大聖堂 (中) (ソフトバンク文庫)

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感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797332575

作品紹介・あらすじ

本院の修道院長となったフィリップに任命され、トムが大聖堂建立に着手する日がやってきた。トムの緻密な計画のもと、大聖堂の普請は着々と進んでいった。が、新しいシャーリング伯となったハムレイは、フィリップに敵対する司教と組み、執拗な嫌がらせを仕掛けてくる。自領に比べてキングズブリッジの繁栄に嫉妬したハムレイは、やがて町に焼き討ちを。

感想・レビュー・書評

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  • 王の覇権争いでの醜い覇権争いもさることながら、教会内での覇権争いも醜くく、聖職者でも人を蹴落としたりお金に汚い。平和になったかと思ったらすぐにそれも打ち壊されたり。
    この小説の日本の題名でもある「大聖堂」を建てるという事を軸に様々な人間模様が絡み合って面白い。

  • ★評価は下巻読了後に。
    しかし長い、、、まぁ大河モノだなぁ。このどっしりした流れに乗れないとなかなか入っていけない。
    面白くない訳ではないんですが、ちょっとしんどい。
    教会の意味とか、森の意味とか色々ヨーロッパ社会の基礎知識があると面白く読めるんだろうなとは思いつつ、そんな教養ございませんし、当方には。

  • 時は移り、ストーリーの軸にも動きが出てきます。以前困難を極める、キングスブリッジと大聖堂建設。中世的な雰囲気も十分に味わっています。それにしても、今の価値観からすると理不尽なことの多いこと多いこと。いよいよ下巻に突入。

  • (六章)
    ウィリアムに襲撃され没落したバーソロミュー家。アリエナと弟のリチャードは王に会うためシャーリングからウィンチェスターへ向かうが、王は別の地にいることを知らされる。次の手段として、父の助言をもらいたく、投獄されている牢屋に会いに行くと そこにいたのは骸骨同然の変わり果てた父だった。そこでリチャードはシャーリング伯になることをアリエナはそれを実現させるため弟を支えることを誓う。父と最後の会見の後、父が金を預けていた修道院を訪れるが、金はほとんど使われていた。金を稼ぐため仕事を探す二人だったが、身分もなく後ろ盾もないため、なかなか見つからず。叔父のサイモンのところにも行くが、匿ってもらえず。しかし、そこの村で偶然目にした羊の煎毛からアリエナが何かを閃く。羊毛を運ぶ仕事をしようというのである。
    (七章)
    シャーリング伯領地の採石場へ行ったトムと石工たちだったが、なぜか先客がいる。戻ってきたトムからその話を聞いたフィリップはハムレイ夫人の仕業と思い、撃退するためある一計を施す。
    ウォールランの謀略がキングズブリッジを襲う。
    ヘンリー司教にキングズブリッジの大聖堂建築が遅々として進んでいないことを見てもらって、シャーリングに大聖堂を建築させることを企んでいた。しかし、修道院総出で、働きにくれば罪が赦されるということを信者たちに説いてまわり、その結果一千人もの人々ご集まり作業は捗る。視察当日、前評判とは打って変わって、活気のある現場を目にしたヘンリーを驚かせた。
    (八章)
    前章から三年後。ウィリアムの父パーシー・ハムレイ死去。シャーリングが潤わない原因はキングズブリッジにあると知ったウィリアムは、石切場に赴き、殺戮を始める。
    (九章)
    「内戦によって最初に犠牲にされるもの、それは正義なのだ、とフィリップは悟った」(p.273)

    石切場の事件の報告を聞き胸を痛めたフィリップは王に直訴するためリンカンに出向く。リンカンでは内戦(リンカンの戦い)の最中だった。その戦争にマティルダ(ヘンリーⅠ世の娘)軍が勝利したのだが、戦闘に巻き込まれたフィリップは一時投獄されたが、一夜の後突如として解放される。いきなりのことに訝るフィリップだったが、案内されるままについていくと、そこには女王の書記官となった弟フランシスがいた。
    石切場の権利を女王に願い出ていたフィリップだったが、その権利はウィリアムに渡り、その代わりキングズブリッジで市を開いてよいことになった。100ポンドの上納金を納めるという条件付きだったが。財政難に悩んでいるフィリップだったが、羊毛商となったアリエナ、キングズブリッジで羊毛市を開けばよいという弟の助言によって、打開策を見いだす。
    (十章)
    p.414アリエナがアルフレッド(トムの息子)に「かってにほざけ」とゆっくり言う場面笑った。

