最後の証人 (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
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レビュー : 196
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796683647

作品紹介・あらすじ

元検察官の佐方貞人は刑事事件専門の敏腕弁護士。犯罪の背後にある動機を重視し、罪をまっとうに裁かせることが、彼の弁護スタンスだ。そんな彼の許に舞い込んだのは、状況証拠、物的証拠とも被告人有罪を示す殺人事件の弁護だった。果たして佐方は、無実を主張する依頼人を救えるのか。感動を呼ぶ圧倒的人間ドラマとトリッキーなミステリー的興趣が、見事に融合した傑作法廷サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 状況証拠、物的証拠とも被告人有罪を示す殺人事件の弁護を引き受けた佐方。彼は、無実を主張する依頼人を救えるのか。裁判は検察優勢に進んでいく。佐方を救う「最後の証人」は現れるのか…

    似たような作品を読んでいたので驚きは少なかったけど、この作品はトリックがメインではない。なぜここまでしなければならなかったのか。ある家族の苦しみ遣り切れない思いをどう受け止めるかが重要だと思う。

    正義とは何か?罪をまっとうに裁くとはどういうことなのか、いつしか私はもうひとりの裁判員になっていた。「法よりも人間を見ろ」と言う佐方によって導き出された真実はちょっと切なかった。家族を失うことほど辛いものはない。彼らの先に光があると私は思いたい。

  • 柚月さんの小説、これで何冊目かな…?
    好きな作家さんです!
    医療・警察・政界・企業…これらの隠蔽を暴いていく小説、好きです!一般庶民の弱者という立場からするとこれぞまさに正義!という気がするので^^;

    『真実を暴くことだけが正義じゃない』…確かにその裏にある様々な背景を考えると時と場合によりけり真実を追求する事が必ずしも正しいとは限らないのかもしれません。
    知らなくても良い事、知りたくない事、知らない方が幸せな事…そんな事が世の中にはたくさんありますから。
    でも真実の上に成り立つ正義であって欲しいと思う気持ちもまた正直なところです!
    ミステリーですがヒューマンドラマが強い辺り、柚月さんの魅力かな^^;

    PS:丸山さんの存在が気になっていましたが、ここで出てきたか…丸山さん!て感じでした^^;

  • 「しあわせなミステリー」で出会った佐方貞人に
    会いたくて読んでみた。
    彼は既に検事を辞しており、弁護士となっていた。
    何故、弁護士になったのかということも含めて
    依頼人の無実を勝ち取るまでのお話。

    引き込まれて読んだ。
    佐方貞人は魅力的な人だった。
    「その人間が犯した罪で裁かなければ意味がない」
    そういうことか、と納得。

    立場を利用するもの。
    利用することに目を瞑るもの。
    利用されて苦しむもの。
    そこで、正しいことを正しく実行しようとする意志。
    実行する行動力。
    それがどれほどに、強く揺るぎないものでなければならないか
    ということは、容易に想像できる。

    あー、面白かった。

  • 非常にテンポの良いストーリー展開と上手い仕掛けに夢中になり、一気読み。主人公の弁護士、佐方は途中まで鳴りを潜めているのだが、終盤に表舞台に出て来ると俄然話が面白くなる。

    また、物語の中には様々な事件により人生を弄ばれた人物が登場し、読者の気持ちに揺さぶりをかけて来るあたりが上手い。

    驚いたのは途中まで法廷で一体誰が裁かれているのか明かされていないこと。可能性のある人物が何人か登場する。被告が誰か解った時から事件は大きく動き、一気に結末へと盛り上がりを見せる。

    『臨床真理』も面白かったが、この作品も非常に面白い。

  • 涙腺弱い人は絶対に電車で読んじゃだめなやつ。
    そしてこれは「どんでん返しのミステリー」としてもっともっと評価されるべき。
    うまく言えないけど、「愛」と「憎しみ」の重さや違いについて考えさせられた。

