連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 6-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796680899

感想・レビュー・書評

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  • マスコミや警察 民間人の様々な動きはどうも読者を意識誘導しているに感じてしまった。

    現実離れしているはずの暴動シーンやボロボロになるまでの格闘シーンは映像が当たり前の様に脳内再生出来るリアルさが凄かったし、後に見た映像作品は脳内映像そのままだった。

    刑法三十九条、心神喪失者と健常者の違い。
    守られる事が当たり前の民間人。
    人間の愚かな言動に所変われば心も変わるなんとも身勝手な人間達の闇の表現が巧み。

  • 連続殺人の方法が不気味というか非道。映像では見たくない。刑法39条(心神喪失者の行為は、罰しない)が最後まで影響する。こんな異常な殺害をする犯人が、精神異常ということで無罪放免される法律は、遺族のみならず周囲にとっても許せる事では無いように思う。犯人が早目に判明したと思ったら、どんでん返しに次ぐどんでん返し。最終の犯人が野放しかと思ったら•••因果応報?
    殺人と動機も不気味すぎて、犯人が判明しても読後のスッキリ感があまり無い。

  • 口にフックをかけられ、マンションの13階からぶら下げられた女性の全裸死体。
    傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。
    街を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の犯行だった。
    警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに…。
    無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の目的とは?
    正体とは?警察は犯人をとめることができるのか…。

    最近、とっても良い作品ばかりに巡り合っていたので、
    エグイと噂で避けてきた本作を敢えて読んでみました(*'-'*)エヘヘ

    殺人事件の死体の様子の描写も酷いけど、
    そんなに気持ち悪くはならなかったが、
    虐待シーンや格闘シーン暴力シーンの描写は、
    迫力があるのかもしれないですが、
    長い、長すぎる(/△\*)
    読んでいてとっても気が滅入るし、気分が悪い。
    それが延々と続くからまいっちゃう。

    刑法三十九条の問題提起は考えさせられた。
    もし、自分の周りの人が何らかの被害にあった時、
    犯人が心神喪失や心神耗弱と判断され罪に問われなければ
    それは許せないって思った。
    とても重いテーマを問題提起し、
    そしてどんでん返しに次ぐどんでん返しにはとても驚かされたし、
    ラストもゾッとした。
    それだけに残念さが残りました。

    続編が発売されているようですね。
    続きは気になります(〃ω〃)

  • 凄惨な描写に多少困惑もしたが、さすがのどんでん返し。最後は一気読みでした。
    中山七里作品はまだ数作しか読んでいないが、続編を含め他の作品も楽しみと思わせる一作でした。

  • 「テミスの剣」から続けて、読むと渡瀬の変わりようがよく分かる。一般的な書評では、グロテスクとあるが、私はそうでもなく、読めた。謎の連続殺人事件に挑むのは、最近、あらゆるシリーズで活躍中の古手川刑事。まだ駆け出しと言うことで、初々しい。「カエル男」と呼ばれる犯人に奔走されるが、ラストに待ち受けるどんでん返しは、さすが中山七里!

  • 大好物なシリアルキラーもの。かなりグロい殺し方がたまらん…‼︎
    終盤のゴタゴタ感があまり好みではなかったけど、御子柴シリーズやヒポクラテスシリーズとの繋がりがあり楽しめた。

  • すごい。
    中山七里は本当にすごい。

    「ネメシスの使者」、「御子柴シリーズ(現在既出の4作のうち3作)」に続いて、読むのは5作目となりましたが
    今回も、やはり、見事なまでに裏切られました。
    大切に読もうと思っていたのですが、続きが気になってどんどんページを繰ってしまいました。

    途中に出てくるベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」。
    実際にヴラディーミル・アシュケナージの「悲愴」を聴きながら読みました。
    目で楽しめる音楽とは正にこのことで、ここまで音楽を文学的に表現できるのかと感動しました。

    中山七里の作品に何度も登場する人気キャラクターの渡瀬&小手川ですが、この作品が初登場なのですね。
    後々の作品に比べると、その言動に幼さが残る印象。
    結構ムチャしてますよね…特に小手川。

    乱闘や暴行を受ける描写が長くて、読むのが辛い場面がありました。
    物語の構成は素晴らしいのですが、あくまでも個人的感想として☆3です。


  • タイトル見て買った一冊。

    タイトルのイメージと違い結構凄まじい内容だった。

    刑法39条や事件を起こした容疑者の精神状態がどうのとかちょっと疑問に思ってた事が、この本で出てきたのでビックリした。

    二転三転して終わった話だったが、疑問に思う部分もありスッキリ終わったとか、爽快感とかはなく、モヤモヤが残った。

    なんとなく難しい小説でした。

  • 中山七里さんの作品は刑法第39条を絡めた内容を時々目にする。カエル男は人間の心の闇を真犯人だけでなく、一般市民の暴徒化にも焦点をあてている。終盤は次々と暴かれる展開の速度と古手川刑事とその上司である渡瀬が真相に迫るところにハラハラさせられ、驚かされた。

  • 猟奇的な殺人に怪奇的な犯行声明から始まる物語。
    途中から2つの物語が並走し、犯人特定に繋がっていく。
    かなりグロテスクな描写や、目を背けたくなる表現もあるが、
    それ以上に攻防をしているシーンが冗長に感じられ、中弛みしてしまう。
    最終の展開に次ぐ展開は素晴らしかった。
    最終展開以外はしっかりと読んでいれば繋がってくる。
    最後の最後まで綺麗に纏まっていてスッキリ。

著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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