キック・アス (ShoPro Books)

  • 小学館集英社プロダクション
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796870818

作品紹介・あらすじ

平凡なオタク青年のデイヴは、ある日ヒーローになることを決意した。ネット通販で揃えた自前コスチュームでさっそく街へ出るデイヴだったが、なんの特殊能力もない彼は、逆に街のチンピラにボコボコにされてしまう。が、その捨て身の行動がYouTubeにアップされ、ヒーロー"キックアス"として一躍時の人に!やがて彼は、高度な訓練を受けた殺し屋少女"ヒットガール"と出会い…?倫理コードギリギリの超問題作、ついに日本語版で登場。

感想・レビュー・書評

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  • どこにでもいるようなコミックオタクの高校生デイヴ・リズースキーは、退屈な日常を打破するために、覆面ヒーローとして世の中の悪と闘うことを決意する。
    ネット通販で衣装をそろえ、入念なイメージトレーニングを行い、ついに街の不良に立ち向かったデイヴだったが、ケンカの経験もないド素人の彼は返り討ちにあい、入院するはめに。
    それでも懲りずにヒーローとして街に出るデイヴは、屈強な男たちと格闘している姿を偶然ケイタイ動画で撮られてしまう。
    その動画がYouTubeにアップされ、デイヴは一躍人気者に。デイヴは自らを“キックアス”と名乗ることにし、“レッドミスト”と名乗るヒーロー仲間とも出会えた。さらにデイヴは私生活でも自信を持つようになった。
    クラス一の美人ケイティ・ドーマとも自然な会話を交わし、親密となるが……実際のところは彼女からは“ゲイ友”扱いに。
    結局、デイヴはこのコスチュームがなければ生きていけないと自覚し、活動を再開する。
    ある日、デイヴは仕事を募集するために開設したMySpaceからの依頼でとある現場に向かった。
    だが、複数の不良たちに囲まれ、またもやピンチに。
    しかし、そこで自分と同じようにコスチュームを来て武器を振り回す、殺し屋少女“ヒットガール”(ミンディ・マクレイディ)に救われ、“ヒットガール”と“ビックダディ”に出会う。
    この出会いがきっかけで、キックアスは危険なギャングとの戦いに巻き込まれることとなった。
    「アルティメッツ」でブレイクしたマーク・ミラーが、自分のスーパーヒーローに対する愛情や思い入れや自伝的な要素(フランクミラーのバットマン・イヤーワンを読んで空手を習ったり、コスプレして仲間と街をパトロールしたり、片思いしている女の子に近づきたくてゲイのふりをしたなど)を盛り込んで、スーパーヒーローであることがいかに犠牲を払う血まみれの修羅道であるかを、リアリティのあるほろ苦い青春物語と、スパイダーマンやバットマンなどのスーパーヒーローコミックのパロディや風刺と、ブラックユーモアと過激なバイオレンスを組み合わせて、ブラックユーモアたっぷりにスーパーヒーローへの愛情や思い入れをシニカルに熱情的に描ききった、素人ヒーローコミックの傑作です。
    キックアスとケイティの関係やビッグダディの正体など、映画との違いを読み比べながら、楽しんでください。

  • 映画を見てから、コミックを見た。映画とはまた違った物語になっていたので、少々驚いた。どちらが好みかといわれれば、映画の方がすきだ。

  • アメリカの漫画は日本のような長期連載はないようだから、展開がスピーディーでリズム感を感じる。主人公がキックアスの衣装を着るところはとてもよかった。
    自称スーパーヒーローたちの頭のネジの緩みっぷりが、とてもパンク。どいつもこいつも頭おかしくて、これは映画版とあまり変わらないけどビッグダディは漫画版のほうが大分惨め。
    それにしても、アメリカはスーパーヒーローもの以外に漫画がないのか。

  • これはもう名作なんじゃないか.2も読みたくなる.まあ強いて言えばヒット・ガールがもう少し可愛くてもいいかも.

  • 映画の中の女の子とくっつくとかロケットパックとか主人公に都合のいい事(つまり観客の快楽原則に沿った所)は映画で勝手に変えた所だ。原作はあくまで惨めにもがき続けるのだ。

  • 面白くて一気に読み終わった。映画もオススメ。

  • ラストの映画とのギャップが凄い。非常に暴力的な描写が多く、それを描く気合いの入ったJRJRのアートがとにかく素晴らしい。

  • アメリカン覆面ヒーローが抱える矛盾を描き出している作品。
    映画未見なのですごく斬新で楽しんで読めた。
    コミックにあこがれるオタク少年はある日、自分がヒーローになるという思いつきを決行する。結果はぼこぼこにされて惨敗。
    彼は何度もヒーローをやめようとするが、実際にヒーロー活動をするビッグダディとヒットガールにめぐり合い、徐々にヒーロー活動の深みへはまっていく。


    正義を執行するためであればヒーローによる制裁という名の私刑は許されるのか。
    ヒーローの行いはいつも正義であるといえるのか。
    ヒーローがヒーローであるために犠牲にする日常や家族のあり方を見て果たしてヒーロー活動が正義であるといえるのか。
    作中にさまざまな問題提起がされている。

    ビッグダディとヒットガールがヒーロー活動と称して、マフィアを惨殺する姿は、単なるヒーローにあこがれるオタク少年だった主人公にヒーローとしてのあり方を考えさせる。
    同時に読者にもヒーローとは何か?を提示してくる構図になっていておもしろい。

  • ヒットガールの背景というか、彼女の父親の造形がずいぶんと映画と違うことにびっくり。映画は工夫したんだなぁと思うし、コミックの殺伐とした雰囲気にはたしかにこっちのほうがいいなぁとも。絵は美麗なうえに達者で、動きの描写、構図の取り方なども、いままで読んだアメコミのなかではかなりわかりやすいと感じる。暴力描写が人を選ぶとは思うが、ひとりのヒーローかぶれのナードの成長物語として傑作。

  • 「冴えないオタク」キャラだけど、イケメンだしコミカルで愛嬌もあった映画版のデイブとは違って、原作では本当に不細工で鬱屈した感じ。
    大筋は映画と一緒だけど、細かい所ではデイブの性格からして結構違う。
    全体的に派手で華やかな映画版と、泥臭くて、身につまされるような痛々しさがある原作版もどちらも好き。ただこっちはヒットガールが全然可愛くない。

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