    物語は、主人公である弁護士とは逆の立場の検察の証人尋問と罪を犯した人の犯行当日までの行動が交互に書かれながら進んでいく。
    主人公はラストまでほとんど出てこないし、どんでん返しも他の人の発言からというところがちょっと変わってる。
    事件の真相には本当に驚いたけど、それがわかってから犯行前のシーンを思い出してさらに涙。(それでなくても泣けたのに)
    あのどんでん返しで事件の印象ががらっと変わってしまったところがとにかくもうすごすぎ。
    それから物語の大事なシーンにおいて、目で人物の気持ちを語らせる描写が印象的だった。

    主人公が呼んだ2人の証人の言葉はどちらも深く重く、特に「最後の証人」の唯一の言葉は切なかった。
    あれだけはきっと全てを見抜いた主人公の想定外にあると思う。

    もはや主人公は事件の全容がわかったあとに説明をしているだけって感じだったけど
    この説明は読者のためじゃなくて、登場人物の1人(2人)のためにやっているんだろうな。

    「まっとうに裁かれるということは、まっとうに救われるということ」という言葉のとおり、この人がまっとうに救われますようにと祈らずにはいられない。でも本当は、もっと早く救われていれば、と思ってしまう。

  • 219ページ、最終論告で被告人を呼ぶシーン。
    「ゾクッ」と「あぁ・・・」が同時に訪れた。

    この一瞬が、読書を楽しむ醍醐味なんだろう。
    著者が読者に期待したであろう思考回路。
    どうやら私は期待通りの"模範読者"みたい。
    他の本も読んでみたいと思った。

  • 柚月さんの書籍は初めて読んだけれど、読みやすい。それでいて必要な文は載せられているから情報整理がしやすく、面白い。ただ、悪く言えば人によっては面白味のない文章とも言える。
    肝心のミステリだけれど、洗練されていると思う。洗練されているからこそ、想像の違和感に気づいて結末が読める人も多そう。
    それでも、エンタメとして秀逸に出来ている。結末を読めようが読めなかろうが最後までワクワクして興奮する。それに何より、伏線の張り方が上手く、途中で気づいてもその伏線が楽しくなる。

    物語の終盤での光治の胸中シーンはグッとくるものがあるね。そこでいかに自分が感情移入させられていたか自覚した。その後の一言も、いかに覚悟が強いかを見せつけるかの言葉で、鳥肌もの。

    本格ミステリ大好きトリックこそ全て!人間は止めておいた方が良い。それ以外の方であれば一見の価値あり。それに主人公の佐方が味のある雰囲気出してるから。そういった所も見て欲しい。それでは、
    「そろそろ限界だ。煙草が吸いたい」
    ので、この辺で終わりに。

  • 法廷サスペンスだが、最後まで結末がわからない。ハラハラドキドキで引き込まれた。おすすめ

  • 構成に特徴あり。謎解きではなく人物描写に重きが置かれている。
    「法を犯すのは人間だ。検察官を続けるつもりなら、法より人間を見ろ」

  • 面白くてあっという間に読んだ。
    息子が事故にあったことを想像して怒り狂いながら読んだ。被告人、お前かーい!ってなった。
    実際に隠蔽とかありそうで怖い。

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著者プロフィール

柚月 裕子(ゆづき ゆうこ)
1968年生まれ。岩手県出身、山形県在住の小説家。2008年『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞しデビュー。2013年同作で第15回大藪春彦賞、2016年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、同年『慈雨』で「本の雑誌が選ぶ2016年度ベスト10」第1位をそれぞれ受賞。2017年、『盤上の向日葵』で第7回山田風太郎賞候補、2018年本屋大賞ノミネート。
代表作として、テレビドラマ化された『最後の証人』『検事の本懐』を含む「佐方貞人シリーズ」。また、2018年に映画化される『孤狼の血』。

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