学者のウソ [ソフトバンク新書]

著者 : 掛谷英紀
  • ソフトバンク クリエイティブ (2007年2月16日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797337068

作品紹介・あらすじ

権威ある学者や学歴エリートたちによるウソは、メディアなどによって流通し、多くの問題を起こしている。そのような詭弁や強弁を含む言説に対して、どのように向き合えばいいのだろうか?本書は、ゆとり教育や少子化問題など多くの論点を通して文系・理系の学者やメディアのウソを暴き出し、本来の学問への道すじを示すことを試みたものである。

学者のウソ [ソフトバンク新書]の感想・レビュー・書評

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  • 自然科学においては基本的に予測する主体と予測される客体が干渉しないことを前提としている。
    しかし社会科学において、むしろ問題となるのは、予測が与える社会的影響を言い訳に使うことである。つまり、ある種の予測をしておいて、それが外れた場合、自らの予測で社会の関心が歓喜され、その予測結果が回避されたと主張sるやり方である。

  • ○○のウソ 疑いを持たざるを得ない社会 姉歯

    懐疑主義に基づいて生きていくことはできない 電車が危険だから乗らない

    住基ネット 2002年8月試験的稼働 杉並区、国分寺市、矢祭町導入拒否☆今のマイナンバーは?
    セキュリティ実験 ただ侵入できただけ→実際の手口ではありえない

    教育論の専門バカ iPadは発想の転換であった・数的処理の学力低下は重要ではない→発想力は価値ある個性を考え、基礎学力は個性と認めていない

    ダム論争 緑のダム構想→論理的におかしい ダムの役割は3割→日本は国土の7割森林なので、10割を森林にするのか? 自然と共生→洪水保険や2階建てに住め

    未来技術予測 地震予知、電力問題、人工知能 ☆人工知能は進歩している

    少子化論争 厚生省1996年からエンゼルプラン 大型プロジェクト 先進国の調査統計もねつ造 少子化と負の相関にあるものを無視→人口現象は要因が複雑すぎて原因を突き止めることはできない

    女性学の特異性 女性活躍企業と業績に正の相関があるか分からない 委員は都合のいいデータを恣意的に取り出す意図あり

    非線形性の罠 どうしても予測不可能なことはある
    気象にも非線形性があることが分かってきた。

    日本で文系 人文科学部 社会科学部 Humanities サイエンスではない→科学になる前は哲学、神学 Social science
    心理学 フロイト エディプスコンプレックス→学説の正当性の評価が難しい
    予測が与える社会的影響を言い訳に使う→社会の関心が喚起され予測結果が回避されたと主張

    オイルショック以降の石油の枯渇予測→今でも大丈夫 警告は注意喚起であり予測ではなかった
    2000年問題

    物質主義的な批判 大量消費批判、精神的豊かさを重視しようとする現れ

    フェミニストの主張「家族介護などしたい人はいない」→家族介護への現金給付はない制度設計がなされた

    構築主義に価値 飛行機の安全性→100%でなくても十分、利用する価値あり

    妻が癌で薬が必要だが買えない場合→メディアに訴えるとの回答が多い 一般人がいかにマスコミの正当性を疑っていないか
    エリート、政治家も大学生までは同じ教育 エリート、政治家批判の理由は?

    広告収入 市場5兆円 テレビ2兆、新聞1兆

    脱税事件の報道 朝日はスポンサーへの配慮あり 読売は偏りなし

    女性学の権威上野千鶴子 自閉症は母子密着が原因との主張→女性差別解消のために利用

    昔と比べるとリスクは減少 出産時の死、ガス給湯器、交通事故死… ゼロではない残ったリスクに対する情報価値が相対的に上昇

    弱者のふりをするエリート フェミニストは学歴エリート

    一昔前、自分は学歴エリートだが実家の親兄弟は農業というケースもあった→現在、世帯全員がエリートであれば、視野に入らない
    組織論として多様な人材の必要性→外国人であってもエリートなら大差なし☆貧乏人、おばちゃんの意見を活用した接客

