ブリッジブック社会学〔第2版〕 (ブリッジブックシリーズ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797223521

作品紹介・あらすじ

[社会学者の数だけ社会学がある」のではなく、社会学理論の発想はマルクス+ヴェーバー・デュルケム・ジンメルの1+3人に尽きているのだ。社会学者を学説史的に位置づけ、現代までの理論展開を、歴史的背景を含めて学べる入門書。社会学初心者が、研究者や学説の学習地図をつくるために最適。[社会学っておもしろいんだけどよくわからない」から、[社会学とはこういうものだ」に変化するための必携テキスト。第7章を新たに追加した第2版。

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  • 【書誌情報】
    『ブリッジブック社会学(第2版)』
    編著者:玉野 和志[たまの・かずし](1960-)
    著者:小宮 友根[こみや・ともね](1977-) 
    著者:鈴木 弘輝[すずき・ひろき](1970-)   
    著者:堀内 進之介[ほりうち・しんのすけ](1977-) 
    著者:山根 清宏[やまね・きよひろ](1971-) 
    著者:吉田 耕平[よしだ・こうへい](1983-) 
    出版社 信山社
    ジャンル 社会学
    シリーズ ブリッジブックシリーズ
    出版年月日 2016/04/01
    ISBN 9784797223521
    判型・ページ数 4-6変・266ページ
    定価 本体2,400円+税

     [社会学者の数だけ社会学がある」のではなく、社会学理論の発想はマルクス+ヴェーバー・デュルケム・ジンメルの1+3人に尽きているのだ。社会学者を学説史的に位置づけ、現代までの理論展開を、歴史的背景を含めて学べる入門書。社会学初心者が、研究者や学説の学習地図をつくるために最適。[社会学っておもしろいんだけどよくわからない」から、[社会学とはこういうものだ」に変化するための必携テキスト。第7章を新たに追加した第2版。
    https://www.shinzansha.co.jp/book/b222157.html

    【目次】
    ◆ 第1章 社会学とはこういうものだ――はじめに
      社会学はおもしろい,けどよくわからない
      「社会学者の数だけ社会学がある」というウソ
      マルクスと政治経済学という壁
      社会学の基本的な原理
      ヴェーバー,デュルケム,ジンメルに尽きる社会学の発想
      社会学の目的はただひとつ
      最近における社会学の困難
      それでも私たちは1人では生きていけない
      本書の成り立ち

    ◆ 第2章 近代の成立と社会学の誕生――マルクスによる資本主義社会の解明
    1 社会学はいかなる状況から生まれたか
      社会学誕生の歴史的背景
      前提としての近代社会と経済学の成立
      マルクスの挑戦
    2 マルクスが明らかにした近代社会の原理
      資本主義社会としての近代
      資本主義の至上命令
    3 マルクスにおける経済学と社会学
      経済学批判の根拠としてのマルクスの社会学
      革命による社会主義社会へと一挙に飛躍したマルクス
      もうひとつのマルクスを継承していった社会学の発展
    コラム① マルクス,マルクス主義,社会学

    ◆ 第3章 意味に依拠し,法制度に対置される社会――ヴェーバーの社会学
    1 マルクスとヴェーバー
      マルクスを認め,マルクスを越えようとしたヴェーバー
      ヴェーバーにおける経済と社会,そして政治と行政
      ヴェーバーにおける社会学――政策科学の原点
    2 資本制と官僚制――近代の宿命
      ストイックで,ペシミスティックなヴェーバー
      資本主義の至上命令と官僚制の鉄則
    3 ヴェーバーの理解社会学
      社会的行為の特質
      主観的な意味づけへの着目
      カリスマ,宗教,政治の位置づけ
    4 ヴェーバーとビスマルク,そしてニーチェとヒトラー
      ビスマルクの遺産との対決
      行動する議会
      ヴェーバー亡き後のドイツの悲劇
    コラム② 日本における資本主義の精神

