キャリア官僚の仕事力 秀才たちの知られざる実態と思考法 (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797368697

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすい、わかりやすい

  • 脱藩官僚 公憤、内部告発、留学して退職
    マスコミ報道 悪者・エリート
    課長から上の部長・審議官→局長→事務次官 頭でっかちの者はある程度排除される。

    利害関係者(ステークホルダー)多い
    国会 年明けから6月まで→5月タウンミーティング→4月学者意見聴取

    朝9時半登庁→メールチェック、関連資料
    11時→上司へ仕事の進捗報告
    電話対応
    昼食
    14時→審議会準備
    16時半→国会議員説明
    17時半→厚生労働白書 担当部分執筆
    20時→国会答弁

    頭脳系
    ①読む→大量の政策関連文書②調査→諸外国の事例調査③分析④情報処理→企画立案⑤書く→白書等の執筆
    プロセス系
    ①説明・説得・折衝→政治家、業界団体②瞬発力→マスコミ対応③相場観(仕事の方向性を感知する力)④危機察知力(危ない仕事もある)⑤リスクヘッジ力(梯子を外された時)

    参考文献の読み落とし→厳しく責任追及 Nature

    議員「3分で社会保障を説明してくれ」→どうすれば分かりやすいか?どうすれば説得できるか?→咄嗟の機会に備える。

    相場観 詳しいことは即答できないが、過去の経験をベースにあるラインの解答をする→相手は納得

    中央官庁 係員→係長→課長補佐→企画官・室長→課長

    議員案件→人当たりのよい局長、腹の据わり方(動じず、政治家に気を使いながら、政治家を平気で騙す)

    役所は恐ろしいくらいに権限委譲が進んでいない→些細な意思決定、リスクを嫌う、何でも知っておきたい習性

    国会答弁 長時間残業 タイトな締切で大量の仕事→職場は殺気立つ
    交通整理 誰にどういう仕事をさせるか

    上司を説得するテクニック 電話口で怒鳴り合う→上司「タフな交渉をしているな」
    組織人の交渉相手は敵味方含めて複数いることを肝に銘じ、広角的視野をもって臨む

    官僚 仕事体力 意外に運動音痴は少ない 文武両道

    真面目な部下ほど締切ギリギリまで自分を追い詰める→仕事の質より締切を重視

    無理な締切は拒否しろ 締切を真面目に守ろうとするとバカを見る

    ILO 「バカンスだから早く書類を出せ」

    書くために読む→書く仕事が多いと書き手の視点で資料を読むようになり、報告書や著者の意図を見抜けるようになる。→「これが言いたいんだな」「ここをごまかしているな」
    テレビ=受身 ×受身で読書
    関連分野の新書を読む→巻末の参考文献を見る→何度も目にする文献→☆全体イメージをもつ
    関連団体の報告書→後の言い訳にできる。

    目次を見る→論理展開を端的に表現しているか?
    長い報告書でも読むべきところは数章しかない。
    国際機関で働く人々→それほど仕事の能力が高いとは思えない。
    英文 Summary → Conclusion → Introduction
    アメリカ大学院 アサインメント 友人「全部読めるわけないだろう」

    文書作法 マニュアル本程度では上達しない→マニュアル化のしようのない分野
    優秀な上司は文章の論理の乱れを指摘する。

    帰納法 根拠を列挙 1つとして、…2つとして…、
    抽象と具体の使い分け
    接続詞の有効活用 使い方を学習すること

    霞が関文学→様々な調整、関連する政治家→各自が有利に解釈できる玉虫色の文章

    「都市の空気は自由にする」
    使える人間であれば左右を問わない。
    どのアイデアが最も国や国民を豊かにするのかという判断基準が、すべてに勝る。

    官僚のヒアリングには大半の人が協力的

    官僚の恐ろしい集中力 騒々しい中、法律改正のジグソーパズル
    官僚独特の共通会話 「いつも模試で3番の○○か」「数学同好会」

    国会議員からのレク要求→相場観「こんなラインの説明で納得してくれるだろう」
    相場観 難しい仕事を引き受ける→後の人心掌握につながる

    相場観の方程式の確立 新潟県庁コンピュータウイルス感染 マスコミ沙汰→
    ①現状②問題点③課題④解決策

    短い人事ローテーションの繰り返し→短時間で仕事の全体像→相場観
    1分で説明→訓練→ポイントを突いた説明
    若い時の苦労は買ってでもすべし→相場観の醸成

    事業仕分け カメラを前に官僚が悪者としてコテンパンに叩かれた。→財務省が各省庁の突かれると痛いところを入れ知恵

    霞が関の受験秀才 観察眼が非常に優れている→お手本をじっと観察して、そのいいところを吸収

    マスコミの扱いがうまい国会議員が民意を煽れば財務省でも即座に潰れる。
    東大卒のエリート→ゴマをすると効果的、政治家はギャップに騙される。

    30代で新潟県情報政策課長 マネジメントの経験 仕事は下を見てするもの

    審議会 スケジュール調整が邪魔くさい

    各省庁から首相官邸への連絡経路が確立されていない。
    財務省主計局、外務省、防衛省以外の連絡網はないのではないかと思う。

  • 普段なかなか知ることのできないキャリア官僚の仕事ぶりや、どのように出世していくかなどがわかって面白かった。また彼らが非常に優秀であるということも改めて感じることができた。