    ジャックの章とでもいうべき章。アリエナとの逢い引き。アルフレッドとの兄弟喧嘩。罰としてジャックは修道士になる。アリエナとの疎遠。
    ウィリアムによるキングズブリッジ焼き討ち。大事な人が命を落とす。
    (十一章)
    ウィリアムによる焼き討ちによって全財産を失ったアリエナ。弟をシャーリング伯にするという父との誓いを守るため、アルフレッドがリチャードを金銭面でサポートするという条件をのみ、アルフレッドの妻になることを決意する。結婚式当日、「服従の間」に放り込まれていたジャックだったが、母から助けられ、アリエナの家を訪ねる。そこで二人は愛を交わすが、アリエナにアルフレッドとの結婚を取りやめさせることはできず、ジャックはキングズブリッジを去っていく。


    おもしろかった。尻上がりにグングン引き込まれていく。

  • 本院の修道院長となったフィリップに任命され、トムが大聖堂建立に着手する日がやってきた。トムの緻密な計画のもと、大聖堂の普請は着々と進んでいった。が、新しくシャーリング伯となったハムレイは、フィリップに敵対する司教と組み、執拗な嫌がらせを仕掛けてくる。自領に比べてキングスブリッジの繁栄に嫉妬したハムレイは、やがて街に焼き討ち打ちを!
    (裏表紙紹介文より)

    ***

    終わり方がなんとも…!
    早く続きが読みたいです。
    何と言うか…読んでいて 決して心地好い物語ではないのに、圧倒的な内容に引き込まれてスラスラ読めました。

    ただ、ウィリアムがムカつきすぎてイライラ。
    地獄に堕ちることを畏れているくせに何故そんな行動にでるのか…。理解不能です。
    それから、懺悔すれば何でも赦されるんかい!とツッコミたくなります。。。

    この時代の文化(信仰や習慣など)に少しでも共感できるように(努力して)読んだ方が良いのか、物語だと割り切って読んだ方が良いのか。
    この本を時代小説として楽しんで読むためには前者が良いんだろうし、そう読みたい気持ちもあるんですが、如何せん到底受け入れたくないような行いがされているのを読むと自然と後者になってしまうのがなんとも複雑な部分です。

  • 稀代のページターナーによる大絵巻。長いけど面白い。

  • ぼろぼろのアリエナ。父との別れと約束。本当に厳しい環境を羊毛を売り立て直す。彼女は強い! しかし束の間の浮上と幸せはあっという間に消えてしまった。トムは大聖堂建立を始める。エリンも戻り安泰かに見えたが人生とは、なんと無常な……。トムの息子アルフレッドとジャックは相変わらず仲が悪い。男の嫉妬恐るべし。そして更に悪魔に近づいていく残虐なハムレイ。フィリップ司教に対する菩提聖堂の妨害、破壊は腹立ち以上に絶望感を感じた。懺悔で許されてよいのだろうか? 下巻、大聖堂も完成してほしいしアリエナが幸せになってほしい。神がいると思わせて!

  • 終盤にまさかの展開で唖然。このストーリー全く先が読めません。悪党ウィリアムに領地を追われたアリエナとリチャードの姉弟。牢獄に捕らわれた父との面会を果たし、父から領地を取り戻すことを誓わせられ、復讐が始まるであろうところに、これからどうなるのか期待が膨らむ一方。一方、フィリップの大聖堂建立をなんとか阻止しようとするハムレイ家。ほんと嫌な奴らです。ウィリアムが当主になって、本当に天罰が降ってほしいと思うほどの悪逆非道ぶり。いろんな思惑が絡み合って、もうどうなることか。まるで大河ドラマを読んでいるようです。アリエナに何とか幸せになってほしい。

  • 読了。下巻にまとめ。

  • 『大聖堂』文庫本(中)
    大聖堂を建立する周りの人々を駆りたてる欲望は強くなってくる。卑俗なものから気高いものまで、人々から生じる欲望は同等として描かれている。つまりこの物語には悪役の役割りを与えられている人物こそ居れど、欲望に善悪はない。
    長い長いヒューマンドラマとしてぶつかり合う自我が、欲望が、逆らえきれない運命が、この物語には描かれる。解説など必要ない。読めば分かるし、永遠に分からない感情かも知れない。
    (文庫本下巻へ)

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著者プロフィール

Ken Follett
ケン・フォレット
1949年、ウェールズ生まれ。新聞記者、出版社勤務などを経て1978年にスパイ小説『針の眼』を発表、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞を受賞。1989年に発表された『大聖堂』は全世界で2000万部を超える大ベストセラーに。その後、続編『大聖堂-果てしなき世界』、「百年三部作」の『巨人たちの落日』『凍てつく世界』『永遠の始まり』を執筆、さらにはキングズブリッジ・シリーズの『火の柱』および本書を書き継いでいる。最新刊は『ネヴァー』。


〈扶桑社ミステリーのケン・フォレット作品〉
火の柱(上・中・下)
ネヴァー(上・中・下)

「2022年 『大聖堂 夜と朝と(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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