- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797364118
感想・レビュー・書評
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なかなかわかりやすかった。
15年前のクロール泳法の常識が、いまではまるで変っているというのに驚き。もっと科学的、合理的に解明され尽くして、ベスト泳法があると思っていた。
著者がアメリカの練習法を見て盗み、考案したのがフラットスイムらしい。著者の説明は論理的で、理解しやすい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
水泳を続けて20年になるが、
最近は、速さや回数には、全くこだわらなくなった。著者の言う、頑張らないクロールが「できる」ようになった。
日本のスポーツは、ほぼ部活から本格的に始まる。その意味は、競技スポーツにおける実績を残すことにある。つまり、これは、点数化、順位化を強制的に行わす過程で、公平な競争を経験する上で、非常に優れた制度だと思うが、一方では、スポーツ嫌いを大量に生んでいる。
水泳でいうと、スピードつまりタイムを上げることは、少なくない人が目指すことで、また距離や回数は、効率的な練習を行う上で非常に重要な指標となっている。
区民プールの様子が、この10年ほどで変わってしまった。以前は、社交という機能があったが、現在は、如何に効率的に泳ぐかを第一の目的とするスイマーがあふれるようになった。ある人は、速さを求めて、またある人は、距離を求めて、求道者のような感じで、泳いでいる姿が、当たり前に見られるようになった。
スポーツを長く続けるには、様々なコツがあるが、その中でも、頑張らないというのは、かなり本質をついていると思う。
私の場合、水泳の目的は、自分の今の状態を知ることにある。自分の今のカラダの状態、もちろん精神状態を含む、これらが、今、どんな状況を知るために水泳をしている。
カラダが疲れているのか、肩が凝っているのか、
精神が乱れているのか、いったいどういう状況なのか、詳しく知りたいから、わざわざ泳ぎにいっている。
べつに水泳じゃなくてもいいじゃんと思うかもしれないが、まさにご明答で、水泳じゃなくてもいい。ランニングだろうが、サッカーだろうが、野球だろうが、自分の状態を知ることができる。
なんで人間は、スポーツなんてものを開発したのか?その理由の1つが、スポーツをすることで、自分のカラダとフィードバックすることが出来て、自分の状態を知れるからだろうと思う。
もちろんスポーツは、それをすることで、健康的になれるし、気分が良くなるし、また、ある競技で、
競争に勝ち、類稀なる成績を上げれば、お金と名声が手に入り、ヒーローになれる。しかし、それを目的にすると、大部分の人が、失敗する。
スポーツをする=健康になるという考えは、
ずっとあるが、ここ最近は、エビデンスでも実証され、ランニングなどは、20年前と比べても、競技人口は、どんどん増えている。健康になれる、美しくなる、老化防止、何か今は、強迫的にそれらを求める人が増えた。
〇〇になるために、スポーツを続けるというのは、
一見非常に合理的な理由に思われるが、それができるほど「人間は単純ではない」と思う。
やはり、スポーツを続けるには、色んな目的があっていい。私のように、自分の状態を知るために、水泳を続けているという目的もあっていい。これを目的にすると、毎回違う状態の自分を発見できる、これほど面白いこともあまりない。 -
クロールの最新の泳ぎ方が新書サイズにまとまっている本
泳ぐ習慣のない人向けに、普段の生活でできるトレーニングも紹介されている
ただ実際の泳ぎ方については、写真や動画のほうが効果的だと感じた。
水泳読み物として楽しめた。 -
タイトルが良い。それと、本文よりも「はじめに」が良い。
「自分以外の他者とのコミュニケーションで大事なことは、その人を一人の人間として認めること、そして理解しようとすること。」
本文で良かったのはこれ。
「でも、呼吸は、肺の中にある空気を半分吐いて、半分吸う、このくらいでいいんです。」
クロールの泳法は4年に一度ぐらいの周期で大きく変化していると著者は言う。昨日の常識は通用しないというわけだ。ところが、著者の推奨するフラットスイム理論のフラット姿勢だけは、「未来永劫変わることのないポイントとなりうるだけの価値ある技術」と書いている。これはちょっといただけない。
いずれにせよ、50mは泳げるが、1kmは無理、でも泳ぎたいと思っている一般の読者には、トップスイマーの泳法の変遷は関係ない。私が知りたいのは、誰でも1km泳げる方法であり、イアン ソープの速さの秘訣ではない。
がんばらないで1km泳げるようになりたいと思った私がそもそもの間違いだったようだ。この本の購入を検討されている方には、柴田義晴氏の「ゆったりクロールで長く、楽に泳ぐ!」を強くお薦めする。数多くの気付きが得られる。 -
本年初のブックナビに参加。今回は一テーブル当たり10名とちょうど良い人数でお話しができました。この少ない人数にもかかわらず本がカブる人がいてビックリ、アマルフィーは本当に良い観光地みたいです。