奇跡を呼ぶ100万回の祈り

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797365726

感想・レビュー・書評

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  • 50年にわたり生命科学の世界に身を置き、遺伝子学の世界的権威となった著者は、「どれだけ科学技術が発達しても、おそらく不可能だろうと思うことの方が実は多い」と語ります。
    これまでの研究では、人知をはるかに超えた叡智そのものに触れて感嘆することが何度もあったと言い、目には見えないが確実に存在する「大いなるもの」に畏敬の念や祈りをささげるようになった著者は、それを「サムシンググレート」と呼びます。

    それら、科学がまだまだ及ばない深遠な領域に対する謙虚さをなくしてしまうことは、逆説的に科学の可能性も閉ざしてしまいかねない。
    そういった不確かなものに対して謙虚な気持ちで対峙している著者が、「祈り」という古来の習わしをとても大事に、そして懸命に科学しようとする姿勢には心から敬意を抱きます。

    この本を読んで思ったのは、私たちが普段なにげなく生活している中で、「祈る」ことが多々あること。
    著者によれば、古来から日本人が「祈りの民」であり、そういった遺伝子が自分にも伝えられているとのこと・・・まさに「サムシンググレード」の一旦を垣間見る思いです。

    あまりにも多くの物を失った今回の東日本震災。
    それを受けて、我々がすべきことは「祈る」ことなのだと、素直に勇気づけられます。

    そして、人知を超えたものの働きを考えるきっかけを与えられた今、どのような「祈りのある暮らし」を送るべきか。
    ただ祈るのではなく、本書には、具体的な結果の出る祈り方のコツもわかりやすく伝えています。
    具体的には、「誰かのために祈る」と叶いやすいとのこと。
    近年では「自己啓発」という言葉に代表されるように、自分のことばかりに意識が向いている人が多い中にあって、身につまされる思いがします。


    震災から私たちの生活が一変した今、この変化こそが「祈り」と「行動」をするきっかけを与えてくれたと著者は言います。
    これから直面するであろう新しい世界、私たちが突きつけられている変化は、自然との「調和」を取り戻すように与えられた行動の機会と言います。
    それはまさに「晴耕雨読」の生活を思い起こします。

    とはいえ、いったい自分に何ができるのか、自分ひとりの力で何が変わるのか。
    本書にはダライ・ラマ14世、ベティ・ウィリアムズ氏など偉人たちの言葉の数々を踏まえ、「私たち一人ひとりにできることはたくさんある」と、希望に満ちた言葉で教えてくれ勇気づけられます。


    『私たちの遺伝子すら揺り動かす「祈りと行動」が、これからの日本の復興の原動力となる』と力強く宣言する本書。
    「この大震災で日本人が失いかけていた、他人を思いやる心や絆を思い出すきっかけになった」
    後世でそう認識されるよう、今は少しでも祈りの力とともに行動する時、自分もその一役を担ってみたいと切に感じます。

    謙虚であること、そして日々に感謝する気持ちを新たに思い出させてくれた本です。

  • 科学者が導く「祈り」。
    あれこれ悩む前に明るく「はい!」と答える。結局何とかなるだろうと「アホ」みたいに信じる。

    考えれば息が詰まりそうになる悲観的な未来を、反転させる力をもつのが「祈るアホ」だ。

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プロフィール

1936年生まれ。筑波大学名誉教授。63年京都大学大学院農学研究科農芸化学専攻、博士課程修了。同年、米国オレゴン医科大学研究員。76年、米国バンダビルト大学医学部助教授。78年、筑波大学応用生物化学系教授となり、遺伝子の研究に取り組む。83年、高血圧の黒幕である酵素「レニン」の遺伝子の解読に成功、世界的な業績として注目を集める。イネの全遺伝子暗号解読のリーダーとして活躍した。現在、「心と遺伝子研究会」の代表を務めている。96年、日本学士院賞受賞。著書に『生命の暗号』『遺伝子オンで生きる』(いずれもサンマーク出版)、『そうだ!絶対うまくいく!』『望みはかなうきっとよくなる』(いずれも海竜社)、『スイッチ・オンの生き方』(致知出版社)など多数。

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