    ◆ 第4章 社会的な共同性は実在する――デュルケムの社会学
    1 デュルケム社会学の位置
      意外にマルクスと似ているデュルケム
      社会の実在を信じたデュルケムの客観主義と集合主義
    2 デュルケム社会学の原点――『宗教生活の原初形態』
      人類学者としてのデュルケム/「未開社会」の法と集合表象への着目
    3 デュルケム社会学の展開――『自殺論』と『社会学的方法の規準』
      近代化とアノミー
      デュルケムの方法論――計量分析とモノグラフの原点
    4 デュルケム社会学の展望
      新しい社会のあり方――有機的連帯
      教育と職業集団への期待
    コラム③ 日本におけるデュルケム評価の変遷

    ◆ 第5章 人びとの相互作用から見えてくる社会――ジンメルの社会学
    1 異彩を放つジンメル
      哲学者としてのジンメル
      心的相互作用への着目
      ジンメルの形式社会学
    2 社会は構造ではなく過程だ
      人びとの相互作用によって再生産される構造
      社会の実在ではなく,形式を問題にしたジンメル
    3 形式とは何か
      内容と形式
      ドイツ形式社会学としての展開
      記号としての形式
      ミードへの展開
    コラム④ ジンメル社会学の展開

    ◆ 第6章 シカゴとコロンビアの結婚――実証主義の社会学
    1 アメリカにおける社会学の展開
      シカゴ学派からコロンビアへ
      アメリカン・サイエンスとしての展開
    2 シカゴ学派の社会学
      タマス,パーク,バージェス
      シカゴ・モノグラフの蓄積
    3 ラザースフェルドとコロンビア大学の社会学
      ラジオ聴取者,大統領選挙,アメリカ兵
      マートンとサーベイ調査
      科学としての社会学と社会調査の確立
    コラム⑤ 質的調査と量的調査

    ◆ 第7章 モダンの集大成――パーソンズの社会学
    1 パーソンズの位置――モダンからポストモダンへ
      異色の社会学者
      相互行為への注目
      個人と社会の総合
      最後のモダニスト
    2 行為とは何か――主意主義的理論と規範的秩序
      万人の万人に対する闘争
      ホッブズ的秩序問題
      行為理論による解決
    3 社会とは何か――システム理論と均衡過程
      共通価値の限界と相互不信
      二重の条件依存性
      社会システム理論
    4 共同体とは何か――AGIL 図式とシンボリック・メディア
      役割構造の限界
      社会システムの機能分化
      シンボリック・メディア
    5 パーソンズへの批判と可能性――行為とシステムの統合
      パーソンズの解体と忘却
      パーソンズの再評価と再統合
    コラム⑥ 行為理論と社会理論

    ◆ 第8章 「社会構造」はどこにあるのか――現象学的社会学の挑戦
    1 パーソンズの「社会構造」
      「パーソンズ以後」の現在
      「モノ」とは違う「社会」
      「モノ」のようでもある「社会」
      「万人の万人に対する闘争」
      「共通の価値体系」にもとづく秩序
      あらゆる「社会構造」を扱える一般理論の完成
    2 パーソンズへの批判
      シュッツの現象学的社会学
      シュッツからパーソンズへの手紙
      研究者から見た「行為者の主観的観点」
      機械のような人間
      なぜ「主観的観点」が問題になるのか
      行為の動機を反省的に明らかにする必要性
      「すれ違い」のインパクト
      「社会構造」と現実との関係
      「難解さ」への疑問――ラディカル社会学
      無駄な難解さ
      何のための抽象化なのか
      シンボルを介した解釈――象徴的相互行為論
      「要約」だけでは意味がない
      「社会構造」の一般理論の衰退
    3 「批判」の先に何があるのか
      残された問題
      ふたたび「社会」のほうへ
    コラム⑦ 現象学と社会学

    ◆ 第9章 日常的な世界の成り立ちをとらえる視座――意味学派の可能性
    1 さまざまな「意味」学派(125)
      相互行為という社会秩序
      共在の技法
      儀礼としての相互行為――デュルケムからゴフマンへ
      エスノメソドロジー ――社会を織りなす技法
      「会話をする」ための方法論――会話分析
      構築主義の挑戦
      社会問題の定義から人びとの活動の研究へ
    2 人びとが具体的に社会を織りなす技法への着目
      いま,ここで,生かされる社会学理論
    3 「社会」に対する態度
      社会を知ることと変えること
    コラム⑧ 意味学派への誤解と批判

