死にたくないんですけど iPS細胞は死を克服できるのか (ソフトバンク新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797373592

作品紹介・あらすじ

再生医療やバイオテクノロジーが話題に事欠かない昨今、
人気作家と再生医療の研究者が、先端技術から死生観までを縦横無尽に語り合う!

死にたくない――という人の切実な願いに現在の科学はどう応じるのか?
再生医療の研究者と人気作家の率直な対話は、
生物学、SF、話題のiPS細胞、そして死生観へと広がっていく。
生命のかたちを楽しく考えるヒントが詰まった、画期的な対談集。

第1章 生物学を教えてください
第2章 遺伝子と自分探し
第3章 神様と生命倫理
第4章 どんな風に死ぬのだろう?

感想・レビュー・書評

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  •  どらえもんは生物?→生物ではない。代謝と自己複製ができないから。

     ES細胞・ips細胞はいろんな細胞になることができる。(分化能が残ったまま分裂する)

     ES細胞は胚盤胞の内部細胞塊を培養したものである。しかし、受精卵を破壊するので倫理的に批判を浴びている(バチカンなど)。
     分化しきった細胞の時計の針を巻き戻したものが、「クローン細胞」

     ips細胞は、ES細胞に特有の4種類の遺伝子を組み込むことで、細胞の初期化につくられた。細胞も壊さないので倫理的問題もクリアしたとされる。が、4種類のうち1種が癌化にかかわる遺伝子だったため問題視されることもあったが、現在ではこれはクリアされている。
     (埋め込につかったキャリアはウィルス)

     日本は倫理規定が欧米に比べて厳しく、自由な実験がしにくい環境にある。
     
     個々人に完全にオーダーメイドでなくても、HLAが合致していれば他人のデモ拒絶が起こりにくい。なので、骨髄バンクと同じく、ipsバンク構想がある。

     「死」を恐れる気持ち。
     自己イメージと実際的な自分、いうなればデータとハードがうまく同期しなくなっていくので、「怖い」のではないか。

  • 軽〜くあっという間に読み終わりました。

  • 以前ならまったく縁のなかった生物学ですが、STAP細胞事件を追いかけたおかげでずいぶん勉強してたんだな…私…と。すごく分かりやすい本でした。

  • はからずも、すっごく面白かった!!
    字がデカいし、対談だから、軽~く読み流そうと思って借りたんだけど、対談とは思えない位良く解る。
    今なら私、ES細胞とiPS細胞の違い説明出来ちゃうもん。(3週間くらい限定だと思うけど)
    そして、興味を持てば、生物学の世界って面白いんじゃん!!っていう発見!

  • まず、字がでかい。タイトルからして老人向けだということなのか。しかし中身はどうみたって老人向けではない。福岡伸一のいう動的平衡に納得出来ない、人は変化もするし死ぬではないか、という海猫沢めろんが、友人でもある生物学者・八代嘉美に「死にたくないんですけど、どうしたらいいかな」と質問をする対談集。万能細胞でいろんなことが出来るようになったとしても、偶然性に担保された緩衝作用がなければ世の中がギスギスと恐ろしいことになりそうだ。
    僕もこうみえて長寿世界一を狙っているので、もちろん死にたくないんですけど、めろん先生の生命に対する考え方が突き抜けていて、僕の長寿世界一なんてその前では霞んでしまった。
    生物学者はオーブリー・デ・グレイを除いてプレゼンがヘタだとか、iPhoneが引き合いに出てきたりとか、生命ということを語るのに視点の違いがすごくてとても愉快だぞ。

  • 4〜5

  • ページを開いて飛び込んできた文字のポイントのでかさに少し不安を覚えたが、内容はしっかりしており、iPS細胞などの最新の再生医療の実態、技術と生命倫理とのせめぎ合い等について、分かりやすく解説されている。特に、聞き手であるめろん先生のSF作品等を引いての解釈は「思想がないところに技術は生まれないし、技術が生まれることによって思想が引っ張られていく」という二人三脚の関係性を表した良い補助線だった。以前、津田大介さんが「死んだらbotになりたい」と言ってたけど、めろん先生もなのねw

  • 生と死について、現在の最先端話題であるips細胞を軸に、ライトに語った哲学書

  • 読売新聞(2013/11/10)の空想書店にて作家の藤野可織さんが紹介。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784797373592

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著者プロフィール

1976年生まれ。京都大学iPS細胞研究所上廣倫理研究部門特定准教授。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了、博士(医学)。東京女子医科大学特任講師、慶應義塾大学特任准教授などを経て現職。専門は幹細胞生物学。再生医療研究とSF小説などを中心とするポピュラーカルチャーを題材に、「文化としての生命科学」の確立を試みている。著書に『iPS細胞 世紀の発見が医療を変える』(平凡社新書)、共著に『再生医療のしくみ』(日本実業出版社)などがある。

「2013年 『死にたくないんですけど』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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