかわからないけど、少なくとも、全く嘘ではないことは明らかで、これを出版した、いや、できたのはすごいことなんだろうな、とも思えるくらいの勢いで、ぶった切っている。

    ただ、個人的にはやっぱり、医療現場から離れちゃったことで、若干人間味が薄れる、というか、当事者がいて、特定の事件があってそこに起こった矛盾から、医療問題を啓発する、という手法の方が、知識のない読者にとっては、身近でわかりやすく、物語としての面白さも残るなと思う。

  • 「死因不明社会」がノンフィクション。こっちはフィクション。桜宮サーガの一部らしいが間隔を空けてるので、人間の相関関係や事案のつながりがイマイチ把握できない。

    ただそれでもそれなりに楽しめ、また医療について考えさせられることもある。次作も楽しみではある。

  • 私は相手を理屈でやり込める癖があるのでシリーズの展開や作中議論にも馴染むが…。やや筆者の思いの丈そのものを投影しすぎだという気もします

  • 司法と医療のせめぎ合い。更に霞ヶ関、官僚も加わり、いろいろな所と闘わなくてはならない彦根医師の苦悩が垣間見えます。後半は彦根医師の独壇場。現場を知り尽くす作者ならではの作品です。人々によってよい医療とは...考えさせられました。

  • もはやミステリではないけれど、「医療エンターテインメント」と呼ばれるのがしっくりくる痛快な展開でした。

    お役所の会議って本当にこんな感じなのかな?と思いつつ、
    予算を付けちゃえばあとはやらざるを得ない、とか、
    あえて目標達成させずにフェードアウトを狙う、とか、
    企業も含め、大人の思惑が跋扈する世界にはまああることだよなーとも感じられ。

    今後のシリーズがどのような道を行くのか、気になりすぎる作品でした。

  • 2014/3/24
    いくつかとばした感じですね。
    このシリーズだけを順番に読んでてはいけないのか。
    ジェネラルルージュがおもしろかったから期待してたけどこれは難しかったわ。
    官僚っていっつもこういう風に描かれてるけどホントはどうなんかな。

  • 本作では、死因究明制度に関する諸々の問題と、医学生の受け入れの変化、医師法二十一条について書かれている。一人の天才が放ち正論を、その他の馬鹿が理解できないがために黙殺されるのはあってはならないことだ。足並みをそろえることを重要視してきた日本的な思考なのだろう。
    海堂さんのすごいところは、考えを言葉にできることだ。小説家というのはそれが仕事なのだろうが、海堂さんの扱うテーマからして、他の小説家より間違いなくすごい。しかも小説家は副業なわけだし。
    バカな私には完全に理解できたとは言えないし、ましてやこの小説が掲げている問題点に関して言葉で説明することなど到底できないが、だからといって他人事としていい問題ではなく、死因究明に関して問題視することが重要なのだろう。
    身近な人が異常な死に方をしない限り、死因究明に関することについてなど関心を示す機会はないだろう。しかし問題は大きくまた早急に対応すべきものである。
    「面白い小説を書く」人がこういった問題をとりあげれば、その分野に興味のない人にも読まれ多くの人に問題提起できる。
    小説は物語なのだから魅力的でカリスマ性のある人物が出てくる。今回は彦根だろう。また気になる人物として西郷や坂田局長、桧山シオンが出てくる。しかし、現実はどうなのだろう。医療問題について小説にしている人は私は海堂さんしか知らず、しかも様々な医療問題について書いているのは海堂さんひとりだ。ひとりでできることはたかが知れているし、海堂さんの専門を見る限り本作についてなのだろう。カリスマ性のある者の、有権者を論破するくだりを書き読者をカリスマ側に引き込むが、それを白鳥を使って現実に戻す。地に足がつく範囲からやっていこうという現実的な話は実際現実にも適用できるのだろう。
    現代医療が小説と同様な問題を抱えているのかはわからないが、これらを問題視し且つ解決に導く努力が必要である。
    それでは私にはいったい何ができるのだろうか。
    起きてしまったことは仕方ないその後を考えよう、というのではなく、起こさないようにするにはどうすればいいのかという彦根の考え方はものすごく好きだ。

  • 海堂尊さん「イノセントゲリラの祝祭」下巻、読了。厚生労働省のロジカルモンスターこと白鳥圭輔から呼び出しを受け、田口は日本権力の中心地、霞ヶ関に乗り込んだ。そこで田口が目にしたものとは。。
    上巻で登場したキャラが医療事故調査委員会で討論を繰り広げる。ラストに近づくにつれ「新キャラはいつ登場するのか、どんな展開になるのか?」ワクワクしながら一気読み。医療行政に関する問題提起の箇所など、知らないことも多くタメになった。また所どころで他作品へのつながりを感じさせる箇所や、意味深な表現があり、他の本も読みたい衝動にかられました。

  • 難しくて 何度か睡魔が‥‥

  • これは、ミステリーじゃなくなっている。
    海堂さんは2007年に『死因不明社会』という新書を出しているけど、これの小説版みたいな感じ。

    以前、医療事故に関連した仕事をしていたので、いろいろと、うん、うん、とうなずける場面があった。

    この小説から、すでに10年近く経っているわけだけど、あまり変わってないな…
    医療事故調査制度はできたけれど、医療機関にもかなり負担がかかるし…やはり1件に1年近くはかかってしまうし。
    どうしたらいいんでしょうね。

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著者プロフィール

海堂 尊(かいどう たける)
1961年、千葉県生まれの作家、医師。医師としての所属は、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所・放射線医学総合研究所病院勤務(2018年3月時)。
2005年に『チーム・バチスタの崩壊』で、第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、作家デビュー。
同作はのちに『チーム・バチスタの栄光』と改題して出版される。映画・テレビドラマ化もされた代表作となった。

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