    ◆ 第10章 社会システム論のゆらぎ――パーソンズからルーマンへ
    1 デュルケムの社会学と機能主義の人類学
      「機能」概念のルーツ
      「機能主義人類学」の発展
    2 パーソンズの「機能主義社会学」
      パーソンズの研究歴
      機能主義の時代背景
      アメリカン・デモクラシーと「機能主義」
    3 ルーマンによる批判と革新
      ルーマンの「機能主義」
      パーソンズとの相違点
      ルーマンから見たパーソンズ
      ルーマンの「価値多元主義」
    コラム⑨ アメリカの世界支配とパーソンズの社会学

    ◆ 第11章 マルクスを越えて――ハーバーマスの苦悩
    1 ドイツの知識人としてのハーバーマス
      ドイツ的思考伝統の歴史的背景
      官僚の台頭とその結末
      フランクフルト学派第一世代の批判理論への挑戦
      ハーバーマスの改革――第二世代へ
    2 ハーバーマスの諸見解
      “公共圏”という空間の消失――公共性の構造転換
      公共圏の正常なはたらき――福祉国家と正統性の危機
      公共圏への処方せん
      生活世界の植民地化への警告
      コミュニケーションの回路
      「変換器」としての法
    コラム⑩ 秋のドイツ

    ◆ 第12章 集合表象から「ハビトゥス」へ――ブルデューの試み
    1 変化するブルデュー ――代表的なブルデュー理解
      ブルデューの再生産論
      ブルデューの「ハビトゥス」論
    2 デュルケムからブルデューへ
      集合表象から象徴的支配へ
      象徴的支配とハビトゥス
      「資本主義のハビトゥス」
    3 怒れるブルデュー
      グローバリゼーションとブルデューの立場
      ブルデューが「実践」する理由
    コラム⑪ 教育社会学のブルデュー

    ◆ 第13章 人びとの社会的結びつきを取り戻す――コミュニティからネットワークへ
    1 古典的な社会学の対概念
      近代社会の基本認識
      コミュニティの定式化
    2 コミュニティ研究の展開
      シカゴ学派とコミュニティ
      日本のコミュニティ研究
    3 単純な二項対立を超えて
      コミュニティからネットワークへ
      コミュニティの解放か,拡散か
    4 社会関係資本への着目
      コールマンの社会関係資本
      バットナムの社会関係資本
    コラム⑫ 市民・行政の協働と社会関係資本の蓄積

    ◆ 第14章 社会に対する国家の関与――フーコーとギデンズ
    1 〈現在〉への問い
      〈現在〉への問いから出発する2人の理論
    2 フーコーのリアリズム
      考古学から系譜学へ
      権力概念の刷新
      生と権力
    3 ギデンズのアクティヴィズム
      人びとの社会への解釈を再解釈する―― 二重の解釈学
      再構成しつづけていく社会――構造化理論
      再帰的近代と「生きることの政治」
      「第三の道」――国家・経済・市民社会の新たな同盟
    コラム⑬ 社会を越え出る社会学

    ◆ 第15章 社会と国家の距離感――日本における社会学の位置
    1 日本における社会と国家
      市民社会の未成熟?
      日本における社会学の位置――「社会」は危険思想
      戸田貞三の悲哀
      古来ただ国家があるのみで,社会なぞない
      ヨーロッパでは革新でも,日本では復古になってしまうこと
    2 社会の学としての社会学と国家の学
      国家の学としての政治・経済・法学
      社会が崩れたときにどうなるか
      社会的なつながりを嫌う人びと
    3 社会はそこにあるのではなく,つくるものであること
      それでも,人は1人では生きていけない
      だから,自分で決めなければならないこと
      社会学の効用
    コラム⑭ 今は昔となった戦後民主化の時代


    事項索引
    人名索引

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著者プロフィール

東京都立大学人文科学研究科教授。東京都立大学人文学部卒業、東京大学大学院社会学研究科博士課程中退、博士(社会学)。著書ならびに編著として『東京のローカル・コミュニティ』(2005年、東京大学出版会)、『都市社会学を学ぶ人のために』(2020年、世界思想社)など。

「2021年 『世界に学ぶ地域自治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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