数学ガール/ガロア理論 (数学ガールシリーズ 5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797367546

作品紹介・あらすじ

現代数学に大きな影響を与えたガロア理論とは? 「僕」と4人の少女が軽やかに解き明かす、魅惑の数学物語。エヴァリスト・ガロアに捧ぐ。

今回のテーマは、ガロアの群論です。
ガロアは、1811年にフランスで生まれ、十代で後世に残る数学上の業績を打ち立てるものの、決闘によりわずか20歳でその生涯を終えた天才数学者です。
数学者の仕事としては、彼が創始した群論という概念から、アーベルによる「五次以上の方程式には一般的な代数的解の公式がない」という定理(アーベル-ルフィニの定理)の証明を大幅に簡略化するとともに、一般の方程式がどんな場合に、代数的な解を持つかを明らかにしています。
このように代数学で重要な役割を果たすガロア理論は、現代数学の扉を開くとともに、20世紀、21世紀科学のあらゆる分野に絶大な影響を与えています。
本書では、「僕」と4人の少女が、ガロア理論の基礎を読み解いていきます。

感想・レビュー・書評

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  •  本書は個人的に数学ガールシリーズで一番読解が困難な一冊でした。

     読了しましたが、正直数学的な解釈の部分は半分も理解できませんでした。

     しかし、ガロア氏の激動の生涯がテーマとなっていくこともあり、物語として楽しめました。彼は20歳で命が絶たれましたが、自分のできなかったことを論文として未来に託した。

     そのドラマを本書の登場人物が引き継いでいくシーンは熱くなるものがありました。

  •  「数学ガール」シリーズの第5作。テーマはガロア理論。
     9章までは知っていた内容で特に詰まらず進んだが、ラスボスの10章ガロア理論はかなり難解。理解するのに苦労した分、と言ってはなんだが、目の前に現れた体と群の結びつき・対応関係は非常に美しい。対応というのは例えば、ある補助方程式に関する体の正規拡大は方程式のガロア群の正規部分群への縮小に対応し(本文中の定理3)、しかも正規拡大の拡大次数は正規部分群による剰余群の位数に等しい、など。(もっとも、本書はガロアの第1論文の主張を紹介しているだけなので、証明等を知りたいと思ったら別の本を参照しなければならない。)
     いつもながら女子ばっかりが出てくるラノベ的設定はどうも苦手だが、それ以上に、全体の構成に無駄がなく、予めこの問題を扱っていたのは後でこう繋がるのか、と最後には思わされるのが凄いところ。

     本文中にもあるが、本当にガロアが決闘に命を散らすことなく長生きしていればどんな素晴らしい発見を手にしていたのだろうかと思わずにはいられない。

     以下、僕が最初に読んだときに詰まったところのメモ。
    ・あみだくじの置換の記法は一般的な記法とは異なるものを採用している(p326にそれについての記述がありますが)
    ・p315の剰余類は、特に左剰余類のことを言っている(これもp319に記述があります…)

  • 数学的対象を掌中のものにしようとする工夫と苦闘がこれでもかというぐらい丁寧に書かれている。

    最後の10章の方程式の可解性を論じたガロア理論が難しいとの声が散見されるが、本格的な数学書や入門書を渉猟してきた体験からするとガロアの原論文の佇まいをそのままに解説してくれた本書はかえって新鮮だった。

    不完全性定理の巻に比べると置いてきぼり感はない。

  • 後半は理解が追いつかなかった。

  • 線形代数を勉強中で、読み物として勉強になると思い、この本を手にとった。気づきもあるが、正直後半を理解するのはきつい。。

  • ガロアの名前だけは聞いたことがあったが、大学の数学ですっかり挫折したため、一生分からないだろうと諦めていた。高等数学はそれまでの数学と違って、急に抽象的になり、イメージとしてつかむのが難しくなる。理解するには頭の切り替えが必要だが、専門書はさらっとされを流していて、いつも迷子になっていた。しかし数学ガールのシリーズは、頭の切り替えに多くのページを割いて、迷子にならないように手を引いてくれる。
    そういう構成のため、ガロアの第一論文は、証明の流れを追うだけで、かなり端折っているが、一応は何が言いたいのか位はわかったので、後は自分で調べていけそうである。
    JK、JCと一緒に学ぶストーリーは、合わない人も多いだろう。特に、電車が止まって図書館に泊まるところは、何狙いか分からない。しかし、それだけでこの本を避けるのは勿体ないと思う。

  • 「ところで、線形空間を考えると何がうれしいんでしょう」

    数学ガールは、「なんの役に立つの?」なんて野暮な質問はしない。

    かわりに、「何がうれしいの?」と問う。

    そういうところが、すごく好き。

  • 数学ガールの最新作。今回はガロア理論を取り上げている。
    数式の部分は正直追い切れないが、それでもところどころ霧が晴れて視界が広がるような、そんな感覚を覚える瞬間がある。それがこのシリーズの特徴でもある。
    とにかく最後のガロアの第一論文の、順番に解説している部分は圧巻である。

  • ガロアの生涯についての話しを聞いて、余りにも潔い人生に驚いて興味もった

  • ガロア理論。いわゆる代数。

    あみだくじで最後まで突き抜けるのはすごい面白かった。
    こう、ひとつのゴールに向かっていろいろ周辺分野をぐるぐるしながらいつの間にか繋がってゴールに収斂するっていうこのシリーズの良さが出てた。

    最後2章は結局よくわかってないので、代数でも勉強しようかという気になった。

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著者プロフィール



「2023年 『数学ガールの秘密ノート/数を作ろう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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