- Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796680899
作品紹介・あらすじ
口にフックをかけられ、マンションの13階からぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。街を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の犯行だった。警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに…。無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の目的とは?正体とは?警察は犯人をとめることができるのか。
感想・レビュー・書評
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街中が恐怖と混乱に陥ってしまうほどの残虐な連続殺人事件。遺体のそばに置かれたメモの文章から「カエル男」と名付けられた犯人が繰り広げるサイコミステリー。
著者作品3作目連読。
ズバリお見事。ここまで"してやられた"作品は初めてかもしれない。
グロテスクかつ暴力的な描写の作品は、これまで何冊も読んできたが『おいおい、もうそのくらいで良いだろう』と思ってしまうほど本作は兎角しつこい。
そして本作のテーマとも言える、刑法39条や障害者の人権、幼児虐待やトラウマなどの様々な内容が絡みつき、後半は怒涛の展開が私を迎え、連れ去り、引き摺られ、クタクタになった果てに、幾度と騙される結末。
いやはや、本当に疲れた。
さて、次の中山七里作品を読むとしよう。
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「きょう、かえるをつかまえたよ。……」6~7行の日記か詩のようなものが添えられた連続殺人事件。なんだか萩原朔太郎の詩を思い出す。気持ちのいいものではないが、ぐいぐい読ませられる。最後は、どんでん返しのどんでん返しだ。ページがまだこれだけ残っているぞ、ひょっとしたらと思ったら、やはりどんでん返しがあった。あの古手川和也刑事の新人時代の事件だが、身体も心もボロボロになってしまうよなあ。刑事なんてなるもんじゃない。でも、刑事ものを読んでしまうのだ。
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H29.4.25 読了。
古手川刑事は不死身?
最後まで気が抜けない展開で、面白かった。 -
マスコミや警察 民間人の様々な動きはどうも読者を意識誘導しているに感じてしまった。
現実離れしているはずの暴動シーンやボロボロになるまでの格闘シーンは映像が当たり前の様に脳内再生出来るリアルさが凄かったし、後に見た映像作品は脳内映像そのままだった。
刑法三十九条、心神喪失者と健常者の違い。
守られる事が当たり前の民間人。
人間の愚かな言動に所変われば心も変わるなんとも身勝手な人間達の闇の表現が巧み。 -
御子柴シリーズが追いついて、岬シリーズが予約待ち。で、カエル男に手をつけました。
マスコミ命名「カエル男」による連続猟奇殺人事件。見るも語るも凄惨な殺人事件。登場人物達がそれぞれ抱える壮絶なトラウマ。なかなか捕まらない犯人に苛立ち恐れる一般市民は暴徒化する。日本の警察での暴動は現実的でないけれど、そこから始まる新人古手川刑事の死闘。不屈の闘志と肉体が傷んでいく。もう、読んでて痛い。
この作品は、警察サイドからのミステリーなので、他の作品と比べて王道をいく感じかしら。
刑法39条(心神喪失)と41条(責任年齢)を扱わせたら、ミステリー職人。
ラストの殺人継続への期待感(不謹慎だけども)が、また良きですね。 -
題名が悍ましいので、読むのを躊躇っていたが、渡瀬・古手川刑事コンビという事で、読む事にした。
口にフックをかけられ、マンションの13階から、ぶら下げられた女性の全裸死体。
「カエル男」と名付けられた殺人鬼は、警察を嘲笑うかのように、第二・第三の殺人を続ける。
街中を恐怖に陥れる最中、第四の事件が。
新米刑事の古手川が、事件ををきっかけに知り合った母子と心を通わせ、傷つき、成長していく。
精神障害と刑法三十九条の問題を問う作品。
どんでん返しのそのまたどんでん返し。
流石という他ない。
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みんなが救われつつ、滅びつつ、大衆心理までギュッと詰まった本でした。
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口にフックをかけられ、マンションの13階からぶら下げられた女性の全裸死体。
傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。
街を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の犯行だった。
警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに…。
無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の目的とは?
正体とは?警察は犯人をとめることができるのか。
へんてこな題名だなぁと思いつつ、フォロワーの皆様が高評価だったこともあり
ずっと気になっていた作品。
何だかちょっと軽い感じのする作品名だが、内容はずっしりと重たい。
文章力、表現力、語彙力、何をとっても素晴らしい。
物語は更に素晴らしい。
ゾクゾクするような恐怖感から、あっと驚く結末まで。
目が離せなくなる。
ただ、痛い描写が苦手な私には、後半苦痛で苦痛で、
チラっと1行読んでまた少し休憩・・・
また1行読んで・・・と繰り返しておりました(^-^;
最後の畳みかけは最高でした(*^-^*) -
これは大満足!
自分の推理も大はずれ!
いいとこまでは行ったんだけどな。 -
猟奇的な殺人事件から終盤の怒涛の展開まで。
ドラマにはまるかの用に読了しました。
事件を通じて人間の様々な嫌な部分を見せつけられたような気がします。
本当の意味での「真犯人」は最後の最後まで。
そして終わり方がまた…。
面白い作品でした。
「カエル男ふたたび」もまた読んでみたいと思います。
著者プロフィール
中山七里の作品





