DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト(ケース付) (SHO-PRO BOOKS)

  • 小学館集英社プロダクション (2009年9月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796870610

作品紹介・あらすじ

単なる勧善懲悪ものにとどまらないそのハイレベルな内容により、大人が読んでも遜色ない作品として本国アメリカで大ヒットを記録。今では、現代アメコミの原点のひとつに位置づけられています。その影響はアメコミ分野だけにとどまらず、映画「バットマン」(ティム・バートン監督)は本作にインスピレーションを得て製作されたといわれています。本書は、「ダークナイト・リターンズ」に加え、続編の「ダークナイト・ストライクス・アゲイン」も収録。520ページの大ボリュームは読み応え満点です! また「ダークナイト・リターンズ」は、全編新訳による完全リニューアル版。70ページにわたる豪華資料(フランク・ミラーによるオリジナル・プロット、スケッチ、ネーム下描き、アートギャラリーなど)、充実の日本語オリジナル解説も収録し、まさに完全版といえる内容となっています。

感想・レビュー・書評

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  • アメコミ界の古典中の古典と言われる『ダークナイト・リターンズ』は、マンネリ化していたバットマンに「ダークナイト」という位置づけを与え、そして再生させた記念碑的作品と言われている。

    で、機会があったので読んでみた。これは確かに傑作中の傑作。衰えたバットマンが無秩序状態のゴッサム・シティに業を煮やして大復活、すると彼の宿敵だったジョーカーも復活。アメリカとソ連は核戦争が勃発し、スーパーマンは暴走的に自警を続けるバットマンとの戦いに駆り出され……と、とにかく圧倒的スケールで物語が進んでいく。

    人間の本性は変わらないよね、という作者のテーマ設定が面白く、トゥーフェイスやジョーカーを「治療した」と嘯く精神科医の愚かしさから、己の道を貫くためならスーパーマンとでも殴り合うバットマンのぶれなさなど、キャラクターの逞しさ(強さ)が読んでいてとても気持ちいい。ジョーカーのジョーカーらしさも。あのテレビ番組で皆殺しを宣言するところとか最高だった。

    フランク・ミラーのアメコミの特徴なのか、小さなコマが並ぶ構成は、日本の漫画を読みなれていたら辛いかもしれないけれども、バットマンが復活するあたりでもう気にならなくなる。そして、ちゃんと見せ場は大ゴマを使ってくれる大サービス。馬に乗って、文字通りの「ダークナイト」になったバットマンの姿とか、素晴らしいアートワークだと思う。

    読んでて思ったのは、1986年というレーガン政権下の不況やチェルノブイリ原発事故などが、いろいろ反映されたものになっているなぁと思った。これをもう一歩進めると『ウォッチメン』になるのかな。個人的には、あの閉塞感に満ちた時代よりも、さまざまな価値観がせめぎあい、道を見失ってしまった現在のほうが、この物語を読む価値を押し上げていると思う。

    あと、ロビンが女の子になってて可愛い(ビジュアルは性別不明的だけれど)

  • ウォッチメンに続いて読みましたがこちらも素晴らしい。

    どちらの作品も、個人では対処しきれない力学の存在が根底にあるように思います。社会にしろ国家にしろ、いかにヒーローといえども個人の力で世の中を変えられるようなのんきな状況ではなくなってしまった。その中でいまだにヒーローを続けるということは滑稽なことで、風車に挑むドン・キホーテみたいな存在でしかない。

    それでも戦い続けずにはいられないヒーローの姿からは考えさせられます。

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1405107

  • バットマン世界に多大な影響を与えたダークナイトリターンズと、続編ダークナイトストライクアゲインがセットになった一冊。
    ストライクアゲインはあまり趣味に合わなかったですが、リターンズがやはりとても良い。
    最強の敵との戦いがとにかく熱いです。

  • ダークナイトの映画版が大好きなのでいつか読みたいと思っていました。

    老いたバットマンことブルース・ウェインの物語。
    ダークナイト・ライジングではクリスチャン・ベイルがあまりに若々しくて伝わり辛かったけど、老いたヒーローを描いた映画だったのだと改めて気づかされました。

    日本のマンガと違って独特のテンポがあるのがアメコミというのは理解していましたが、今まで読んだことある物と比較しても行間に色々な情報があったり、物語を理解するためにはそれなりのリテラシーが必要な作品でした。
    特にこの作品が発表された頃の時代背景を調べて読み直すとその膨大な情報量に圧倒される気がします。

    ただ、個人的にミミズが這ったようなタッチは苦手ですね~。
    話が進めば進むほどサイケ感というか、手抜きなのかアートなのかどう受け止めて良いのか迷うキャラクターが多くて、う~む。
    最近の力があるタッチのアメコミが好きなのでそこは最後まで慣れなかったです。

    映画ダークナイトだけでなく、バットマンvsスーパーマンにも繋がるこの作品。
    読んでみて良かったです。
    一気に読むと頭がくらくらするので、また折に触れて読み返したいと思います。

  • スーパーバッツ

  • バットマンのアメコミはこれが初めてだが、この一冊だけでも十分楽しめる。後半のエピソードはちょっと合わなかったが、前半の老いたバットマンはかっこよかった。

  • アメコミ初心者ですが、傑作といわれているので読みました。メモ。
    確かに凄いボリュームです。読むのに精神をすり減らしました。
    疲れた・・・ですが読み返したくなる作品です。

    ・前半ダークナイト・リターンズは文句なく面白かったですが、
     後半ダークナイト・ストライクス・アゲインはやりすぎだなぁと感じました。

    ・それとごめんなさい、マンガという視点で見ているので
     やっぱり絵があまり好きになれませんでした。特に後半。
     こういう絵柄が流行だったのでしょうか?

  • いちいち「馬鹿な…もう息が切れた」とか言い出したり、暴れた翌日筋肉痛になったり、思いのほか体が動かなくてちょいちょいやられそうになりながらも、強迫観念だけで突き進む老バットマンが格好良かった。

  • バットマン引退から10年。
    しかし、ゴッサムシティから犯罪が無くなったわけではなく。

    カーレースや酒で焦燥感を誤魔化す老いたブルース・ウェイン。
    しかし、胸の中にはまだ戦士の魂は燃え続けており。

    そして、闇の騎士は帰還した。
    犯罪者に、犯罪と戦うことを禁じた政府に、そしてアメリカの「象徴」に
    その荒ぶる魂をぶつけるために。

    老バットマンの戦いを描く名作「ダークナイト・リターンズ」、
    そしてそのアナーキーな続編「ダークナイト・ストライクス・アゲイン」を
    1冊に纏めた合本。
    バットマンの終末を描くことで現在のバットマン像を作り上げた
    「ダークナイト・リターンズ」だけでも読んで欲しい1冊。

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著者プロフィール

●フランク・ミラー[作]……『ダークナイト・リターンズ』によって、それまでのコミックスの概念を覆し、アメコミ3大ライターの1人に数えられる巨匠。

「2020年 『スーパーマン:イヤーワン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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