スーパーマン:レッド・サン (ShoPro Books)

  • 小学館集英社プロダクション
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本棚登録 : 88
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796871273

作品紹介・あらすじ

彼は別世界から来た驚異の男。河の流れを作り変え、素手で鋼鉄を曲げる英雄。平凡な労働者の代表として、スターリン、社会主義、そしてワルシャワ条約の拡大のために、終わりなき戦いを続けていた。時は冷戦時代。敵対国アメリカに立ち向かうのは、ソ連のスーパーヒーロー、スーパーマンだった…。エルスワールドを描いた本書では、『キック・アス』のマーク・ミラーの手によって、誰もが知っている"スーパーマン"の話が大胆に改変された。そう、地球に墜落した宇宙船はアメリカではなく、ソ連の集団農場に墜落したのだ。スーパーマンのコミック・シリーズのなかでも異色作かつ傑作として評される『スーパーマン:レッド・サン』。脚本の完成度が高く、あらゆるコミック・ファンに推薦できる一冊である。また巻末にはアートを担当としたデイブ・ジョンソンとキリアン・プランケットのラフスケッチも収録。

感想・レビュー・書評

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  •  まずスーパーマンの胸のSが共産主義の「鎌と槌」マークになっている表紙絵が見事で(元々フィクションであるスーパーマンでありながら)<ソ連側のヒーローとなった架空の歴史のスーパーマン>といった趣向が一目でわかり惹きつけられる。全体として驚かされたのはスーパーマン的な行動原理が共産主義と親和性が高いことである。そして序文にもあるようにスーパーマンの国を入れ替える表面的な面白さだけに止まらず社会変革の様子まで描かれ、正義の人であるスーパーマンの持つ両義性が東西両陣営でも変わらず、結果的に人間社会の根底に潜む問題がクローズアップされていく。ストーリーの完成度も高く、ラストにも膝を打った。DCコミックスのスターキャラクターも随所にからんでいるのも楽しい傑作である。

  • もしもスーパーマンがソ連の集団農場へ落ちていたらというお話。
    正義について考えられる作品。
    おなじみのヒーローも出てくるのだけれど、その違いも面白い。

  • 超面白かったです。有名なDCのメンバーちょっと知ってるくらいの知識でバッリバリ楽しめます。

  • 人生何度繰り返しができようとやり直しはきかない。

  • スーパーマンがアメリカではなく、ソ連に墜落して……というifが描かれた漫画。地球に何時間かだけ違ってスーパーマンが落ちただけで、こんなに世界が違うのか……という怒涛の展開が読者に待ち受ける。

    一読して思ったのは、この本は『ウォッチメン』の影響が色濃いな〜ということだった。スーパーマンはDr.マンハッタンで、レックス・ルーサーはオジマンディアス。でも、それぞれのキャラクターはイコールではないので、展開も異なっているし、世界情勢も違う。

    スーパーマンが共産主義国に生まれたら、想像する限り最高な世界になるのだけれど、果たしてそれが幸福に繋がるのかというと、なかなか難しい問題だよね〜と思う。あと、スーパーマンは映画しか知らないので、レックス・ルーサーが無茶苦茶カッコイイのは違和感があった。あと、バットマンのコスチュームは、後書きで作者も書いているけれども、ないわーと思った。

    オチも良かった。ループ構造なんだねぇ。

  • キワモノ設定だが「ありえたスーパーマンの生涯」の完成度、泣かせのツボ、意外な配役、驚きのラスト全てが抜群。各表紙のデザインも秀逸。

  • 正直なところいろいろ考えさせられて面白い物語でした。
    でも同時に皮肉と毒に満ちている物語だとも思いました。

    ソ連版スーパーマンというふれこみでワクワクしながら読んだけれど、内容は非常にアメリカらしさを意識するものでした。ソ連人もといロシア人がこれを描いたらきっとこんな物語ではないと思います。
    全体主義と自由主義の対比、人々の生活を幸せにしようとして過干渉することが自由の阻害になるとか・・・そんなテーマが見え隠れ。
    しかしラストは自由主義を標榜した世界に対しての皮肉に満ちています。

    確かに面白いのだけれど、非常に「記号」的な物語で、アメコミではこういうのは普通なのかなぁと思いつつも釈然としない部分もあります。
    「パターナリズム」は我々が「個人」として「独立」して生きていくためにはよろしくないものだと突きつけられているようで、
    最終的に部外者は出て行け、ヒーローいらん!と言われたら・・・寂しさを禁じ得ないというか。スーパーマンはなんだかいつも不憫です。

    初心者としてはスーパーマンの邦訳があまりないので、スーパーマン関連の邦訳は2冊目だったのだけれど、変化球すぎたかな。でも良かった。

  • 彼は別世界から来た驚異の男。河の流れを作り変え、素手で鋼鉄を曲げる英雄。平凡な労働者の代表として、スターリン、社会主義、そしてワルシャワ条約の拡大のために、終わりなき戦いを続けるのである……。 クリプトン星の宇宙船が地球に墜落し、そこに乗せられていた赤ん坊が、やがて地球最強の人物となる……誰もが知っている話だが、パラレルワールドを描いた本書では、誰もが知っている“スーパーマン"の話が大胆に改変された。地球に墜落した宇宙船はアメリカではなく、ソ連の集団農場に墜落したのだった……。
    「キックアス」「アルティメッツ」「ウォンテッド」など、スーパーヒーローの設定を逆手に取った奇想天外なストーリーを作り出したマークミラーが挑戦したのは、スーパーマンのエルスワールド物。
    アメリカのカンザスシティに墜落せず、ロシアの集団農場に墜落し、社会主義の理想を実現するため、ブレイニアックを使った監視システムを作り上げ、反政府ゲリラのバットマンたちに革新的な神経外科手術を施して生産的な労働者に改造する、ソ連邦をブレイニアックの標本瓶に入れ完璧な監視社会を作り上げるなどの過度な政策を実行する。
    スーパーマンを打倒しアメリカが再び世界の覇権を手に入れるためにレックスルーサーは、グリーンランタン軍団やピザロを使ってスーパーマンに戦いを挑む。
    スーパーマンの設定を生かして、資本主義対共産主義、現在のアメリカの対外政策に対する皮肉の効いた社会風刺を表現した奇想天外な作品に仕上がっています。

  • もしスーパーマンの乗った宇宙船がアメリカ:カンザスではなくロシアに落ちたら?というお話。スーパーマン自体はいつもの彼ではあるのだけど、価値観やなんかが共産主義的。すごくまともにルーサーが活躍しており、そちらの方でも面白いお話でした。

  • 落ちが素晴らしかった。

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