名前のない女たち最終章~セックスと自殺のあいだで (宝島SUGOI文庫)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796678995

感想・レビュー・書評

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  • 企画AV女優たちにインタビュー。その最終章だそうです。

    中村氏のほかの本で見たけど、「一概にはいえないが、性的虐待を経験した女性は、性に関する感覚を狂わされてしまうことがあるようだ」と。
    その他、こういう仕事をする理由として、藩金蓮さんの解説の言葉を借りれば、「粘膜の摩擦だけではない、自分という存在が求められるから。要求されるということは、『君はここにいていいよ』と言われることだ。それにすがる人間もいる。どこにも居場所がない、生き辛い人間が、裸になり股を開くだけで『ここに居ていいよ』と言われる。お金まで貰える。怒られたり、何かを覚えたりするアルバイトなんかよりも、高い金額を。」とあります。
    そして「そもそも行為が好き。天職。」という女性もいるけど、彼女はその後自殺しています。

    でも、多くはお金が目的。
    でもこんなことチマチマして稼ぐより、結婚相談所で「高齢者」「資産家」「家族なし(あるいは疎遠)」な男性を結婚するほうが、上手な生き方かなあ、と思う今日この頃。

  • 彼女たちの半生を読んでいるとちょっと気分が落ち込んでしまう。

  • 2010年刊行。著者は言う。芸能人まで登場するようになったアダルトメディアにおいて、よほどの美形か性的成熟を訴えられる者の他は、自分の生活を支えるギャラをもらえることはない。底なし沼の世界になってしまった、と。貧困やワーキングプア、鬱やセックス依存、共依存、自殺、そして男。これでもかという凄惨な様子が活写される。これは、事実か、誇張はないか、という疑問を持たないではないが、多少の誇張を吹き飛ばすくらいのインタビュー内容が重苦しい。

  •  「精神を病み自殺するAV女優」と聞けば大変な仕事なんだと・・・ただ、よく考えると精神が病んでないとできない仕事がAV女優なのである。また日本では年間3万人以上が自殺していて、交通事故死が5000人弱で自殺は圧倒的に多い。それにもまして驚かされるのは、堕胎数が年間20万人いることである。こうなるとAV女優の精神が病んでいる前に、現代日本国民総病人の可能性あり。

  • 縁のない人には一生縁のない世界なのでしょう。そして、軽い気持ちで覗くのもやめた方がいいと思います。あれこれ言ってしまえる人の言葉は、恐らく彼女たちには届かないから。自分にはどうすることもできない。ただ、立ち尽くすのみ。反面、多くの人に読んで欲しい、とも思います。間違いなく何かを考えるきっかけになるので。

  • 万座からの鈍行列車で暇つぶし。2:45で読破。岡部で読み終わった。

  • この本、というかこのシリーズを読んでいくと、こんなことが本当にあって、もう救いがないと言う、どんなプラスの言葉もただの戯言にしかならない。読み終わった時、絶望とか、汚いとか、嫌悪とかそんなもんじゃなくて、なんだか違う世界から帰ってきた気持ちになっていた。


    あとがきから抜粋して。

    長年の出版不況で男性アダルト雑誌やサブカル雑誌が絶不調。末期的な状況でも裸になることを志願してやってくる女性は絶えない。何も知らずにこの危機的な時に裸の世界に足を踏み入れてきた彼女たちは、数年前の半額にも満たないだろう恐ろしく安い値段でセックス仕事させられて、リスクを背負いながら自分自身を安価で切り売りしている。一年間アダルトビデオに出ているのに、消費者金融から借りた元本の金利分しか返済できないとか最終手段を使っても抜け出せない世界はピリオドが打たれていると再確認した。

    女が最終手段であるセックスを売って、それなりのお金にならなかったらもう終わりである。

    清の氾濫する現代社会を漂流して女の最終手段を売ることを決意して、決して成功のない世界である企画AV女優という職業を選んだ女たちは、絶望やトラウマの温床となっていた。この九年間でさまざまなトラウマや絶望、そして少しの希望を眺めてきて、ときに泣き、ときに笑ったりしたが、結果的に僕が彼女たちになにかをしてあげられたことはなにもなかった。

    ゼロ、

    皆無である。

    彼女たちの多くはこの社会や自分自身に心から絶望していた。生きているこの先に絶対に癒しや救いがないことを知っていて、モラトリアムを得るために社会との最後の接点としてカラダを売ってかろうじて境界線を生き、最終的には自分自身を壊してすべてを終わらせるという将来を見ていた。

    その死という選択は、若さゆえの暴走や自虐的なSOSサインではなく、悩みもがきながらつかんだ難産の末の結論であり、他人が入り込む隙間のない、自分で決めた揺らぐことのない決断だった。

