最後の証人 (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
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レビュー : 259
  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796683647

作品紹介・あらすじ

元検察官の佐方貞人は刑事事件専門の敏腕弁護士。犯罪の背後にある動機を重視し、罪をまっとうに裁かせることが、彼の弁護スタンスだ。そんな彼の許に舞い込んだのは、状況証拠、物的証拠とも被告人有罪を示す殺人事件の弁護だった。果たして佐方は、無実を主張する依頼人を救えるのか。感動を呼ぶ圧倒的人間ドラマとトリッキーなミステリー的興趣が、見事に融合した傑作法廷サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • これまで読んだ柚月さんの本の中ではベスト。(4冊だけだけど)やはり人気シリーズなだけある。元検事・現弁護士の佐方のもとに、圧倒的不利の被告人から依頼が入る。佐方は「面白そうだから」と依頼を受ける。公判が進むにつれて、事件のあらまし、真の真相が薄皮を脱ぐように明らかになり、じっくり感情移入してしまう。被害者と被告人の名前がずっと明かされないので、何か絶対あるとは思っていたが、予想は外れる。で、これはグッドエンドなの?やるせないし、情状酌量・真実・判決...いろいろ考えさせられた。人情モノ+ミステリー。良作。

  • 佐方貞人シリーズの第1作目。復讐完了!!息子を車で轢き殺された犯人を息子夫婦がどうにかして犯人に復讐する壮絶・悲壮感漂うストーリー。私はかつてこんなに劇的な復讐本を読んだことはなかったかなぁ。最後の裁判では「誰が被告人?」と、ものすごーく引っ張られ、被告人が分かった瞬間一気に靄が一掃された。美津子の人生の最終幕の散り際、悲しいが達成感を持ったのではないか?美津子の達成感を一緒に共有し、涙してしまいました。とても斬新な展開に一気読みでした。柚月さん、初読みですが、また読みたい本が増えてしまいました。

  • 公判3日目最終論告で、「被告人 島津邦明」と読み上げられた時、ええっー被告人は高瀬美津子じゃなかったの?とうなってしまった
    柚月さん、すごい!参りましたという感じ
    一人息子を奪われた親の悲しみ、出口のない怒り、昨今、あまりにも身勝手で短絡に人の命が奪われる事件が多すぎる
    「 事件の裏側にある悲しみ、苦しみ、葛藤、全てを把握していなければ、罪を全うに裁くことはできない」という佐方弁護士の言葉が重い
    その他にも、珠玉の言葉がちりばめられていた

  • 事件の真相を知った時、鳥肌が立った。
    絵に描いたような幸せな生活から一転、一夜にして奈落の底に突き落とされた一組の夫婦。
    最愛の息子を喪った上、真実をねじ曲げられるという理不尽な目に合った悔しさは想像を絶する。

    「罪を犯した者は必ず償わなければならない」
    当たり前に思っていた言葉の重さに言葉が出ない。

    「誰でも過ちは犯す。しかし、一度ならば過ちだが、二度は違う。二度目に犯した過ちはその人間の生き方だ」
    ミステリーから人生の教訓を得た。

  • 非常にテンポの良いストーリー展開と上手い仕掛けに夢中になり、一気読み。主人公の弁護士、佐方は途中まで鳴りを潜めているのだが、終盤に表舞台に出て来ると俄然話が面白くなる。

    また、物語の中には様々な事件により人生を弄ばれた人物が登場し、読者の気持ちに揺さぶりをかけて来るあたりが上手い。

    驚いたのは途中まで法廷で一体誰が裁かれているのか明かされていないこと。可能性のある人物が何人か登場する。被告が誰か解った時から事件は大きく動き、一気に結末へと盛り上がりを見せる。

    『臨床真理』も面白かったが、この作品も非常に面白い。

  • ヤメ検のはぐれ弁護士のエリート女性検事の対峙する法廷ミステリ。公判と連動するように、子供を交通事故で殺された夫婦の復讐譚のモノローグが入る。
    自分にも子供が出来てから、こういう物語は堪えるというか重い。ミステリ的な仕掛けもあるのだが、意外な真相とか驚きは薄い。
    人間描写が長けている作家で、構成が上手いのでグイグイ引き込まれるのだが、救われない話なのでカタルシスがなかった。シーンやセリフ回しがドラマティック過ぎるきらいもある。

  • 主人公がなかなか活躍しないと思っていたら、終盤で一気に来た。その仕掛けにすっかり騙されていた。脱帽。

  • 「しあわせなミステリー」で出会った佐方貞人に
    会いたくて読んでみた。
    彼は既に検事を辞しており、弁護士となっていた。
    何故、弁護士になったのかということも含めて
    依頼人の無実を勝ち取るまでのお話。

    引き込まれて読んだ。
    佐方貞人は魅力的な人だった。
    「その人間が犯した罪で裁かなければ意味がない」
    そういうことか、と納得。

    立場を利用するもの。
    利用することに目を瞑るもの。
    利用されて苦しむもの。
    そこで、正しいことを正しく実行しようとする意志。
    実行する行動力。
    それがどれほどに、強く揺るぎないものでなければならないか
    ということは、容易に想像できる。

    あー、面白かった。

  •  佐方貞人シリーズの第一作。この次に出た短編集『検事の本懐』の方を先に読んで、面白いと思っていたので、第一作に戻って読んでみた。

     誰が見ても有罪を決定づける証拠が揃っている事件の弁護を引き受けた佐方だが、その裏にはもうひとつの悲しい事件の影があった。
     平行して語られる過去の事件にやるせない思いを抱きながら裁判の行方を追っていくと、残り三分の一を過ぎたあたりで、読者は大きな衝撃を受けることになる。そこから先は、罪を裁くことに情熱を注ぐ佐方の独壇場となり、一直線にラストに突っ走る。
     ストーリーに合わせて少し都合が良い部分はあるが、裁判ものの進行を逆手にとったトリッキーな仕掛けといい、ドラマチックな人間模様といい、どちらも堪能できた作品だった。

  • やっと入れた佐方シリーズ。あー、なるほど感は、初期の湊かなえ作品と似た感覚にも。
    もうすでにシリーズ化されているものに出会って、追いつこうと読みすすめるのは、楽しい。
    2019/8/19読了 2019年の53冊目

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著者プロフィール

柚月裕子

一九六八年、岩手県生まれ。二〇〇八年、『臨床真理』で第七回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。一三年に『検事の本懐』(宝島社)で第一五回大藪春彦賞を、一六年に『孤狼の血』(KADOKAWA)で第六九回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、『慈雨』(集英社)で〈本の雑誌が選ぶ二〇一六年度ベスト一〇〉第一位、一八年に本作『盤上の向日葵』で二〇一八年本屋大賞第二位を獲得。その他の著作に『最後の証人』『検事の死命』(以上、宝島社)『パレートの誤算』(祥伝社)『ウツボカズラの甘い息』(幻冬舎)『あしたの君へ』(文藝春秋)など。

「2020年 『盤上の向日葵(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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