【映画化】完全なる首長竜の日 (『このミステリーがすごい! 』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796679909

感想・レビュー・書評

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  • まだ多感な少女だったころ。(少女の前に美という字がつかないのがカナシイけれど)
    この世は、実は誰かが見ている夢で
    私はその中でチェスの駒みたいに動かされてるだけじゃないの?
    ある朝目覚めたら、家族も友達も幻のように消えて
    何もないまっしろな空間がぽっかりと拡がっていたらどうしよう。。。
    なんて考えて、怖くて眠れなくなってしまうことがありました。
    そんな怖さ、寄る辺なさを思い出してしまう本です。

    自ら死を選び、植物状態となった弟と
    「センシング」というシステムで意思の疎通を図る姉。
    コミュニケーションを拒むかのように、夢の中で何度も
    ピストルをこめかみに当てて引き金を引く弟。

    幼い日、夏を過ごした南の島で、潮溜まりに薄めた青酸カリを垂らし
    弱って浮き上がってきた魚を掴まえて遊んだ記憶。
    「この場所は危険」の目印に、潮溜まりに突き立てられた棒切れにたなびく赤い旗。
    クラクラするような暑さの中で、船底についた錆をひたすら叩くカンカン虫。
    砂浜を奇妙な機械で宝探しして見つける、小さな金属製の首長竜。

    死や絶望、喪失の匂いを振り撒き続ける小道具たちの鮮やかなこと!
    読んでいる間ずっと息苦しくて、まるで白昼夢に迷い込んだよう。

    遠い昔、地球上に確かに居たのに、「こんな恐竜がいたはずがない!」と
    祖父に破り捨てられた絵の中の首長竜のイメージに重ねて
    存在の危うさに震えながら、
    「私はここにいるよ!」と必死で手を伸ばしているようなヒロインが哀しい。

    読後感の爽やかな作品のほうが好きという方や物語世界に引きずられやすい方は、
    エネルギー充填120%!と言えるくらい元気な時に読まれたほうがいいかもしれません。

  • これ、ミステリーじゃないよね。
    SFでしょー。
    それはさておき。
    面白く読めましたが新鮮味がなかったかな。
    現実と妄想の世界の交錯とか脳内世界へのアクセスとか。
    何しろ途中からオチが見えてしまったのが残念。
    もうちょっと読者を煙に巻いたまま引っ張って欲しかった。

    読みながらゾワゾワする感じもあったし、スピード感もあった。
    それに首長竜って個人的に好きで萌えた(笑)
    いわゆる恐竜よりも首長竜ってところがいい!
    少年に首長竜ってあうよね〜。

    この本を映像化しようと思ったのはすごい。
    設定もストーリーも全然違うみたいだけど、見てみたいなぁ。

    • 九月猫さん
      vilureefさん、こんばんは♪

      わざわざ検索のお手間をおかけしてしまったようで(;^_^A
      ちゃんと書けばよかったですね。ごめんなさい~!

      そうなんです、景山民夫さんの作品なんです。
      景山さんってこういうのも書かれるんだーと当時とても驚きました。
      まっき~♪さんのコメントも拝見させていただいて、
      「景山民夫なのに泣ける内容というのが、ちょっと悔しいような。」に笑いながらも共感です。
      アニメは残念ながら観ていないのですけれど(^^;)

      「のび太の恐竜」いいですね~♪
      ドラえもん、なぜか大人になってからのほうが好きになりました。
      声優さんが変わられてから観なくなったので、たまに観ると未だ違和感が(笑)

      2014/02/13
    • vilureefさん
      まっき~♪さん

      サリンジャー、熱狂的な人気ありますよね。
      ライ麦も以前読みましたが、全然ホールデンに共感できず。
      10代のころに読めば違ったのかしら?などと思ったりします(^^;)



      2014/02/17
    • vilureefさん
      九月猫さん

      景山民夫、テレビの印象しかありません。
      一つくらい読んでみないといけませんね。
      外見から判断してはだめですね(^^;)

      そうですよね~、ドラえもんと言ったら大山のぶ代ですよね!
      2014/02/17
  • むっちゃ面白かったー。
    もっと早く手に取るんだった。
    なんというタイトル美!

    先日、過去のダ・ヴィンチのおススメ本紹介コーナーで
    見て、これは好きな設定だ!と思って借りて
    面白くて面白くて一気読みしてしまいました。

    こういう胡蝶の夢的な作品って好きだ。
    あとサリンジャーの作品も読みたくなります。
    攻殻機動隊も見たくなる。
    「パプリカ」とか「違夢」
    「夢のカルテ」も思い出したり。

    脳内ふわふわ感と、感動とゾクゾクとわくわくと
    終わり方も(アニメっぽいけど(←から))好き。

    ミステリー苦手な私でもOKだったので
    (ミステリーなのか、これ?と思うけどね)
    うん、この作品とても好き♪
    ちょっぴりSF&幻想小説っぽい。

    同じ赤でも私が見ていると、他の人や子供が
    見ている赤は違う赤かもしれない。
    クオリアって興味深い。

    そして間髪を容れずに二度読み中!

