結社が日本を強くする ――AKB48も慶應義塾もみんな結社だ!

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796697644

感想・レビュー・書評

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  • AKB48は個人ではアイドルとして売り出すのが難しい少女を結社の力でアイドルにするためのシステム。

    慶応では先生は福沢諭吉だけ。あとは●●君と呼ばれる。
    慶応では卒業しないと結社メンバーになれないが、早稲田では入学すればメンバーになれる。慶応の方が強い、サラリーマン、組織人に慣れている。早稲田は慣れていない。
    結社は組織を作ることではなく仲間を作ること。

  • 「AKB48も結社だ!」というキャッチコピーに負けた。「結社」というと、なにか秘密めいた感じがするが、その秘密めいたことに惹かれることもあったが、やはり、「えっ、AKB48が結社?」と気になったのが正直なところ。

    著者は宗教学者の島田裕巳さんだが、島田さんの宗教学研究の原点は、「通過儀礼(イニシエーション)」にあるらしい。その視点から、2012年に話題になった、前田敦子のAKB48卒業宣言について、「なぜ、女性アイドルは卒業しなくければならないのか? その宗教学的考察」という論考を、言論プラットフォームである「アゴラ」に投稿したという。思いのほか反響が大きかったようだ。自分がこの本を読みたいと思った点も、そこにあるから良く分かる。

    この本では、前田敦子の卒業についての詳細な考察は語られていない。気になる方は、「アゴラ」に投稿している島田さんの論考を読まれたい。
    http://agora-web.jp/archives/1443126.html

    結社について、島田さんは、福田アジオ編『結衆・結社の日本史』にある、「地縁、血縁、心縁」を用いて論じている。人間同士が社会的に結びつく契機として、「地縁・血縁・心縁」があるが、結社は心縁で結びつくものだと捉える。

    だが、別に結社といってもフリーメイソンのような秘密めいたものばかりではない。職人・商人・芸農民が作る座、一揆、信徒が集まって活動する場としての道場、信心に基づく講、若者組や未婚の娘が集まる娘仲間、私塾、寺子屋、家元制度・・・・。サロンやサークルも含まれるし、時代を下れば全共闘やNPO・NGOだって結社である。

    明治以降にできた新宗教は、講を基盤として生み出されていった。天理教、金光教、霊友会、立正佼成会、創価学会。大本もそうだ。田中智学が組織した国柱会は当時の社会において大きな影響力を持った。

    島田さんは結社を否定的には捉えない。むしろ、自分の思想や考え方を共有し、自己実現のための場を与えてくれるものだという。そして、結社は組織を作ることではなく、仲間を作ることだという。一人ではできないことを、仲間と共有することで、大きな力が生まれ、エンジンの推進力となる。それが、これまで知らなかった新しい世界に導く可能性につながるという。

    分かってはいるけど、なかなか結社を作るのは難しい。それは、自分自身が何をやりたいのかわからないからなのかもしれない。だけど、「何か違うな」「何か引っかかるな」ということを共有できる仲間をつくることが大切なのだと思う。それは、自分の世界だけに閉じこもることなく、それを言語化し、共有できるものを提供することから始まる。

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著者プロフィール

1953年、東京生まれ。宗教学者、作家、東京女子大学非常勤講師。76年、東京大学文学部宗教学科卒業。84年、同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。専攻は宗教学。日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員などを歴任。日本宗教から出発し、世界の宗教を統合的に理解する方法の確立をめざす。主な著書に『葬式は、要らない』『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』『もう親を捨てるしかない』(以上、幻冬舎新書)、『戦後日本の宗教史』(筑摩選書)、『ブッダは実在しない』(角川新書)など。

「2017年 『日本の新宗教』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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