氷河期 ―ルーヴル美術館BDプロジェクト― (ShoPro Books)

制作 : 小池寿子  大西愛子 
  • 小学館集英社プロダクション (2010年11月9日発売)
4.12
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本棚登録 : 144
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・マンガ (87ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796870801

作品紹介・あらすじ

氷河に覆われた未来のパリ、時を超えて眠る美術品たちの館がそこにあった…。地表が氷河に覆われた未来のパリで、豪雪地帯を進む考古学調査隊は、雪に埋もれた巨大な建造物を発見する。膨大な美術品が納められたその建物を探索しながら、調査隊は「失われた文明」を読み解こうと、奇妙な解釈を展開するが、一方、調査隊とはぐれた探査犬ハルクに、美術品たちは口ぐちに自らの過去を語りはじめ…?ルーヴル美術館が、より幅広く世間にルーヴルの魅力を伝えるために企画した、驚きのコラボコミックプロジェクト!美術史家・小池寿子氏による詳しい美術解説も収録。想像力を刺激する、かつてないルーヴル美術館への案内書。

感想・レビュー・書評

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  • BD
    まんが

  • "「時代の壁を越えられるように精神統一をしてください、わたしが種の壁を越えたように。
    そうすればあなた方のそれぞれが持っている知恵で、全員で動ける方法が見つかりますよ
    あなた方は生まれた時代の違いを乗り越えて、ずっと一緒に暮らしていたわけですよね。
    一体になるのです。自分の枠から開放されて 新しい一つの作品に」"[p.73]

  • <閲覧スタッフより>
    考古学調査隊と探査犬ハルクが発見したのは、未来のパリ、氷河に覆われた巨大な建造物-ルーヴル美術館―だった。“失われた文明”として解釈される名画の数々。そのユニークな発想と淡い幻想的な描写がなんとも魅力的な作品です。

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    所在記号:726.1||クレ
    資料番号:10202196
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  • こんなもの読んでいる場合じゃない、というとき(実は今がそうです)に限って読んでしまうかもしれない本。寝転んで読むには物理的に重いし、ちゃんと読むとけっこう時間がかかる。ラストの解釈(というほどおおげさじゃないかもしれない)のために数回は読み返すことになるだろうし。ましてや後注にでてくる絵画、彫刻などの説明を他の画集など(昨今はぜんぶネットかなあ)で確認しようとするとえらい時間がかかる。でもその時間のかけがいはある作品だと思う。

    お話は、現代社会のあとに(何回かの)氷河期がきて、それを生き延びている人間の探検隊が凍りついたルーヴルを発見して諸作品を解釈する、というもの。探検隊の「犬ぞり」の「犬」が良。遺伝子操作でよって豚を混ぜられ言語能力が上がっている「犬豚」。彼ら/彼女らの自己認識と世界理解に比べれば、登場する人間なんて……という話。これもストーリー自体はそれほど新奇なものではないが、あまりにこの犬豚が魅力的なので読みとおせます。ラストはあえて秘す。犬豚、がんばれ。

  • 地球が氷河で覆われてしまった近未来のパリ、まだ保存し得る文明のかけらを捜して歩く人類の生き残り(➕自意識が生まれたイヌたち)の物語。

    彼らが偶然見つけた文明の残骸が氷河に埋もれたルーヴル美術館なのだが、近未来の人びとは(それらが描かれた時代の)過去の人間の叡智や記憶を辿るすべを何も持たないため、かつては価値のあった美術品がいくら出てこようとも、そこにもう当時の価値は役に立たない。
    特にルーヴルで人気もあり価値が高いとされる宗教画を並べて、宗教上いろいろな暗示が込められた裸婦像をとりあげ淫らな人間の業だと分析するくだりは、素直に笑ってしまう。
    私たちは絵を観る時、どれだけその表面上の価値に左右されているか。情報がその目を曇らせてしまうことを痛烈に皮肉っていて、面白い。

    人間が自然に畏怖を抱き、そこから生まれる衝動で作られた芸術の尊さが価値のあるものだと、素直に感じられるラストシーンが良かった。

  • Le LOUVRE invite la Bande Dessine.

    ルーヴルの作品を、全く別の文化の者が見たらどう見えるか?
    という設定で多くの作品が描かれるBD(フランスの漫画)。
    通路の順序に従って大人しく作品を眺めるだけがルーヴルの見方じゃない。
    探検隊と一緒に、ルーヴルを探検していくことができる。
    それは、とてもわくわくする、新しい眺め方だ。

    扱われているのはあまり有名でない作品たち。
    だからこそ、ルーヴルの再発見になる。
    ルーヴルにはもっと面白い作品があるんだと、このBDは訴えかけてくる。

    ルーヴル美術館BDプロジェクト第一段。
    ニコラ・ド・クレシーによる作品。
    名高きルーヴルが、BDという文化と手を組んで、こんないい本が出来上がるなんて。
    わくわくの連続。
    またルーヴルに行きたくなる。
    もっとルーヴルを知りたくなる。
    美術や漫画の可能性はもっと広い。

  • 日本からも「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦先生が「岸部露伴ルーヴルへ行く」で参加した、「ルーヴル美術館BDプロジェクト」。
    それは「ルーヴル美術館」がより幅広く世間に「ルーヴル」の魅力を伝える為に企画した「マンガ」によるコラボです。
    ルーヴルの地元、仏の作家ニコラ・ド・クレシーの作品『氷河期』。
    今回も不思議な悪夢のような話です。
    「天空のビバンドム」に引き続き丸っこい動物が活躍します。
    (表紙のポツネンといるイヌが今作のヒーロー「ハルク」です。)

    地表が氷河で覆われたパリ。考古学者たちがその地表を調査している。
    彼らは雪に埋もれた巨大な建造物を発見する。その膨大な美術品が収めされた内部を探検しながら、過去の人類の「失われた文明」を読み解こうとする。
    吹雪により隊からはぐれた調査犬のハルクに、美術品たちは口々に自分の過去を語り始める。
    作者のクレシーさんは思ったそうです。
    その膨大な美術品をそれについて無知な数千年後の人類が見たら、どう思うだろう?
    人類の歴史も分からない、美術館という概念もない人々が、年代もさまざまな美術品が一同に会したところにくるとどう解釈するだろうか?
    私も、日本でも遺跡や寺社仏閣に落書きが!的なニュースがありますが、
    これを数千年後の学者が見たらどう解釈するだろうと時々考えてました。
    もうギャグにしかならんような事となるのでしょう。
    と、言うわけで楽しい本でございました。

  • ルーヴルを巡る勘違いの旅。
    とにかく1コマ1コマが綺麗。ストーリー凝ってて、心情がもってかれる。
    第9の芸術バンド・デシネ。恐るべし。

  • BDというものを初めてちゃんと読んだのだが、初めて読んだのがこれで良かった。すごい。コマ一つ一つの謎めいた表現のなかに隠された複雑な作者の心情が全てなだれ込んでくる。しかしそれでいて全部が全部理解出来ていなかったりもする。はがゆい。でも、興奮している。すばらしい。ユーロ漫画とかかくなるものであったか。なんとも恐れ多いめいさくだ!

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