臨床真理 (下) (宝島社文庫 C ゆ 1-2)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796675758

感想・レビュー・書評

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  • 上巻レビューで「とっくにわかった」と書いた出来事において、黒幕は違ったので「ごめんなさい」だが、やっぱり私はこの作品は好きではない。
    黒幕がわかった直後の主人公、なんでそんな所に逃げ込んで友人の警察官に電話してるのよ!呆れる…

    解説者は絶賛している。
    その解説によると上巻にあった「そうこ」における事件の描写は、応募時にはあったが一旦単行本化された時には削られ、文庫化の際に再度加筆されたとのこと。
    その割にこの下巻にも誤字脱字が目立つ。(第1刷発行)

  • 2021.7.16角川文庫版にて読了。

    説明
    内容紹介
    真実を話していると白、嘘をついていると赤……臨床心理士・佐久間美帆の担当患者・藤木司は、「共感覚」によって声に色彩を感じるため、嘘を見破ることができた。その上で彼は幼なじみの少女が自殺するはずがないと力説。信じがたい話だったが、美帆は司の治療のためにも調査を決意。知人の警察官・栗原の協力を得て、2人が暮らした知的障害者施設を探り始めるが、次第におぞましい出来事が明らかになる。第7回『このミス』大賞受賞作が文庫化!
    著者について
    柚月 裕子 (ゆづき ゆうこ) プロフィール

    1968年、岩手県生まれ。山形県在住。フリーライター。雑誌やテレビ局のホームページで作家の対談・インタビューのまとめを担当している。第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞、『臨床真理』にて2009年1月デビュー。

  • 臨床心理士の佐久間 美帆を主人公としたミステリー。
    担当患者の藤木 司は、声に色が見える"共感覚"の持ち主。

    上巻に続き、福祉施設の少女の死を巡る謎の数々。
    次々に明らかになる真実。

    二転三転するストーリーに翻弄されますが、そこは筆者の力量でしょうか、グイグイと読み進んでしまいます。

    重いテーマを含みながら、面白い展開でしたが、"共感覚"が事件解明のキーワードには、あまりならなかったので、星4つとしました。

    また、分量的に、上巻・下巻は、一冊で良いかも...
    (続編やサイドストーリーは、出ないかしら?)

  • 上巻から続けてひと息で読み終えた。話のそこここで無理があるし、登場人物の行動もチグハグ。読後感も決していいとは言えない。でも、一気に読ませるだけの力が文章にある。その後の活躍もうなずける処女作。

  • 状況設定に多少の無理不自然さがあるが、主人公に感情移入ができたので一気読みでした。

    オチ自体は、割と早い段階で読めるのですが、女性作家がここまで◯◯◯の事を赤裸々に書けるのに驚いた。


    美帆さんと栗原君いいコンビでもあるので、またいつか活躍する作品読みたいな。

  • 真犯人は想定外だったが司も美帆もハッピーで良かった。栗原さんと美帆さんの関係も進展するとよいなあ
    シリーズ化して欲しい作品でした。

  • 非常に面白かった。上下巻を一気読み。共感覚を持つ藤木司と佐久間美帆が遂に真犯人を…

    デビュー作とは思えないほど、良く出来た作品。今後が非常に楽しみな作家がまた一人増えた。しかも、我が郷土出身というから嬉しい。

    上巻を読み終え、おおよその当たりは付いていたのだが、上手い捻りを入れたものだ。登場人物が少ないので、その線も考えたのだが…

  • 柚月裕子のデビュー作の下巻。
    上巻のレビューで書いた通り、前段を越えたところから
    怒濤の展開となる。「悪い予感しかしない」と書いたの
    だが、それはもう大当たりだった(^^;)。

    とにかく犯罪の内容が酷すぎる(^^;)。
    徹底したイヤミスが大好物な僕だが、生理的に受け付け
    ない・・・というか、どうしても触れないで済ませたい世界、
    というのが一応ある。

    内容について詳細を書くことは避けるが、雰囲気的には
    1988年・野島伸司脚本の大問題になったテレビドラマ
    「聖者の行進」に近い。あそこまで極端では無いし、た
    だいたずらに読者を煽るような表現が出てくるワケでも
    無いが、それでも途中で読むのが辛くなった(^^;)。こう
    いうのはなぁ・・・。

    そして最近の著作と比較すると、やはり全ての面で迫力
    不足かもしれない。つまり、柚月裕子が作家として順調
    に進化している証拠でもあると思う。

    だから、ある程度今の柚月裕子を読み込み、そのルーツ
    を知りたくなった人は押さえておいて損は無い。出来れ
    ば上下巻合本の電子書籍にしてくれるともう少し気楽に
    手が出せるんだけどなぁ・・・。

  • うわー、このところ立て続けに彼女の重厚な作品読んでただけに、この薄っぺらさに逆に驚いた~!と思ったらデビュー作かあ。作家さんも書きながらどんどんうまくなれるんだねえ…。

    もう彼女の死の真相系の部分はかなり初期段階からお察し状態だったけど、これを”障碍者に性欲がある”ことと結び付けてるのが全くよくわからん。性欲とレイプには何の関係も無いでしょうが。

  • 障害者でも 性欲があるということを
    真正面に据えて、取り組もうとする姿勢は、気迫がある。
    掃除をする青年の暴発的な性欲。
    それを必死に食い止める 美帆。

    可奈というアンバランスな服装をして、
    体だけが大人になっていることで、
    利用されてしまう。安藤の施設長の闇が 浮き彫りになってくる。
    障害者教育施設の評価、そして、妙に高い就職率。
    それを斡旋する 就職センター。
    そこから、見えない糸が繋がり アクがアブし出される。

    しかし、彩は、それとは違った形で 人身御供となっていた。
    ふーむ。そこに犯人を求めるのか?
    緊密な構成における 犯人像の明らかに仕方が、すごい。
    また、体を張った 美帆の活躍もすごいものがある。
    ミステリー大賞を取った作品であることを認識した。

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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