過去を忘れない―語り継ぐ経験の社会学

制作 : 桜井 厚  藤井 泰  山田 富秋 
  • せりか書房
4.40
  • (2)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 15
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796702867

作品紹介・あらすじ

本書は、日系米国人の強制収容所経験から始まり、原爆の被爆体験、ハンセン病回復者の経験、アイヌの被差別経験、部落差別の経験、不登校やユニークフェイスのセルフヘルプグループでの経験、そして薬害HIV事件の経験と多岐にわたっている。これらの経験を通底するものは、支配的物語に回収されない、多様なライフストーリー・ナラティブなのである。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 過去は、隠された現在。
    過去の痕跡に、「自分の現在」が映ることがある。
    それは同時に、自分の“未来”が、開いていくことでもある。

    過去の出来事や、それを体験した人の身体は、隠蔽出されていた「わたし」であり、「他者」なのだと思う。

    以下引用

    継承するというのは、とにかく自分の体験と重ね合わせるという、重ね合わせながら、その話を、被害者の話をきっかけにしながら、その人の痛みであったりしたものを、イメージしながら、そういうものを、その人の体験を追体験するという。そういう営み。

    原爆の記憶を継承するというのはいかなる営みか、現時点で明確な結論を提示することはできない

    戦後に生まれた多くの人々にとって、社会的出来事としての戦争は、ドラマや映画などのメディアを通しての理解がほとんどである。このことはまた、戦争という社会的出来事が多くの人々にとって(歴史)になっていると言えないだろう。しかし、現在も、「語り得ない」経験として生活を送る当事者がいる。

    いくらかしか戦争の知識のなかったわたしにとって、それは驚きの瞬間だった。やや乱暴に言えば、戦時下に生きることの一端に触れたように感じた

全1件中 1 - 1件を表示
ツイートする