    ただ自分の実生活に反映させられる例が少なかった事は想定内であったが残念であった。

  • 文書にしてしまうと、なるほど、こんなもんかと感じますが、中央官僚の仕事振りはほんとうにすさまじいものがあります。限られた時間の中で、ある一定の品質のアウトプットを出す彼らの仕事のやり方は目を見張るものがあります。この手の著書があまりない中、手法を参考にできる貴重なものかとおもいます。

  • 02.03.18

  • 本書で紹介されてる官僚の仕事の流れとかは、特に真新しくもなく見方が変わったというようなことはないけど、ところどころ参考になるところはあった。
    わからないまま悩むより、上司に相談に行けってこととか、「◯◯はどうすればよいか」と尋ねるのではなく「◯◯はこのような方向で進めていこうと思いますがよろしいでしょうか」というのが良いとかいうのは、特に前者は某学校で、わからないまま悶々として周囲に迷惑かけるより、指導受けで自分が何度も怒鳴られたりする方がどんなにマシかってことを実感したし、後者についてもこれだけは覚えておけと座学でもいってたけど、うちの組織特有のやり方ということでもなかったんだな。

    付箋やクリアホルダーの活用は実践してみたい。

  • 官僚に必要な仕事力とはなんぞや。
    と今更思って手に取りました。課長補佐まで勤めた厚生労働官僚の方が書いた本だからか、経験に裏打ちされ、なるほどと思う点が多かったです。

  • 大崎Lib

  • 一時期流行った、官僚の仕事術系の一冊。著者は、厚生労働省のキャリア官僚から、大学教授に転身した人物。官僚の仕事の中核はインプットとアウトプットを繰り返す知的業務であるなど、官僚の日常や仕事の進め方がよくわかる。
    ただ、肝心の仕事術については、他の類書と比べて、あまり参考になるような点は少なかった。そのなかでも、仕事のスケジュール管理として、仕事の締切を短期、中期、長期に分けてそれぞれ、付箋、クリアホルダー、チューブファイルorノートで管理するという手法は参考になった。また、「書くために読む」というアウトプットを意識した読書や調査という姿勢も見習いたいと思った。
    あと、官僚の優秀性を強調しているが、本書を読んでも、正直、どういう点が優秀なのかがあまり伝わってこなかった。官僚の仕事の非効率さはよくわかったが。

  • ◆キャリア官僚の仕事からみえてくるしたたかな仕事術を描き出している本です。ドラマで「官僚」といえば、えてしてその知識を利用して金儲けに保身にと悪事の限りを尽くしている存在ですが、実際には、国民や国会議員、業界団体、経営者団体、労働組合といった全方位の人びとを相手に、しかも調整を図りながらの激務。その激務をこなすためには、情報処理・生産能力だけではなくて、情報入手のために飛び回るフットワークの軽さや、処理した情報を人に分かりやすく説明する能力、そして利害調整を行うためにゴマをするような交渉能力(と度胸)など、さまざまな能力が求められます。◆たとえば、上司をも騙して話を双方の妥協点にもってゆくというしたたかな仕事術などには、まさに「キャリア官僚の仕事力」を垣間見ることができます。◆また、その仕事場は、一方では怒号が、もう一方では議論熱が絶えません。さらに他方では、そんななかで自分の作業に完全に集中している人もいる。実際の官僚仕事やその制度にある問題も指摘しながら、その実態を活き活きと描き出している、面白い一冊でした。 ◆分かりやすい内容ですぐに読める文章量なので、官僚にすこしでも関心のある方におすすめしたいです。

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著者プロフィール

神戸学院大学現代社会学部教授。1964年、奈良県大和郡山市生まれ。同志社大学文学部英文科卒業、The School of Public Polich, The University of Michigan 修了(公共政策修士)、新潟大学大学院現代社会文化研究科(博士後期課程)修了(経済学博士)。大和郡山市役所勤務ののち、旧労働省入省(国家公務員Ⅰ種試験行政職)。厚生省生活衛生局指導課課長補佐(法令担当)、新潟県総合政策部情報政策課長、厚生省大臣官房国際課課長補佐(ILO条約担当)を経て、2004年公募により兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科助教授、その後教授。2014年より現職。2007年官房長官主催の「官民人材交流センターの制度設計に関する懇談会」委員、2008年からは国家公務員制度改革推進本部顧問会議ワーキンググループ委員を務める。主な著書に、『天下りの研究』『公務員バッシングの研究』(明石書店)、『政治主導はなぜ失敗するのか?』(光文社新書)、『間違いだらけの公務員制度改革』(日本経済新聞社)、『財務省支配の裏側』(朝日選書)など多数。

「2018年 『没落するキャリア官僚 エリート性の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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