ハッピィ・エンジニアリング 新しいシステム開発の処方箋
- ソフトバンククリエイティブ (2006年5月31日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797332742
作品紹介・あらすじ
なぜ我々は常に敗走を重ね、デスマーチに加わらなければならないのか。なぜ我々は達成感や満足感と無縁なのか。そして、どうしたら幸せになれるのか。日本におけるシステム開発プロジェクトの病巣に鋭い筆致で切り込み、現場からの解を導くはじめての書。CIOやプロジェクトマネージャ、情報システム担当者、SE必読の一冊。
感想・レビュー・書評
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この本はプラグマティズムに貫かれている。
この本はシステム開発プロセスについて、工学的な理想ではなく国内の現場における今の問題点をとらえた上で、何が出来るのか、何をするべきなのかを書いている。工学の軽視ではなく、基礎としての工学の重要性を示しながら、ただ、上っ面だけの理解による実プロジェクトへの弊害はしっかりと書いている。
著者は問題点の一つとして、受発注関係なく技術者の勉強不足、というより体系的な知識の不足を上げている。基礎となる知識体系やテクノロジに対する知識があやふやなまま、自分のわずかな経験だけが知識の全てであると錯覚し、それらを学習をすることもなく、多くの年月を過ごしてしまっているし、そういったものがないまま自分が一人前だと錯覚している状況にあると著者は書いているが、これには同意するところが多い。
ただ、この本を読まなければならない人ほど、本屋にも行かないし、この本を見つけることなく、手に取ることもないのだろうな。あーまさに負のスパイラル。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
システム開発プロジェクトをハッピーで終わらせるための、各工程で必要なタスクと起こりやすい課題を解説
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なんというか、とても評価に困る本でした。
現状の認識に対してペシミストに過ぎるのではないか、とややげんなりする箇所があるかと思えば、慧眼だなぁ、と思える箇所もあり。
この本は、問題提起と考える方向のきっかけが書いてあって、サブタイトルにある処方箋というコトバに期待して読む類の本ではないですね。 -
システム開発は敗者のゲームかどうかは分からないが、事例等を含め読み物としても非常に興味深い。
ソフト開発の世界を一度でも経験した者には他人事では済ませない大きな課題がある様な。
現実として分かっているのだが、果たしてどうすれば良いのか。 -
日本国内における情報システム開発の現場に見られる様々な問題点に切り込んだ本。
タイトルに「エンジニアリング」とあるものの、内容はどちらかというとマネジメント寄りな印象。
もちろんエンジニアリング視点の話も盛り込まれていますが、つまるところは顧客企業も含めたガバナンスの喪失が情報システム開発プロジェクトの崩壊を招いていることがよく分かります。
全体を通して情報量が多く、読むのにかなりの集中力を要しましたが、具体的な事例も含まれており非常に読みやすかったと思います。 -
タイトルとはことなり、内容は重い。どちらかというと、「アンハッピィ」にならないための本。読み物として読みやすいプロジェクトマネジメントの本でした。
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