カラクリ荘の異人たち 3 ~帰り花と忘れ音の時~ (GA文庫 し 3-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797354126

作品紹介・あらすじ

捜し物を見つけて欲しいと頼みにくるものや、身体が溶けてしまった雪女。あい変わらず、色々なことが巻き起こるカラクリ荘だったが、太一には別に悩みがあった。それは、正月休みに自宅へ帰るべきかどうか-である。自宅には、義母・鈴子がいて、会えばまたギクシャクすると思うと、どうも乗り気になれない。カラクリ荘の面々がそのまま過ごすと知った太一は、それならば自分も-と考えた。しかし意外にもレンからの反発にあってしまうのだった。珍しく大きく動揺し、怒りをレンにぶつけた太一だったが…。ご町内妖怪奇譚第3巻登場。

感想・レビュー・書評

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  • ファンタジー風味がうすれてだいぶ青春ライトノベル
    1、2巻と比べて良いと思うけれども
    でもこれはこの舞台設定でしなくても良い話なのでは
    2巻までのファンタジー舞台からキャラクタだけ抜き出しただけの気がする
    そのほうが出来よく見えるのが困ったところだが

  • 06/07/2017 読了。

    図書館から。

    采奈がかわいい。

  • ・霜島先生お得意の嫁に素直になれない旦那ネタは健在
    ・雪女理論はなんというか・・・男の悲しい正直さ・・・
    ・ケンカするほどになるといいね、太一くんとレンくんは
    ・お義母さんは同人作家ってどこのラノベかな??

  • 溶けた雪女の六花ちゃんが可愛らしかったです。
    あと鈴子さんと太一。鈴子さんも悪い人じゃないんだろうけれど、自分の想像だけで実際の太一を見てるわけじゃない。太一君は空栗荘できっと分かるようになっていく、とうか取り戻してくんだろうけで、彼女の方はどうなってくのかが、ちょっと気になった。

  • シリーズ中唯一泣いてしまった巻。

    妖怪のエピソードもいいし、カラクリ荘の住人であるレンとの話もとても良かった。

    自分に優しく接してくれる世界に対して
    「どうでもいい」と思っていた太一が
    その考えの残酷さを知る。

    ほんと、うちの妹にも読んで欲しい←

  • ちょっとだけ、感情が成長していました。

    何故再婚相手は不得意な料理を作り続けるのか。
    何故実家を離れて暮らさねばならなかったのか。
    たくさんの『何故』がかなり解決されました。
    あぁなるほど…という感じです。
    言葉も態度も大切だな、と。
    ある意味、思い込みも大切?w

    始めての喧嘩に、初めての感情。
    育つのを止めていたものが育ち始めて…いい事、ではないでしょうか?
    色々な場面で、色々とそれは大事な事ですし。
    いやでも、別の意味で相手を思っての台詞だった…はだったので
    嫌みだと、思わなければ、別段…な物言いだったんですが。
    難しい、ですね。

  • ○感想

     「どうでもいい」は、「必要ない」ということ。
     「どうでもいいものなんて、人間にも妖怪にも木や草や石にだってない」という大家さんの言葉に胸をつかれる一冊。
     逃げたい時に読むと引き戻してくれます。

     何度となく、もっとちゃんと人を見ようとして、何度となく失敗するのは。足元すら見えてないから、かなぁ。よくわかりません。

     副題の意味を調べていたら、辞書がほしくなりました。言葉って美しいです。

  • 太一君成長の回。
    「どうでもいい」というのは、ひどく傲慢なこと。
    気付かせてくれる人たちがいて、よかったね。

  • シリーズ第3弾。
    他人に興味無しの太一がどんどん成長していきます。
    鈴子さんの人柄も明らかになってきてます。面白いシトやな。
    采奈との関係も発展…している気が!
    若いってすばらしい!

  • “―――君は他の人のことなんか、何も見てないよ。
    自分が何を見ていなかったのか、もう一度考えたらわかるだろうか。
    ずっと先延ばしにしていた、その答を見つけられるだろうか。
    (家に……)
    太一は唇を噛んだ。
    (家に帰ろうか)
    父とその再婚相手に、家に帰ってもう一度会ってみよう。
    空栗荘に来てから初めて、太一はそう思った。”

    溶けた雪女にとりつかれた太一が色々なことに気付き初めている話。
    雪女は、あれかな、今はやりのツンデレかな(多分違)
    健気に頑張る采奈も好き。
    この物語はあと一冊で完結だと。
    采奈には幸せになってほしい。
    でも鈍い太一が好きだ。

    “「あ、編み目とかとんでるしっ」
    太一は手袋をはめた自分の手を、ぐっと握りしめた。
    思い切って、言った。
    「……でもこれ、暖かいから」
    「え?」
    采奈は驚いたように彼を見た。”

    空栗荘の人は皆好きだ。
    だって、面白い。
    鈴子さんも意外だったけど好きだ。
    可愛い。

    “「大丈夫、太一君?」
    まだ畳の上で潰れている太一の傍らに、心配そうに古都子が屈み込む。
    「は、はい。なんとか」
    そうか覚悟ってこういうことか。でもそれだったら先に言っておいてほしかったと、太一は思った。
    「やれやれ。どこまでいっても力業な男じゃのぅ」
    「まったく乱暴だねぇ。女にはもうちょっと優しくすることを覚えないと、あれは先々苦労するよ」
    「オイラ、何があってもあいつだけは祓われたくねえ」
    ひそひそ。妖怪たちは聞こえよがしに囁きあっていたが、
    「―――うるさいで、おまえら!」
    ミヨシに剣呑に睨まれて、素知らぬ顔で口をつぐんだ。”

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著者プロフィール

大阪生まれ。『出てこい!ユーレイ三兄弟(ブラザーズ)』でデビュー。ファンタジーとホラーのジャンルで活躍。「封殺鬼」シリーズ 、「カラクリ荘の異人たち」シリーズ、「九十九字ふしぎ屋 商い中」シリーズ、「あやかし同心」シリーズほか、著書多数。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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