数学ガール/乱択アルゴリズム (数学ガールシリーズ 4)
- SBクリエイティブ (2011年2月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797361001
作品紹介・あらすじ
確率とコンピュータの深くて不思議な関係とは?「僕」と四人の少女が、乱択アルゴリズムの世界に挑む魅惑の数学物語。
感想・レビュー・書評
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数学ガール第4弾。公理的確率論とアルゴリズムの話。
アルゴリズムにランダムな要素を導入することで「平均的に」良い結果を出すという発想が面白いなぁと。というのは、何となくアルゴリズムは入力から出力を繋ぐ一本の道のようなもので、確率的なものが入る余地がないように思っていたから。そう言えば、強化学習でも探索と活用の割合を決めるのに乱数が使われていたなぁと思ったり(これはまだ勉強途中だけど)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
確率論、線形代数、行列、計算量、アルゴリズムと縦横無尽に展開。とりわけ乱択アルゴリズムに唸らされる。未知の分野だった。
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「さっきの乱数表の話。<乱数表の数字を一つ書き換えても乱数表か?>」「うん?・・・別解?」「こういう答えはどう?<そもそも、乱数表というものは存在しない>」「ほう」「あるいはまた・・・<乱数表かどうか>という二者択一の問いがまちがっているのかも。<どの程度の乱数表か>というランダムさの度合いを評価すべきかもしれないよね、先生!」・・・順列、組み合わせ、確率を経て、ランダムネス、その魅力と真価に触れる。
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タイトルから数学ガールが計算機ガールになったのかと思ったが,読んでみるとランダムアルゴリズムを理解するために必要な数学が全部書いてある.場合の数,確率,期待値,マルコフ連鎖と行列の対角化,漸近解析など.それに加えて,アルゴリズムの解析やサーチ,ソートなどの基礎的なアルゴリズムの理論.大学だと1,2年生で習うことかな.これだけ書くと,読むのが大変そうなのだが,記述は繰り返しをいとわず,飛躍もなく丁寧なので(何といっても450ページ以上のボリューム),ある程度の知識と根気強さがあればすべての数学を追うことができる.そういう意味では,フェルマーの最終定理の巻よりもこちらの方が楽しめる人も多いのでは.私としても,大理論ばかりを追いかけないで,地道なこういう路線を今後も期待したい.数学の好きな高校生や大学にはいって数学の勉強を始めたばかりの人には特におすすめ.
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確率の話、行列の話、コンピュータのアルゴリズムの話。
女の子の登場人物がまた増えて、ついに4人に。現実味が薄れてくるなぁ。
アルゴリズムの話は、面白いのは分かるが、数学ガールで取り上げるネタとしては、何だかずれているように思った。
表題の乱択アルゴリズムについても、確率とのつながりを濃厚にするならば、最短で見つかる確率と最長で見つかる確率を変動することは出来ないが、確率分布を変えているのだと言うことが伝わるようにした方が良かったのではないかと思った。
クイックソートにランダムなフィルタを噛ませることで制御性が上がるという話は、ディザリングを加えることで可聴帯域のノイズを減らすノイズしぇーぴんぐにも通じる話だと感じた。
ソートやサーチのアルゴリズムの話は、ある意味陳腐な内容だから、ちょっとつまらなく感じた。 -
読んだというか、眺め終わった。これまでの数学ガールのシリーズでいちばん理解できたかもしれない。身近なアルゴリズムの話題だったし。
クイックソートの最悪ケースを改善する乱択アルゴリズムが話題になったときにわかってなかったことが、ようやく少しわかった気がした。 -
数学ガール4作目。難しいことを簡単に説明しようしてくれています。この本では基本的な部分がくわしく説明があります。最終章の「乱択アルゴリズム」の解説や評価までとても、丁寧に説明されており、実際にステップ数を計算しているので、アルゴリズムのオーダーなどについて理解できるでしょう。数式意味していることをイメージしながら理解出来るような書籍です。
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数学シリーズなので内容は難しいが,確率や確率過程など,現実と照らし合わせることがしやすい範囲なので同シリーズの他本に比べると読みやすい.
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数学ガール4作目。
過去3作読んでいるが、読むたびに高校生に戻りたいと思う。
高校3年の「僕」の将来が毎回気になる。
そしてリサが出てきても、やっぱりテトラ推しだな。
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数学Cまで高校で勉強したが、行列・ベクトルそれぞれは出てきたものの、それぞれと線形性が交わる部分は、ちょうど自分の世代で大学に移行されてしまったのを思い出した。 -
数学ガール/乱択アルゴリズム (数学ガールシリーズ 4)
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積んどいた本を読了。数学の楽しさを再認識。たかだかnのオーダーの考え方が、アルゴリズムの優劣を決めるということは知らなかった。理論から良いアルゴリズムが創れるのだ!