  • 読み終わると、現実と夢の区別がつかなくなるような不安定な酩酊感にとらわれる。
    今私がここにいること、身の回りにいる人は本当に存在しているのか、たしかに現実だと思うけれども、でも明け方に見る夢のリアルさを思うとそれもまた心もとない感じがしてくる。

    〇〇賞受賞とかそういうことで本を選ぶことはしないので、この本も冒頭を立ち読みした時点では読む気はなかった。
    しかしテレビで著者がインタビューに答えているところを見て、その考え方が面白いなと思ったので読んでみたのであった。

    あちこちの書評を見ると、ミステリーっぽくないとかオチが見えたとか、そういう点で評価が低くなっているようだが、謎解きだけがミステリーじゃないと思っているので私は気にならなかった。
    それよりも、めまぐるしく入れ替わる現実とSCインターフェースの描写が、激しい酩酊感をもたらしてきて、惑溺してしまう。

    「ミシンとこうもり傘」、マグリットの「光の帝国」などの、シュルレアリスムの用語が出てくるあたりが、この小説のカラーをなんとなく物語っているように思う。

    おのれの既成概念を激しくゆさぶるという意味では大変充実した読書体験をさせてもらった。時代小説の方も読んでみようかな。

  • ミステリーといえばミステリーなんでしょうけど、SFだなぁ。
    「胡蝶の夢」の、蝶になった夢を見ていたのか、蝶が見ている夢なのかというのが、
    この物語を端的に示しているのですが
    センシングとやらの夢世界もあって、なかなか複雑。
    島の磯の描写とか、プレシオサウルスとか、幻想的な雰囲気は好きだな。
    夢なのか、センシング中なのか、妄想なのか、記憶なのか、現実なのか。
    なかなかスリリングでおもしろかった。

    結局自殺の理由はそうなるのか。
    結局、どこまでも夢なのか。
    しかし、最終的なカタルシスを感じられなくて、なんかもやっとする。

  • 思えば私も、ここにいる自分の身体が自分自身なのか、意識だけ浮かんでいて身体を持っているのだと錯覚して夢の中で過ごしている気になっているのではないか?などと考えていた時期があった。
    記憶の迷宮、凄い小説に出会ってしまったものです。言葉にできない私の感覚に似たものをよくぞ紡ぎ出してくれた!

    沼の水面に出来る小さな泡が人の一生涯だとしたら、空気を孕めず泡さえ作ることの出来ない沼の他の水の分子たちはいつやって来るとも知れない『生命』に巡り合える事も無く永遠を過ごしてゆくだけなんだと。そんな戯言を並べた作文を昔書いた記憶も蘇りました。

  • 先が読めないのでどきどき、

    満場一致で大賞決定の作品らしいです。
    期待は裏切りませんでした。よい、

  •  図書館より
     植物状態の患者とのコミュニケートが可能になった日本を舞台に自殺未遂を犯し植物状態となった弟とコミュニケートを続ける、マンガ家の姉の姿を描いたSFミステリー。

     日常描写や回想がとても上手いなあ、と思いました。マンガ家としての編集者やアシスタントとのやり取りの場面もそうだし、弟や祖父の記憶の回想場面も良かったです。この場面の描き方が上手いからこそ、徐々にそうした日常に入ってきた異物感、というものが表現されていたように思います。

     日常と幻想というテーマに哲学的な視点からアプローチしていたのも面白かったと思います。

     ただこの手の作品にありがちなところに最後は収斂していったのはちょっと残念でした。やっぱりこういう作品は結末が難しいのだろうなあ。

    第9回「このミステリーがすごい!」大賞〈大賞〉

  • なんだまた映画のアイデアの焼き直しかよまったくだから「このミス」は信用なんねえな、と思って最後の解説読んだらなんと「インセプション」よりぜんぜん前の出版だっていうじゃないか!長年次こそはと期待して「このミス」受賞作をを読み続けてきたが、このことこそ受賞作史上最大のどんでん返しだった。多重階層の現実をプロットに持ってきて、日本情緒や感情を豊かに盛り込んだ手法は、ならば絶賛に値する。最後の一ひねりは好きじゃないけど。そこが口惜しくマイナス一点。減点しすぎだわな。髪の毛一本。趣味の範囲。

  • 映画を観てからの原作。基本のコンセプトは一緒だけど、ストーリーは相当別物。 現実とヴァーチャルが二重三重に重なる感覚はまさにクリストファー•ノーラン「インセプション」。ラストの落とし方も自分好み。

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