    管理職の女性比率を〇%→一部のエリートの関心事でしかない・いかに働きやすい職場であるかが重要

    産業界の学歴エリートのイメージ→世の中の実情をみてきた人と好意的に見られる
    靖国参拝反対→中国でビジネスの企業 移民受け入れ要望→外国人を使いたい企業

    団塊世代が退職すると安全神話崩壊と主張→たぶん安全とは関係なし

    医師の仕事が難しいとは限らない 数学は使わない・無免許で長年ばれなかった例(外科手術はしなかった)

    医者、弁護士→コンピュータの助言で素人でもできる 介護職→コンピュータではできない
    薬剤師、医師はコンピュータ化に反対→都合が悪いから

    一時的なパフォーマンスに走りがちな社長 ソニーの出井 株の一時保有の投機筋の人間に喜ばれる

    大学院主義 大学教員は彼らをただ働きできる・肩書のブランドが定年まで保たれればよい

    他人を攻撃する道具と化した理論 三菱リコール隠し→運転手攻撃 明石砂浜→市役所起訴 裁判では予見不可能だが当時は「誰も責任をとらないのはおかしい」との論調

    責任追及ばかりを優先し事件の本質をとらえようとしないマスコミ→マスコミも商売だから売れる情報発信せざるを得ない。

    学歴エリートの利己主義→一見利己的に見えない 手段Aに反対する人に悪人のレッテル
    目的と手段の混同を意図的に行う 女性専用車両→女権拡大イデオロギーの取り込みが目的
    誰もが反対できない男女平等を理念として立てる

    ジョー・オダネル 長崎で火葬場で荼毘に付される少年の写真 純粋に反戦→あまり話題にならず マスコミは反日や反米と結びつかない反戦は不都合

    左翼のウソ 北朝鮮を楽園と説明 平和主義や弱者救済の看板だが実際は自らのイデオロギー拡大のため

    可逆性テスト 100人の集団で99人が1人を差別することに賛成した時→逆の立場で考えてみること

    言論責任保障→☆ネットの書き込みの容易さで難しいか?
    先見力検定の試み

    ネットの普及 マスコミがウソをつきとおせなくなった
    テレビのインタビュー放送 100%正当化するつもりはない→つもりだとスーパー(TBS)

  • 内容に全面的には、賛成できない面もあるが、「言論人の詭弁」や「学問の方法」を考える上で良書だと思います。
    話題になった新書類などが、検討されているので読みやすいですね。
    ひとつひとつの事項についての検討に関しては、少し時間がかかりそう…。

  • 2007年刊。初っ端は、理工系的科学観から文系的な非科学的側面を批判するだけの陳腐な書か、と思わされたが、新聞広告・テレビCM批判の辺りから俄然面白くなってきた。殊に「納得のコミュニケーション」の項は膝を打って読了。ここの叙述は、まさに対立当事者間のウィン・ウィンの追求だからだ。ただし、好結果の招来が稀という現実に加え、著者が都合のよい設例を持ち出した可能性はなきにしもあらず。一方、真理追求を強調する方にありがちだが、文系的な説得技法、すなわち、討論・弁論を通じてベターな選択をする点も軽視しすぎの感。
    予測不可能ないし困難なテーマの場合、あるいは著者が非線形的だとする問題に対し、なおかつ、何らかの解決策を選択するには、見解対立を持つ者の間で、弁論・討論及び証拠を提出し、ベターな選択(ベストの選択は不可)をする手法しかとりえない場合が多い。政治は、理念的にはそのような過程を経て決定されることが期待されているのだろうし、議会制や司法制度はこの理念に則っている(もっとも、現実の政策決定が理念どおりになっているわけではない点は承知している)。この弁論や討論の意義にあまり触れられていないのは残念。

  • 学者のウソ、学歴エリートのウソ、マスコミのウソ。

  • Sun, 01 Nov 2009

    学者をやっている人間なら,「学者」の世界に必ずしも「真実への奉仕者」としての学者の姿以外の生活的,社会的,権威的,経済的,政治的成分が紛れ込む実態にそこはかとなく気づいたりする時があります.

    一般の方は,逆に「専門家の言うことは絶対に正しい」というような,権威付けに基づく認識バイアスを持たれている事がある.
    そんな,認識を改める,ある種の啓蒙書としてこの本はなかなかいいのではないだろうか?ちなみに,世の中自体に「絶対に正しい」って言説は(まず)ありません.はい.