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シリーズ第四弾。
新たな数学ガール・リサが加わった。
今回はコンピュータ・プログラミングを意識した数学となっており、しばしばソースコードめいたものが登場するので、プログラミングに慣れ親しんでいない僕はなかなか苦労した。
内容は順列、組み合わせから始まり、乱択アルゴリズムを使ったソートプログラムの評価に至る。
相変わらず後半はレヴェルが高くて理解が追いつかないが、登場人物の関係性に少しずつ変化が見られ、小説としても面白い。 -
おじさんには入りやすい内容ですな。全く理解できない楽しさが半減ですな。
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面白いには面白い。思ったほどの理解のしやすさではなかった。これ以上は無理ってことかな。けど、大学の計算量関係の講義で、これくらいの話をしてくれていたら、また違った景色が見えていたかも。
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場合の数と確率のわかりやすい数学の読み物。高校時代に一度出会いたかった。場合の数からアルゴリズムの橋渡しが秀逸で、すんなりと頭にはいる。
アルゴリズムとは手順であり、場合の数である。
その最小が最適化することである。 -
数学ガール-4。
C0041 -
最近流し読みの癖がついてたので、久しぶりにじっくり本を読んだ
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数学って孤独じゃないよね。
勉強してると不意に1人だなと感じるけど
真の意味では問題を解いてる私は孤独じゃない。
テトラちゃんの考え方好きだ。感動した…
個人的には色んなタイプの女の子と天然ジゴロな主人公って構図が少し苦手。でもこの本、その苦手感を忘れさせてくれるくらい扱ってる数学のトピックが魅力的。 -
数学ガールシリーズ第4弾は、現代数学の基礎からちょっと離れ、アルゴリズムへ。読者層を考えると、適切な選択かもしれない。なんせ理系なオタク層向けとしか思えないキャラ設定だから。
最初の方は、確率論。特に直感に反する確率として有名なモンティ・ホール問題に、分かりやすい説明を試みる。確率を煮詰めるという例えは確かに、これまでに読んだ中では分かりやすいと感じた。
中盤からは、擬似プログラム言語を使ったアルゴリズムの基礎。大学でちゃんとアルゴリズムを学んでこなかった人向けに、社会人SEの1年目の教科書にしたい。
より早いアルゴリズムを目指し、乱択の思想にいたる。ここで前半の確率の話が生きてくる。とはいっても、モンティホールとか、事後確率とか、そんな現代確率論は全く不要。その点で、他の作品に比べて、つながる快感は少ない。
そして、シリーズの中心課題、ミルカ様とのやりとり。そうか、ここで発展するのか。うらやましい。以上。 -
数学ガールシリーズ第4作。
今回は更に新キャラクターが加わり、物語の方もますます充実。双倉博士の娘、赤毛のリサ。実際、今回の物語には欠かせないキャラクターではないだろうか。しかし...、主人公がますます羨ましい。
学生時代は、さほど計算機関係に興味があったわけではなかったので、アルゴリズムや確率の話は興味の対象ではなかった。ただ、大学卒業時のゼミの一つで、確率論の講読があったので自分でも勉強しようと確率論の教科書を買った。コルモゴロフの教科書で、いきなり公理から始まる。後に、経験的事実との関連も簡潔に述べられてはいたが、もちろん数学科ではない自分の中ではうまくリンクせず、理解にはほど遠いなんだかよくわからない事だったのだけは覚えている。
この本では「例示は理解の試金石」をキーワードに、学生時代にどうしても腑に落ちなかった内容が、もう一歩踏み込めた事を感じさせてくれた。さらに、アルゴリズムの具体的なステップ数の計算や、さいころがコインに変わるインディケーターの話を通じて、確率と連立方程式、オーダー評価がアルゴリズムと密接に関係し合っている面白さを知る事が出来た。これをもとに、もう一度コルモゴロフの確率論を読めば、理解が深まりそうな気がするのだが...。
主人公の「ぼくはばかか...」と言うくだりや、テトラちゃんが発表の内容になんでも詰め込もうとする気持ちは、自分でも経験があり共感の連続だった。
数学ガールシリーズの面白い所は、学校での勉強で個別に学習する分野が、互いに関連し合う現場を具体的に描き出してくれる所にあると思う。読み物としても楽しめるし、少し高度かもしれないが、中学生や高校生にはぜひ読んで欲しい一冊だ。 -
昔学んだはずなのに結構忘れていて思わずノート片手に数式を書き連ねてしまった。テトラちゃんの存在は読み手としてもとてもありがたい。しかも、対話形式なのでわかりやすくなっていると思う。読むだけならそれほどでもないけど、ちゃんと数式を追いながら読んだら結構時間かかってしまった…けれども他のシリーズを思わず読んでみたくなった。もう10年くらい前にあれば良かったなーと思います。
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新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:410.4//Y97
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ちょっと気取って、読んでみるが途中から単なる小説と化してしまう。
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プログラミングに関連の強い「確率」「行列」「充足可能性」などを題材にした、数学とアルゴリズムのお話。アルゴリズムの勉強の導入としていい本だと思う。
前半は登場人物の疑問や発見を交えながら問題を非常にゆっくりと解答するが、後半になると一気に計算が進むのがこのシリーズの特徴なのかも。 -
理数理 ユウキ||20||1 11745923
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小説の部分は私はまるっきり受け付けずに嫌悪感すら感じたが、説明に関しては素晴らしい出来
高校生が読むとかなり幸せになれるかもです