急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797338126

作品紹介・あらすじ

ヒットを作るには、膨大な予算が必要-というわけではありません。小さな変化が大きな結果を生むのです。本書は流行現象を口コミによる感染ととらえ、そのメカニズムを説き明かします。「少数者の法則」「粘りの要素」「背景の力」は、マーケティングに興味を持つ人には、必須の知識。先見性あふれる『ティッピング・ポイント』、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 急に売れ始めるにはワケがある
    ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則
    ソフトバンク文庫
    著:マルコム・グラッドウェル
    訳:高橋 啓

    口コミでのブームは、感染に似たり、 マルコム・グラッドウェルのデビュー作で、ティッピング・ポイントの改作

    ティッピング・ポイント、とは、すべてが一気に変化する劇的な瞬間=急に売れ出した時点

    爆発的な変化にいたる三原則
     ①少数者の法則
     ②粘りの要素
     ③背景の力

    1.少数者の法則

    口コミ伝染が起こる、20・80の法則ではなく⇒少数者の法則
    六段階分離 6人の人間を経由すればたいていの人間に伝わる ⇒人のつながりは、円環ではなく、ピラミッド構造をしている
    3種類の人間
     コネクター 弱いつながりの達人 ⇒社会的な人と人とのつながり、にかわ
     メイブン 通人、史上通、自分が見つけたよいことを、ひとにも告げたがっている人 ⇒ データバンク
     セールスマン 説得のプロ
    この3種がそろえば、情報は口コミで伝播していく

    2.粘りの要素

    粘りとは、人の頭から容易に忘れられないということ 記憶に粘るということをいっている
    人の注意を喚起するには、1点突破
     ①物語性
     ②繰り返し
     ③適当な複雑性

     なんども見てみようという興味とだんだんわかっていく程度の複雑性が必要
     だからといって複雑すぎて混乱し、もうやらない程度の複雑性はいらない
     小さな変化が全体を変えていく
     広告ならば、すくなくとも6回は言わなければならない

    3 背景の力

    特殊な背景が感染を生む
    ちょっとむずかしく、細部まで納得ができなかった

    150とは村人の数
    村人になら、規範なしで物事が伝わる

    目次
    はじめに ティッピング・ポイントとは何か?
    第1章 爆発的感染、その3原則―ティッピング・ポイントへ至る指針
    第2章 「80対20の法則」から「少数者の法則」へ・原則1―感染をスタートさせる特別な人々
    第3章 粘りの要素・原則2―情報を記憶に残すための、単純かつ決定的な工夫
    第4章 背景の力・原則3―人の性格に感染する背景
    第5章 「150の法則」という背景―人の行動に感染する効果的な集団の規模
    第6章 商品はどのようにして感染するのか?・Case study1―エアウォーク社の販売戦略から学ぶこと
    第7章 自殺と禁煙・Case study2―ティーンエイジャーの感染的行動の謎を探る
    第8章 ティッピング・ポイントを押せば世界は傾く―焦点をしぼること、実験すること、そして信念を持つこと
    解説 小阪裕司

    ISBN:9784797338126
    出版社:SBクリエイティブ
    判型:文庫
    ページ数:360ページ
    定価:780円(本体)
    2007年06月30日初版発行
    2011年07月06日初版第8刷発行

  • 「第1感」、「天才」につづきマルコム・グラッドウェルの本は三冊目。本書は私的基準では(感動という事がないジャンルの本であるため)、最高点は星四つなのだが、星五つとする。

    第1感も天才も、面白かったが本書はさらに面白かった。邦題はビジネスちっくにつけられているが、原題はティッピングポイントで、雪崩を打って物事が変わるそのポイントという意味。

    文庫本で買ったが単行本のようなしっかりした本で、線をひき付箋を貼り、何度も読み返す事をおすすめ出来る良書。

    爆発的感染には、少数者にまず受け入れられる事。そして彼らが伝播する。さらに粘りの要素が必要である事。グッズそのものの印象や、伝播するメッセージそのものが記憶に残る必要があるという事。そして感染拡大する背景の力。これは受け入れられる仕組みや環境。
    これらの事を多くの例示で繰り返しわかりやすく説明してある。知的好奇心をかき立てられ、何度も開眼する思いをさせられた。

    ビジネスだけではなく、教育や人間関係、自分の行動や習慣などに適応出来る。

    文句なく星五つ。

  • アイディアや商品が人に「感染」し、ヒットするには、次の3つの要素が大きく関係するという。
    すなわち、メッセージを伝達する少数の人間、メッセージの持続性、人間に行動を起こさせる背景の3つである。

