大聖堂 (下) (ソフトバンク文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (632ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797332582

作品紹介・あらすじ

トムの死後、息子が引き継いだ大聖堂が建築途中で崩れ落ちた。焼失に崩壊…大聖堂は呪われているのか?一方、職人の才能を開花させたトムの弟子のジャックは、ヨーロッパで修行しながら旅浪していた。新しい建築技術を取得した彼は、フィリップと大聖堂を救うべく町へ帰還、物語は感動のクライマックスへ。

感想・レビュー・書評

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  • イギリス〜フランス〜スペインまでキリスト教の繋がりも垣間見え壮大なスケールを感じた。
    また親と子、姉と弟、兄妹、夫婦の小さな関係の描写も面白かった。

  • 上中下というボリュームに加えて、中身が濃い! 親子、夫婦、恋人、師弟やライバルなどのぐちゃぐちゃな人間関係に絡むようにして、陰謀、謀略、殺人、破壊、権力闘争に復讐劇などのこてこてのプロットが幾重にも重なってストーリーを肉付けしている。ドラマに目が行くかと思いきや、大聖堂建設にまつわる現場の息遣いや、信仰に対する独自のスタンスなど、ディテールが細かく、内幕モノとしても読める部分が土台を支えているので、全体的にバランスがいい。

    ストーリーは潔く展開し、キャラクター造形もわかりやすい。長い物語ではあるが、大まかな流れは、敵対グループの非情な策略を経て、村と人々が着実に成長していくというもの。登場人物の環境や立場がその都度変化するので、同じパターンの繰り返しという感覚はない。これだけの物語を読まされると、読者も登場人物のひとりなのかなあ、という気もする。キングズブリッジの中に溶け込み、住民と同じ不安や希望を感じる。ある人物には共感し、またある人物には殺意すら抱く(笑)

    謎解きだトリックだ、という作品もいいけど、時折こういう大河ドラマに身を任せてどっぷり浸りたいと願うのは年をとった証拠かしら。早いうちに続編を読むぞ。

  • なんとなく期待もせずに上巻を読み始めたら止まりませんでした。
    最後の一ページにたどりつくまで。

    自分に取って面白い本とは、時を忘れ読みふけり、仕事をさぼって喫茶店に閉じこもり、電車のアナウンスも聞こえない、こんな条件ですが、今回の本はまさに全てにあてはまる本でした。

    フィリップはじめ、トム、ジャックやウィルソンなどの憎まれ役、みんな良い人の面も持っていれば、欲深い面も持っている。

    それはいつの時代、どこの国の人でも一緒だな。と改めて感じました。

    とりあえず、面白くて満足です。
    自分は古本屋で買ったのですが、たった三冊315円、缶ビール500㎖1本分でこんな豊かな時間をすごせるなんて、幸せですね。

  • 読書の醍醐味!違う時代の人々の人生にどっぷりと浸かることが出来た。中巻で幸せになってほしいと願ったアリエナは幸も不幸もあり波乱万丈。フィリップもジャックもジョナサンも登場人物皆それぞれに幸不幸があり、物語の奥行が素晴らしかった。老人になったとき、苦い悔悟の味を噛みしめ、これまでの人生がすべて虚しかったと知る(P615)哀しみを持たぬよう、結果はどうであれ今を精一杯生きようと思えた作品だった。ケン・フォレットは読破する。養老孟子のあとがきはいまいち。

  • 最後はきれいにまとまりました!大聖堂という名がタイトルになっていますが、この時代の人はとにかく信心深い。神を恐ること尋常じゃぁない。だから大聖堂の建設が非常に重要になるのでしょう。最終巻では、アリエナが変われば変わるもので、謙虚で強く、冒頭からまずそこに惹かれました!一方、ウィリアムは相変わらずもはや夜盗、こんなん領主か?などいろいろ思いながら楽しく読め、最終章で、トムの妻が死んだ場所に戻った場面ではなんだかこの長い物語の終着を感じました。世界的大ベストセラーと言われるのも納得の作品でした。

  • どんな立場の人であれ、必ずしも聖人君主ではなく、生々しい感情や欲望を抱えている。
    そうした剥き出しの感情が物語の肝である。
    それだけに分かりやすく、長いけれど読みやすい物語。
    そして人間は今も昔も変わらない。

  • まぁ良くも悪くも大河物語でした、個人的な好みではないので正直長すぎるなと感じましたが、大河には必要な長さかなとも思います。人物造形もあまり深くはなくってわかりやすいキャラを立てる感じで、これまたそうなりますよね、というもの。
    個人的にはこの本は本当にイギリスっぽいのか?が知りたいところ。ヨーロッパに住む人々の感覚を率直に伺いたい次第。

  • ようやく読み終わりました。上中下の3巻。読み応えがありました。中世のイギリス

  • 主人公はたくさんいるけれど,やはり,本当の主人公は大聖堂か。主人公側が必ずしも完全な善人ではなく色々な欠点を備えているところもしっかり描いている。肉食人種の旺盛な欲が興味深い。

  • 大聖堂 (下) (SB文庫)

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著者プロフィール

Ken Follett
ケン・フォレット
1949年、ウェールズ生まれ。新聞記者、出版社勤務などを経て1978年にスパイ小説『針の眼』を発表、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞を受賞。1989年に発表された『大聖堂』は全世界で2000万部を超える大ベストセラーに。その後、続編『大聖堂-果てしなき世界』、「百年三部作」の『巨人たちの落日』『凍てつく世界』『永遠の始まり』を執筆、さらにはキングズブリッジ・シリーズの『火の柱』および本書を書き継いでいる。最新刊は『ネヴァー』。


〈扶桑社ミステリーのケン・フォレット作品〉
火の柱(上・中・下)
ネヴァー(上・中・下)

「2022年 『大聖堂 夜と朝と(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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