僕はお父さんを訴えます (『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 461
感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796688239

作品紹介・あらすじ

何者かによる動物虐待で愛犬・リクを失った中学一年生の向井光一は、同級生の原村沙紗と犯人捜しをはじめる。「ある証拠」から決定的な疑惑を入手した光一は、真相を確かめるため司法浪人の久保敦に相談し、犯人を民事裁判で訴えることに。被告はお父さん-母親を喪った光一にとっての、唯一の家族だった。周囲の戸惑いと反対を押して父親を法廷に引き摺り出した光一だったが、やがて裁判は驚くべき真実に突き当たる!2012年第10回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 「僕はお父さんを訴えます」小さな出来事を発端とした軽いノリを絡めた法廷ぽいものかと予想していた。

    ページをどんどんめくっていった。
    予想以上の結末だった。
    泣けた。
    温かいものが零れた。

    話は...
    少年光一が大切にしていた飼い犬が瀕死の状態で発見された。
    光一はリクをつれ病院へと駆け込むが間に合わなかった。
    診断の結果、虐待と判断され、光一は父親が犯人ではないかと疑う。

    子供らしい振る舞い、軽い推理トークもいい。
    随所に今の社会が抱える暗の部分も絡まっていく。
    ただ温かいだけの撫で終わりでない。

    おもしろい小説だった。
    友井羊、他の作品も読んでみよう。

  • 衝撃的なタイトルに惹かれ読んだ1冊。
    愛犬殺しの罪で実の父を訴えた少年を描いた作品。
    実際に裁判をして明かされた、裏に隠れた真実。
    読みやすかったですが内容は終盤につれて重く。
    読了は気持ちのいいものではありませんでした。
    狙い通りの後味の悪さといったところでしょうか。
    今後この少年も重い十字架を背負って生きる事になるんでしょうね。

  • 愛犬リクを何者かに殺された光一は、犯人を探すために証拠探しを始めた。
    司法試験浪人の敦と、同級生の沙紗に知恵を借りながら、裁判を起こすことに。
    民事訴訟の被告人はお父さん。
    リクは何故殺されなければならなかったのか。
    その先にある真実は。

    犬を飼っている身としては、犬が被害にあったことが前提の話が辛かった。
    光一と父との関係を考えるの、全て仕方のなかったことなのかもとは思うが、うーん、何とかならなかったのかなと。

    一番の被害者は、飼い主を信じた従順なリクかもしれないと思います。

  • 文章がうまく、テンポよく読みやすい。
    丁寧に描かれる裁判の過程は、興味深い。
    真相には予想がつくものの、それでもなお、主人公の思いが胸を打つ。
    苦みのある話だが、希望が感じられるラストで、じーんときた。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-4d39.html

  • みんな悲しい!
    やっぱりリク!!
    中学生・・・だから?
    やりきれなさ満載

  • 最初は何の話かよくわからなかったけど、読み終わったらなんだかすごくつらい気持ち。痛い。
    別居中のお母さんのキャラクターにちょっと救われる。

  • 愛犬リクが何者かに殺された。
    その犯人だと思わしき父を訴えるお話。

    最初、8ページ目に書いてあった一文で、ん?と違和感を覚え…その後様々な伏線もあり、リク殺しの犯人はすぐわかってしまった。

    光一が動物病院で嘘じゃない嘘をつき、そこでこの裁判の目的が薄々わかってくるからこそ、そのまま読み進めていくのが辛かった。

    なんて切ない裁判なんだ…。

    和解を求めた父が嘘をついた瞬間に、もっと大きな嘘をついているって疑惑から確信に変わってしまったのも辛かった。

    僕はお父さんを訴えます。話し合えない人とだからこそ、裁判自体はこれで良かったんだとは思う。でも、リクは…なんにも悪いことしてないよね。

    その罪悪感と、向き合って生きていってほしい。

    クラスメイトの沙紗、友達である敦、父の再婚相手である真季。周りの人が素敵なお話でした。

  • 飼っていた犬が殺された。誰の仕業か気付いた中1の光一は、その人を民事裁判で訴える事に。その相手は実の父親だった。母を飛び降り自殺で亡くし、厳格で仕事でほとんど顔を合わせる事もないような父との暮らし。継母の真希のアパートに住まわせてもらいながら、淡々と父を訴える準備を進める。そして裁判が始まり、父は否認するものの、物証があり有罪になるものと思われたが、裁判は意外な展開に…。
    どんでん返しに驚くけど、納得もできる。面白くて一気読みした。すぐ息子に勧めちゃった。

  • 初めての作家だった。大変読みやすかった。内容は、と言うと途中から、ストーリーが全部読めてしまった。そして最後の落としどころまでも。しかし扱ったテーマが重い。最近TVが取り上げているDVの話だ。なぜ、DVがおきるのだろう?しかし、内容が予測できると言うのはそれだけ私の思考と合っているのだろうと思う。

  • スラスラ読めるが、引き込まれはしなかった。
    中高生用の本かなと思ったし、いにかり話が飛んだりして微妙に内容が薄かった。

    光一には同情が出来るし出来ない、なんとも微妙な気持ち。

    評価: 星3.5くらい

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著者プロフィール

2011年、『僕はお父さんを訴えます』で第10回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞してデビュー。14年、『ボランティアバスで行こう!』が名門ミステリファンクラブ「SRの会」13年ベストミステリー国内第1位に選ばれる。著書に“スープ屋しずくの謎解き朝ごはん”“さえこ照ラス”“レシピで謎解きを”の各シリーズ、『映画化決定』など。

「2023年 『無実の君が裁かれる理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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