数学ガール/ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797352962

作品紹介・あらすじ

「数学って、不完全だったの?」「僕」と三人の少女が「不完全性定理」の真実に迫る、魅惑の数学物語。

感想・レビュー・書評

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  • 数学ガールシリーズの3作目に挑戦しました。
     今回はゲーテルの不完全性定理論について主人公「僕」と三人の女の子が挑みます。数学を数学すると言うテーマはこれまでのシリーズとは全く違う観点から取り上げられており、これまでで最も難しい一冊でした。

     数学の参考書としての役割も素晴らしいと感じましたが、今回の作品は「僕」が数学とどう向き合うか自分がどう生きるかについても語られており、数学というテーマを抜きにしても学べるものが多い一冊でした。

    ミルカ「数学は私のもの」
    テトラ「英語はあたしのもの」
    僕  「学び、教えることは僕のもの」

     私も「〇〇は私のもの」と言えるものを見つけ出したいと思いました。

  • わかりやすい本で有名な著者の「数学ガール」シリーズの1冊で、不完全性定理の解説を目指している本

    終盤、読者を置いてきぼりにして爆走するという噂があったこともあり通読してみた。

    ・不完全性定理というよりは数理論理学 (や形式系・証明論) の解説という感じ
    ・妙にラノベチックな文体は必要なのか?
    ・中身は流石に読みやすい。例も豊富
    ・不完全性定理を理解するための前提知識については各章で時によってはさりげなく紹介されている

    たぶんさりげなさ過ぎる部分があって、わかった気になっている読者の場合は後半で振り落とされるのだと思う。

    いよいよ、ゲーデルの論文に沿って不完全性定理の証明を追う第10章はたしかに爆走している。これまであんだけ喋っていたユーリちゃんやテトラちゃんも片隅に追いやられ、いきなり述語論理の公理系が導入され、PMの単純型理論ベース集合論も導入される。形式系と超数学の行き来をできるだけわかりやすくしようという著者の苦労が感じられるが、残念ながら対象読者層にはわからないだろう。

    余談だが、参考文献に載っている書籍はいずれも私が読んだことがあり良書だと思っているものだったので、自分の感覚にちょっと安心した。

  • かつて中学生くらいの時に読んで難しいなと思って途中でやめた記憶がある。ただ、大学で記号論理学の授業を受けた後に読んでみたら、スラスラと読み進めることができた。
    10章の不完全性定理の証明のラストが難しい。将来ここを読み返したい。

  • 萌えるのが恐くて今まで我慢してきたが、とあるビブリオバトルで紹介されるのを聞いて、ついパンドラの箱を開けてしまった。
    これはいかん、忘れていた萌えの要素がある。ツンデレのミルカさんのセリフにいちいち反応してしまう。

    そういうお楽しみ要素とは別に、数学部分も分かりやすい。不完全性定理は、その数学以外への意義、影響はいろいろ読んでいたが、数学の部分は全然分からず、岩波の有名な本で挫折していた。
    しかし何とこの萌え萌えライトノベルで、挫折ポイントを越えられた。もちろん、証明は不十分。表現定理が所与の定理になっているが、それでも全体像がわかったので、再び岩波の証明に挑戦する勇気が持てた。

    結城さんの、分かりやすく説明する技術は凄い。頭の中で切り替えが必要な所を丁寧に押さえているから、新しい概念に入りやすいのだと思う。

  • 高校生の男女の恋愛小説?をベースにしつつ、内容は立派な数学書です。

    フェルマーの最終定理の証明を理解するために必要な数学的な知識(素数、剰余と合同、群・環・体、オイラーの公式、フライ曲線、etc)や証明の手法(背理法、無限降下法)を会話形式いや式展開を交えながら読めます。

    基礎的な数学から応用問題へ反転しく方法、そして証明の途中を省略しない説明があって数学書として非常に親切。大学で数学科にいた人は少し冗長に感じるかもしれませんが、一般の人はこれほど分かりやすい数学書をあまり見たことがないでしょう。

    高校や大学の時に手に取りたかった一冊です。

  • テトラちゃんの季節の図がわかり易い

  • さすがに最終章は難関だったが、そこまでに必要な知識を優しく具体例を出して説明してあって今回も面白く読めた。

  • ゲーデルの不完全性定理の話。

    無矛盾で不完全…数学を数学する…
    めっちゃ難しかった。

  • 第9章までの記述は素晴らしい。第10章の不完全性定理の証明のところが端折りすぎでは?理解がまったく追いつかなかった。

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著者プロフィール



「2023年 『数学ガールの秘密ノート/数を作ろう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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