    理系のウソ,文系のウソといったように,ドメインを分けながら議論している.

    帰納主義の困難,非線形の罠というところで,なかなか,的を射ていた,世の人にはあまりちゃんと認識されていないだろうという話を突いている.

    一昔前は,こんな話題は「科学哲学」の人か,「統計学」(もしくはその延長線上にある機械学習)の人でもないかぎり,あまり触れられない話題だったかもしれないが,
    実証科学が持つ,これらの困難を知らなければ
    「私達人間はどこまで科学に頼って良いのか?信頼して良いのか?」
    を見誤ってしまう.

    現代で,科学に関わらない人は既にいない.
    みな,どこかで科学による実証の成果や,言説を消費者として利用している.それが,変に「権威化」することで,学者のウソ が生まれるのだろう.

    本書で一番ヒドイものの一つと指摘される(本書だけじゃないけど・・・)のは女性学での統計操作などである.

    データ捏造は 自然科学者の方が,操作したかしないかが明らかなために,取り上げられやすいが
    社会,経済的データからの操作はよりたやすい.
    官僚的,権威的,政策的な影響を狙う学問では,既存のデータを,取捨選択することで「自分の主張したい事をはき出す」操作が可能となる.

    政治に学者がからむのは昔からある話だが,
    結局,そこに対して責任をとるのかどうかが,
    政治家と学者の違いだ.

    諮問委員会や審議会に入った学者やデータを出した学者が訴追される事は少ない.それって,民主主義のゆがみじゃないだろうか.

    著者は別に科学倫理の専門家というわけではないようなので
    細かい部分についてはおいておくとして,
    なかなか,分かりやすく,問題点を指摘している,いい本だとおもいました.

  • これも仕事の関係で再読。そしてこれも名著だと気づく。

    いやまあ、ところどころちょっと論理が飛躍しているように感じたり、事実認識が危ういところもあるんだけど、全体的にとても知的に誠実であり、かなり納得度の高い記述。
    相手を罵ったり冷笑したりする論戦の書もそれはそれで面白いのだけど(呉さんとか山形さんとか僕も好きなんだけど)、そういう本ってなんだか読者まで頭がよくなった気になって、一知半解の知識で冷笑的な態度を真似しちゃって恥かく、という副作用があると思うんだよね。
    だから論争における王道はやっぱこういう態度であるべきだよね~、と改めて思う。いや、実に名著。

  • 言論責任保証というのは初めて知った。有効な制度だが、認知度が低いうちはほぼ無力に等しいだろう。また、マスコミの既得権益による巨大なウソは看過できないものだが、いつの日か崩壊するのだろうか?やはり誰かがTV局を買収するしかないのかも。官僚の予算取得のみが目的化されたウソもどうしようもない。

  • ウソを付きたくてなくても結果ウソになることはある。逆にウソのように見えるアグレッシブな売上げ計画でも本当にすることができる。
    意図的に嘘を付く気はないけど将来のことは誰もが嘘つきになる可能性がある。自分の立てた計画を本当にするのは自分の努力次第!

  • [ 内容 ]
    権威ある学者や学歴エリートたちによるウソは、メディアなどによって流通し、多くの問題を起こしている。
    そのような詭弁や強弁を含む言説に対して、どのように向き合えばいいのだろうか?
    本書は、ゆとり教育や少子化問題など多くの論点を通して文系・理系の学者やメディアのウソを暴き出し、本来の学問への道すじを示すことを試みたものである。

    [ 目次 ]
    第1章 学者のウソ(住基ネット論争のウソ ゆとり教育のウソ ダム論争のウソ 理系学者のウソ 文系学者のウソ ウソが生まれる背景)
    第2章 本来の学問(自然科学の方法論 自然科学の困難 文系学問の困難 ポストモダンの学問)
    第3章 学歴エリート社会の罠(マスコミエリートの倫理破綻 エリートによる「弱者ごっこ」論法 利己主義の暴走 既得権益としての学歴エリート 道具化する倫理)
    第4章 ウソを見破る手立て(学歴エリートに騙されない方法 言論責任保証の試み 新たな技術が社会を変える)

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