原発に「ふるさと」を奪われて~福島県飯舘村・酪農家の叫び

著者 :
  • 宝島社
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796688758

作品紹介・あらすじ

子どもや孫を被曝させた苦しみ、家族同然の牛との別れ、酪農仲間の自死。除染したって村にはもう戻れない-。放射能事故の被害者にしか語れない、3・11後の壮絶な葛藤、人間ドラマ。

感想・レビュー・書評

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  • 42年ぶりに日本全国全ての原発の稼動がストップしたその日に読み終わりました。

    そこで実際に起こったことが、そこに居合わせた地元の方の言葉で、ただ淡々と、誰が読んでもわかりやすい言葉で綴られておりました。
    そしてこれが、たぶんまぎれもない現実なのだろうなと思い知らされます。

    誰もが、生きていくために、豊かになりたいと、自分の住んでいる街や自然、もっと大きく言うと国を悪くしようなんて、基本的には考えないと思うし、もっというと、少しでもよくしようと努めるだろうし、事実今日まで努めてきたとは思う。

    しかしながら肝心なのは方向性。
    出だしの意識が一緒でも、途中で方向性が違ってくれば、それはおのずと結果として現れてくるのではないだろうか。
    たとえばごく一部の人間の利益だけのために、それが遂行されるとか。

    もしかしたらそういう意味でも、まったく予期せぬ自然災害というきっかけによって、いまこそ「方向性」を確認すべきときなのかもしれない、と誰もが思わなければいけない場面に来ているのではないのだろうか。

    そうでなければ、実際問題「犠牲」となったあらゆる人達、ものたちがうかばれない。なにも活かされない。

    日本はどちらに進んでいくんだろう。
    どういう方向に進んでいくつもりなんだろう。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「どういう方向に進んでいくつもりなんだろう」
      止めたいけど止まらない。
      何故、こんな危険極まりないモノを使うのか?
      その人達が、自分は安全だ...
      「どういう方向に進んでいくつもりなんだろう」
      止めたいけど止まらない。
      何故、こんな危険極まりないモノを使うのか?
      その人達が、自分は安全だと思う所に居て、何もしなくても、実入りが良いからでしょ。絶対に手放しませんヨ、奴等は。。。
      2012/09/01
  • 自分の考えに近いものを感じた。表には表れない情報もある。菅野村長との対比は面白い。写真家や薬害エイズを担当した弁護士の協力もあって出版されたこの本はよくできている。

  • 長谷川さんを、リアルに知っています。
    小学校の同級生のお父さんです。

    私の実家も住まいを奪われ、村長の言い分もわからなくはないけれど、私は長谷川さんの本を読んで、どれほど無念で悔しいだろうと涙がこみ上げました。

    なんの夢を見ているのか、地元は世界的に有名になり、長谷川さんや村長の著作の本やニュースをみる。

    村おこしで有名に、それが住まいを奪われ、仕事を奪われ。
    長谷川さんちの牛のミルクを、小学生のとき飲んだことがあります。

    甘くて、優しい牛乳。
    牛乳嫌いな私が、ゴクゴク飲んだ記憶。

    最後まで読んで、長谷川さんの気持ちを私も感じたい。
    みなさんにも、感じて欲しい。

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著者プロフィール

1953年、飯舘村前田生まれ。福島県立相馬農業高校飯舘校を卒業し、1976年、佐藤花子と結婚。2010年より前田行政区長。福島県酪農業協同組合理事。
 2011年3月11日の東日本太平洋沖地震の発生以後、福島第一原発の事故によって村が高濃度に汚染されたため、同年8月から伊達市伊達東仮設住宅に避難中。事故後の村と村民の写真を撮り続けている。
 著書『原発に「ふるさと」を奪われて──福島県飯舘村・酪農家の叫び』(宝島社)『【証言】奪われた故郷──あの日飯舘村に何が起こったのか』(オフィスエム)『写真集 飯舘村』(七つ森書館)。
 映画『飯舘村 私の記録』(NPO法人アワープラネット・TV)。

「2014年 『酪農家・長谷川健一が語る までいな村、飯舘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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