遠藤保仁がいればチームの勝ち点は117%になる データが見せるサッカーの新しい魅力 (SB新書)
- SBクリエイティブ (2012年7月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797369359
感想・レビュー・書評
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これはつまらない
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サッカーの面白さと数字の面白さをミックスしていて、面白い。
ただ、数字では現れない、ディフェンスラインの統制やポジショニング、メンタル面の要素があるからやっぱりサッカーは面白い!
単純に勝ち点117%と言うと統計解析に否定的な方にはオススメできませんが、客観的な数字へ「なるほど!」と唸らせる説得力は充分にある。 -
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膨大なデータを丹念に分析して、サッカーをデータによって解釈することを試みている本。
内容はまあそうだよねという感じだが、解釈のプロセスや考え方は参考になる。
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一方で、「とは言っても数字だけじゃ無理だよね」という感覚が沸き起こってくるのが良く分かる。
確かに「数字で全てが語れるわけではない」という合理的な面と、
「自分の信じている直感に反する」というヒューリスティックな面が
両方とも含まれているはずである。
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良いタイトルを付けたもんだ。野球と比較して数値化、記録化されにくいとされてきたサッカーを、統計学を駆使しながら、徹底的に数字で表現する本。面白いなあと思う部分と、何を数字にするかがミソだなあと思う部分と、数字に表しにくい人間関係とか流れとかがサッカーとしては面白いんだよなとか。
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野球(の特に攻撃は)数学的おもしろさであるのに対して、サッカーは詩的美しさがある。というのは、大学に入りたてでかぶれていたころの私が考えていたことだ。
それだけに、たまたま居間に置いてあった『マネーボール』を読み終えた時の驚きは強かった。
野球にこんなに数字が使えるのか、ということにではなく、こんな数字が大切だったのか、ということにだ。
新しい世界の扉を開かれたような気がした。
(とはいえ、だいぶ昔に鳩山元総理が似たような部分を含む「野球のOR(<特集>スポーツのOR)」という論文を書いているのだが、それは後で知った話。http://ci.nii.ac.jp/naid/110001186623)
同じような分析がサッカーにまで持ち込まれていると聞いて、本当にできるのだろうかとはじめは懐疑的だった。
確かにシュート数やアシスト数といった指標はある。
しかし、ディフェンス面での指標は?
世界のスーパースターたちのドリブルや視野の広さはどうやって表現できる?
自由度が高く、区切りの少ないスポーツ(≒一つ一つのプレーが結果としてみえにくい)を数値化するのは難しいのではないかと考えたからだ。
野球でも守備を数値化するのは、打撃や投球よりも難しいだろう。
(今は分析がなされているらしい。ゾーンレーティング、プラス・マイナス・システムなど)
しかし、この本を読み進めていくと、なるほどと思わされる。
Jリーグで数百数千に及ぶ項目について数字がとられているというのは、恥ずかしながら初めて知ったが、その数値によって選手を評価し、得点/失点あるいは勝ち点の期待値とどのように結びついているか、統計学的に分析していく。
その手法は説得的であり、(用語法の部分で違和感があるところはあっても)納得できるものだった。
Jリーグの試合を数多くみているわけではないのだが、期待される選手についても、きちんと評価されるものになっているように思われた。
筆者の言うようにサッカーは居酒屋談義の的になり、システムから選手起用、一つ一つのプレーに至るまで多くの「仮説」が出されてきた。
そして、この本はそれに対して、ひとつの解答を与える。
解答を与えることは、見方を固定することではなく、新たな観戦の仕方を与えることになるだろう。
本書と『マネーボール』に共通して言えること。
それは「数字を見よ」ということではない。
「いらない数字を消し、必要な数字を見よ」ということである。
重要だと思っている数字には実は意味は無いのかもしれない。
(それは日常にもありふれたことだ)
要らない数字にとらわれるくらいなら、数字など見ないほうがマシだ。
多分本書を読まずとも、遠藤はいい選手だ、と思えるというのは、そのことを示しているのだろう。
最後に、サッカーと野球が大きく異なるのは、組み合わせがモノを言う、というところである。その点まで大きく踏み込んでいくとより、「仮説検証」に華が咲くのではないかと感じた。 -
データを参照すると意外な選手がランキング上位に上がってきたりするけど、データでは計測できないステータスがありすぎる。
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サッカーを統計解析を用いて色々調べてみました、という本。
本の最後の方に、統計解析による確率の話では優勝するかどうかといった絶対的なことは解明出来ない(当たり前だけど)、とあるが、数字には表せられない部分はビジネスにも共通してあると思う。
如何に事業分析やらマーケット分析等、科学的にアプローチを行なっても、事業の成功如何は最後の経営判断によるところが大きい。その経営判断が、数字では表せないところ。
ビジネスと違って、数字に表せられない部分が数多く結果に影響するからこそ、その分スポーツは面白い。