    「感染」の例として挙げられる題材も、ハッシュパピーやエアーウォークの靴というファッションアイテムから、セサミストリートなどの教育番組、ニューヨークの犯罪行為に至るまで多岐に渡り、飽きさせない。

    単純なマーケティング論に留まらず、人間の行動心理についても学べる一冊。

  • 0853. 2014.06.13

  • 230920〜231002

  • 解説を読むと、ビジネスに関することだけ書かれているのか、と思ってしまうが、用例は多岐にわたっている。ある街の犯罪がなぜ急速に減少したのかや、ある島の若者の自殺がなぜ増加したのかなど。これらが解明されれば、問題の抑止にも役立つし、促進したい事柄にも役立つだろう。"使い方"を誤らなければ。

  • 傍観者問題=傍観者が多いほど、個人は反応しない。

    ティピングポイント=少数者の法則、粘りの要素、背景の力。
    弱いきずなの強さ=弱いきずなが多い人は社会的力が強い。
    少数者のコネクターによってティッピングポイントが始まる。感染がスタートするには例外的な少数者がいればよい。

    粘りの要素=セサミストリート。記憶に粘るメッセージがティッピングポイントになる。毎回同じ構成で粘りの要素を加える。

    背景の力=ニューヨークの犯罪率を減らした方法。背景に対して異常に敏感に反応する。割れた窓の理論。
    地下鉄の落書きを徹底的になくした。無賃乗車を徹底的に取り締まった。無秩序を象徴する小さな印に目を付けた=背景を改善すれば全体が改善する。
    正直ささえ、状況に左右される=監督官がいなければカンニングは増える。
    背景の小さな変化が感染爆発には重要。

    150の法則=150人までが集団として最適。ダンバー数。
    150を超えると自然発生的に派閥ができる。ヒュッテル派は、共同体が150を超えると二つに分ける。ゴア社の工場は150人が単位。創立当初の小規模な形態を維持している。仲間が自分のことをどう考えているかを知っている人数。小集団の中で形式ばらない人間関係が機能する数。

    エアウェークの靴=当初流行の理由は、イノヴェーターの靴を多数派が欲しがった。イノヴェーターの靴でなくなると流行は終わった。主流派のための靴を作ってはダメ。

    10代の自殺感染。ミクロネシアで自殺が流行した。
    自殺報道が出ると、自殺率が急増する。マリリンモンローのときは一時的に12%も増えた。
    喫煙の習慣が広がることと同じ。喫煙は習慣にねばりつく。仲間内の影響。

    ティッピングポイントの教訓=限られた資源を一点に集中する。

  • クチコミが広がる背景についてさまざまな実験などのデータをもとに説明した素晴らしい本。また読みたい。

  • 202107/

    彼が手帳やコンピューターに記録しているのは、一年に一度あるいは数年に一度しか交渉のないたんなる知り合いであり、しかも彼はそういう交際から生じる煩わしい義務を決して厭わないのである。そこそこ親しいが、それほど濃密ではない人間関係のことを社会学者は”弱い絆”と呼んでいるが、彼はそれを見事に会得している。それどころか、弱い絆で十分幸福なのだ。/

    社会的伝染をつくりだすことに成功した人たちは、ただたんに自分が正しいと思ったことをやっているのではない。よく考えたうえで自分の直感を試しているのだ。/

  • ティッピングポイント。とても面白い視点で、なるほどーの連続でした。よくよく考えるとそうだろうなぁと思いながら、でも物事よくよく考える事がなくなっている自分に気付き、、、。今は情報過多の時代で、いかに効率的に有益な情報を得るかに夢中になって、、たまに気付いた時は立ち止まって、何かのメカニズムについて考えてみよう。

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著者プロフィール

1963年イギリス生まれ。
カナダ・トロント大学トリニティカレッジ卒。
『ワシントン・ポスト』紙のビジネス、サイエンス担当記者を経て、現在は雑誌『ニューヨーカー』のスタッフライターとして活躍中。邦訳には『天才!』『ニューヨーカー傑作選』ほかがある。

ある製品やメッセージが突然、爆発的に売れたり広まったりする仕組みを膨大な調査とユニークなフレームワークによって解き明かした最初の著書『ティッピング・ポイント』(邦題『急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則』)、人間は、長時間考えてたどり着いた結論よりも、最初の直感やひらめきによって、物事の本質を見抜くという仮説を検証した2冊めの著書『ブリンク』(邦題『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』)は、いずれも世界で200万部を超える大ベストセラーになっている。

「2014年 『逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

マルコム・グラッドウェルの作品

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