着物中毒

著者 : 中島梓
  • ソフトバンククリエイティブ (2006年12月21日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797337549

着物中毒の感想・レビュー・書評

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  • この本いい!
    1)「もっと着物を着ましょうよ」
    2)「一緒に着ましょうよ」
    3)「みんなでいっぱい褒めあいましょう!」
    が作者の言いたいことだそう。洋服では褒めあえないんだけど和服ならキャッキャうふふができちゃう不思議。

    この本カッコイイ。p176「自分で好きにやってるんだから、ほっといて下さい。出るとこに出るときには、おっしゃるようにしますから」 この”おっしゃるように”は「決まりはこうなのに変だ」「白くない半衿なんて」というオバサマたち。TPOは考えるのは着物も洋服も同じ。

    「最初の一枚」は「地味めの小紋」。浴衣を買うなら「木綿の着物」っぽいものはいかが?と非常に実用的なアドバイス。著者は2年着物生活をしたそうなので(それ以降も年間200日とか着てるそう)、木綿などの洗える普段着の便利さも十分ご存じの方。

    サバイバル話は「帯板忘れてレポート用紙のパッドの裏のボール紙を代わりに使った」と。人間困れば知恵がでますね。p119”「レース」と「木綿」とは、その「季節の約束ごと」のアウトローなのです”も心強いアドバイス。絽だの麻だの考えなくても年中使えるお役立ちアイテム。

    帯揚げをそろえるなら、”「薄い水色・やや濃い黄色・好みのピンク・正式用のちょっと絞りの入った白」の四枚あればどんな時も間に合うよ”。”帯締めはベージュ、きれいな青、きれいな草色、山吹色、真っ赤”がおすすめだそう。おしゃれな人ほど色合わせがうまいからなぁ。

  • フランクで軽妙過ぎる文体もさることながら、著者のキモノに対する自由で柔軟な考え方や発想には驚かされることしきり。これだけキモノを自分のものとしている著者がここまで書いてくれること、また文中で炸裂している斬新な工夫やアイデアは、洋服が普通の時代にあえてキモノを着たいと思う私達に勇気を与えてくれます。

    それにしてもこの本から3年後、56歳の若さで鬼籍に入られていることを思うとなんとも切なく、残念でなりません。人生のステージごとに、さまざまな形でキモノとつきあってきた著者。自由なスタイルを謳歌しながら、もっともっとキモノを愉しみたかったことでしょう。
    そして私も、著者のキモノに関する本をもっと読みたかったなぁと思います。

  •  中島さんの著作は始めて読んだけど、この軽々とした文体が気に入った。ぺらぺらしゃべるように楽しく語っている。
     着物の魅力、彼女の考えるとこでは、「洋服では絶対ないくらい華やかな色あいや模様」が着られる。「美しい布地にからだを包まれる」喜び。
     確かにそうだよなぁ。
    「不自由さの色気」というものを、自分で味わっているのが、楽しくて気分がいい。
     そうそう。
    「着物の物語性」がいい。ある意味コスプレできちゃうとこね。
     「着物着たら、お互いに歯が浮いてもいいからうーんと褒めて褒めて褒めあおうじゃないか、っていうのが私の主張であります。」だって。いいね。

    もっと「褒めあう文化」「教えあったり、わけあったり、喜びや楽しみをわかたあう文化」を、着物を契機として作りあげてゆけたとしたら、苛めだの、匿名でワルクチ云うのが基盤になりつある、いまの時代の「いやーな感じの文化」に対してとても大きな反抗をできることになるーーと私などは思うのですけどもね。

     あとのアドバイスとしては、衣替えは旧暦を採用しよう。これはもっともだな。しかも単衣は当人が寒くなければいつでもいいんじゃないかとかね。帯は半幅帯。気楽でいいね。私はあまり持ってないけど増やしたいかな。できれば。

  • グインサーガの作者。こんなに着物が好きで表紙もきりりとした着物姿。晩年とは違ってずいぶんふっくらしている。グインサーガの続きが読みたかった。着物きたいけどこれからも着られない気がする。

  • 着物初心者でも分かりやすい着物入門。
    著者の体験により、あると重宝するものと意外と使えないものなど細かく書かれていて、参考になった。

    また、和装を洋装に変換した説明は分かりやすかった。

    ・江戸褄=ウエディングドレスやローブデコルテ
    ・色留め袖=ローブデコルテそのもの
    ・振袖、でこでこの訪問着=かなり豪華めのパーティードレス
    ・付下げ=カクテルドレス
    ・小紋=アフタヌーンドレス、スーツ、ワンピース
    ・紬全般=カジュアルなお洋服
    ・いまふうのファッション着物=いまふうのお洋服

    と簡単にイメージできる。

    着物だけでなく、小物に関しても細かい話が書かれていて、著者の着物に対する愛着を感じた。
    また、着物ライフの楽しみ方を知り、着物を身近に感じられた。

    ただ、自由に着物を着ることを推奨しているので、古来からの着方をしたい方には本書は不向きかもしれない。

  • この本を読んで益々、着物を着られるようになりたいと思いました。

  • 栗本薫が身罷った。
    26日午後7時18分膵臓癌のため逝去。

    5/29(金)朝のTBSラジオで小沢遼子が追悼紹介しているのを聞いて初めて知りました。

    何ということでしょう!悔しいな、彼女には70、80の好々爺じゃなかった好々婆になってまでも、書いて書いて書きまくってもらわねばならなかったはずです。物語作者としての読者に奉仕する奴隷のような運命が天命が呪縛していたはずなのに。

    そう、人は物語なしには生きられないというのは、彼女のテーゼでした。

    物質的に行き渡って餓えはしなくなったけれど、精神的な飢餓感からますますより強くフィクションを希求する傾向にあり、もっと快感をもっと刺激の強いものをと、セックスから殺人までどんどんエスカレートしていって、あちこちで破たんして子供が子供を殺している時代である今こそ、物語が生きるよすがとなり、本を読むことこそダイレクトに脳細胞にアハ体験させて快感を得られる、ある意味最も効率的なドラッグなのだ、みたいなことを言ってましたっけ。

    ええっと、この本は着物大好き人間で、普段から礼賛して率先して着物を着まくっていた彼女の着物絶賛本です。悲しいかな、どう贔屓目に見ても、ごめんなさい、あまり似合っているとはお世辞にもいえませんでしたが、料理をするにもお掃除をするにも、それこそ外出する時にどうしてもという時にやむを得ず仕方なく洋服を着ただけで、それ以外すべて着物姿だった祖母を回想させて、いつも懐かしくてほのぼのした気持で見ていました。

    ・・・100年後には、作者の自分の名前なんか忘れ去られていてもいいんです、と彼女は言いました。

    100年後の少年が、図書館や祖母の書斎の本棚で、黄色くなった背表紙の文庫本を発見して、どうしてこんなにたくさんあるんだろう、って読み始めたらやめられなくなる・・・それこそが作家冥利に尽きるんです、と。

    ・・・栗本薫・中島梓の魂よ安らかに!

  • 2007.10.23.読了。

  • 文章は主に女性向けか。活字が大きく配され、量は短め。あっという間に読めた。着物をコスプレ的に捉え、着ることで穏やかな文化の成熟さを促す。小物や和服を豊かな描写で綴り、肩の力を抜いて着物を楽しもうよ、って薦めた。自らの着物遍歴や自慢話は予想以上に控えめ。むしろ読者の視点で、ファッションとしての着物の楽しさをぐいぐい語る。

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