  • 僕がこのシリーズを読んだきっかけはこれが原作の映画が公開されたからであって、それがなければ見向きもしなかったでしょう。『こういう世界でしか生きていけない人がいる』それがわかっただけでも収穫だなと思う。

    僕がこの本を読み始めたのはこのシリーズが映画化されているのですが、僕が今すんでいるところでは公開されないので、ある意味しかたなしに原作を読んでいたのですが、原作のほうがきっと内容が濃いだろうという結論に至ってある意味ではプラスになったと思っています。以前、何かのインタビューで漫画家の西原理恵子が

    『私は東南アジアの売春窟に取材に行ったとき、そこで娼婦として不特定多数の男とやりまくって男から公衆便所として扱われて、その心の中に溜まった澱が限界点を越えて心と体が壊れたというのを山ほど見てきた』

    と語っていたのを読みながら思い出しました。彼女たちはAVに出る前から援助交際を皮切りにファッションヘルス。ピンクサロン。ソ-プランドと性産業のフルコースを経験した人がかなりの割合を占めていて、そこから抜け出すことができないんだなぁ、と思わずにはいられませんでした。作者は現在、福祉関係の会社を経営しながら執筆活動をしているそうです。

    やはりこのシリーズを続けることは相当彼の精神を蝕んだらしく、最後のほうは、あまりの痛々しさに複雑な気持ちになってきます。この4冊ははぜひ男女問わず、全巻通して読んでもらいたいです。

  • AV女優へのインタビュー本。
    映画にもなってるみたいです。
    ちなみに、エロい話は載ってないです。

    AV女優って結構お金にならないんだな。って思った。

    でも、親から虐待を受けていたとか、
    お金がないとか、
    社会になじめないとか、
    確かにそういうタイプが多いのだろうけど、
    この子は、どのステレオタイプに当てはまるのだろう的な
    インタビューの仕方がいまいち気に入らなかった。

    でも、なんで、こう、巷のエッチサイトには
    毎日新しいAVが更新されるのかは、
    なんとなくわかった気がする。

    AVを楽しんでいる人は、読まない方がいいよ。
    ------
    他の人のレビュー
    http://iron24.blog17.fc2.com/blog-entry-210.html
    http://blogs.yahoo.co.jp/sanzou72/63254043.html

  • ■書名

    書名:名前のない女たち最終章 セックスと自殺のあいだで
    著者:中村 淳彦

    ■概要

    企画もののAVに出演している女優(一部は単体の人ですが)
    へのインタビュー集。全部で14人です。

    ■感想

    書名は"うん?"という感じです。
    というか、ほとんどの社会人は、"名前の無い人間"でしょ?
    AV女優だけ持ち上げすぎです。

    で、内容ですが、重いです。
    AV女優が出演していますが、エロは一切ありません。
    AV女優に至るまでの経緯が、それぞれの口から語られています。
    こうやって見ると、見事に全員、子供の頃から家庭崩壊
    していますね。ここが根本的な原因のように思います。

     家庭崩壊→愛情不足(人間不信)→自暴自棄→体を売る
     →誰かに必要とされているという勘違い(愛情が貰えると勘違い)
     →AV女優、風俗嬢へ

    だいたい、こういう流れですね。

    家庭崩壊の詳細は各々違いますが、かなり悲惨です。
    そりゃ、こういう偏った考え方になるよな~と納得させ
    るだけの出来事を各々が持っています。

    これを一言、"甘えているだけ"といって片付けるのはどうか
    と思いますね。勿論、同じ境遇でも、まっとうに生きている
    人はいくらでもいるでしょうし、そういう方から見れば、
    "甘えているだけ"となるでしょう。そういう方が、批判する
    場合、まだ多少は納得できますが、体験したことのない我々
    は単純に運が良かっただけな気がします。

    "子供は生まれる家を選ぶことが出来ない"という不幸が、こう
    いう人たちを作ってしまうのでしょうね。
    実際、こういう方たちと、こういう方で無い方の差は紙一重
    だと思います。

    単調な言葉ですが、この方々は、良く頑張って生きていると
    思います。

    こういう本を読むと、自分って甘いな~、恵まれているな~
    と心底感じます。

    軽く読もうと思っていましたが、結構考えさせられる本でした。

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著者プロフィール

1972年生まれ。ノンフィクションライター。AV女優や風俗、介護などの現場をフィールドワークとして取材・執筆を続ける。貧困化する日本の現実を可視化するために、さまざまな過酷な現場の話にひたすら耳を傾け続けている。『東京貧困女子。』(東洋経済新報社)はニュース本屋大賞ノンフィクション本大賞ノミネートされた。著書に『新型コロナと貧困女子』(宝島新書)、『日本の貧困女子』(SB新書)、『職業としてのAV女優』『ルポ中年童貞』(幻冬舎新書)など多数がある。また『名前のない女たち』シリーズは劇場映画化もされている。

「2020年 『日本が壊れる前に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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