検事の本懐

著者 :
  • 宝島社
4.03
  • (113)
  • (183)
  • (81)
  • (6)
  • (3)
本棚登録 : 810
感想 : 148
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796686822

作品紹介・あらすじ

県警上層部に渦巻く男の嫉妬が、連続放火事件に隠された真相を歪める(『樹を見る』)。出所したばかりの累犯者が起した窃盗事件の、裏に隠された真実を抉る(『罪を押す』)。同級生を襲った現役警官による卑劣な恐喝事件に、真っ向から対峙する(『恩を返す』)。東京地検特捜部を舞台に"検察の正義"と"己の信義"の狭間でもがく(『拳を握る』)。横領弁護士の汚名をきてまで、恩義を守り抜いて死んだ男の真情を描く(『本懐を知る』)。骨太の人間ドラマと巧緻なミステリー的興趣が、見事に融合した極上の連作集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「最後の証人」楽しく読んだので、佐方先生の検事時代のお話読んでみた!
    てか、こっちが刊行は後で順番通りだったみたいですが前作よりも昔のお話。

    短編5話で、どのお話もアタシは面白かった
    ( ^ω^ )
    次のも読みます!

  • 連作短編集。
    どれも面白かった。柚月裕子さんの天才ぶりが止まらない…。

    ラストの「本懐を知る」は読み終わった後、放心してしまった。登場人物の優しさ、強さに圧倒される。兼先も記事にしなかった。取材結果を暴露したらスクープになったろうに…それをしなかったのは真実を知ってる人たちの本懐に応えた優しさだったのだろうか。

  • おもしろい。飽きずに読めた、というよりは、先が気になって積極的に読み進められた。
    ☆5にしないのは、「新しさ」がないから。どの話もドラマですでにやってるような「ベタさ」が感じられた。

    何にしても、真摯に仕事(でなくても良いが)に取り組む姿は人の心を打つものだ。

    楽しみとしての読書にはピッタリの1冊。

  • 佐方検事の短編集。彼の生立ちが見えてくる一冊。

  • 2022.4.21読了
    佐方貞人シリーズ二作目。
    一作目の『最後の証人』では弁護士であった佐方はいわゆるヤメ検であり、本作ではその検事時代の姿が描かれている。
    計五篇の短編だが、連作となっているので長編を読む感覚で読めて最後まで飽きさせない。
    佐方は最初から最後まで、事件を符号で見る事をせず、あくまで人間が起こすものとしてその背後関係を追う姿勢を貫く。そこに語られる人間ドラマに胸を打たれた。
    次の作品『検事の死命』も楽しみ。

  • いや面白かったんだけどね
    主人公のキャラも良かったし
    でもなんかこう突き抜けたものがなかったというか平坦な感じを受けてしまって…
    相性な気がする
    自分と柚月裕子さんとのw

  • 若手検事 佐方貞人を主人公にした五編の連作集、いずれもが水準を超えた秀作ばかりでページを繰る手が止まらなかった♪
    ミステリー要素と人間ドラマが上手い具合にブレンドしてあって読みたい心を擽られました。
    やっぱりウマイ作家ですねぇ。暫く柚月作品を続けて読んでます 笑。

  • 『最後の証人』の続編。そして、佐方貞人がまだ新人検事だった頃の物語。5つの連載短編集。佐方の物語だが、全て別の人物からの目線で佐方を知ることになる。

    私は面白い本ほど長編で読みたいし、前作があまりに良かったため、こちらが短編集だとわかって、正直少しガッカリした。しかし、この短編集は、そんな思いを簡単に裏切り、全てが極上の物語で、5話分の感動をもらうことができた。

    さて、前作で、佐方の父親も弁護士であり、また横領をして刑務所に収監されていたことに触れられていたが、今作でその全貌が明らかになる。
    全ての章が読み応えのある贅沢な出来だが、佐方の父親が何故横領したのか。そして、何故全額返金したのに実刑判決を受けたのか。さらには、何故控訴しなかったのか。その事実が明らかになる『本懐を知る』は佐方と父親を知る意味でもキモとなる章だ。
    この章は、週刊誌の記者の兼先が、過去に弁護士が横領して実刑をくらった事件を取材する形式で進んでいく。この章には佐方はほとんど登場しないが、その人を知るには十分な説得力がある。
    佐方にしろ、佐方の父親にしろ、自分が汚名を被っても約束を守り抜くその姿勢に、なんで本当のことを言わないのだろうと、もどかしくもあり、その不器用さと誠実さに目頭が熱くなった。

    何の気なしに読み始めた佐方貞人シリーズだが、一気に大好きなシリーズになってしまった。

  • 短編集だが各話が深い。タイトルである検事の本懐の意味をしっかり味わえた。

  • 読み進めていくと、佐方検事の、寡黙だけど、真面目でとても優しい人柄にどんどん惹かれていった。
    法廷の話というよりは、短編それぞれに出てくる人たちの思いや、生き方が描かれた物語で、どの話も心動かされました。

全148件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚月裕子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×