こんなふうに教わりたかった! 中学数学教室 (SB新書)

著者 :
  • SBクリエイティブ
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797375794

作品紹介・あらすじ

のべ100万人超の受験生を志望校とへ導いた元代々木ゼミナール伝説の数学講師が、
中学数学を基本の「キ」から解きほぐす。
昔数学が苦手だったあなたに、「こんなふうに教わっていれば、数学嫌いにならずに済んだのに・・・」
と地団駄を踏ませる会心の1冊!

小学校の「算数」は好きだったのに、「数学」になってから嫌いになったという人は、結構多い。
太郎くんや花子さん、リンゴやバナナが出てこない抽象的な記号や数字だけの問題への拒否反応や、
「なぜ、マイナスとマイナスを掛けるとプラスになるの?」「なぜ、0で割ってはいけないの?」といった原理への疑問、
「そもそも因数分解ってどうして必要なの?」「最後の最後は”思いつけ”ってひどくない?」
といったそもそも論など、いくつかの要因が考えられる。

本書では、そうした「学生時代数学は苦手だった。でも今になってやっておけばよかった」と考えている大人。
また、子どもの算数・数学の宿題が手伝えない親世代に向けて、
「なんだよ、そういう風に説明してもらえれば、私だって分かったんだよ!」と腑に落ちる解説を展開する!

はじめに
第1章 図形その1(平行線) ~劇団☆平行線『補助線の魔術』~
第2章 図形その2(面積比) ~図形問題で景色を変える方法~
第3章 文字を含む式 ~法則作りに欠かせないもの~
第4章 因数分解 ~和と積はどちらが"使えるヤツ"か~
第5章 方程式 ~めったに成り立つことができない等式~
第6章 関数 ~変化を1ヶ所にまとめる~
第7章 連立方程式 ~"かつ"で結ばれた図形の真実~
第8章 確率 ~そこは“重み”が違うから気をつけて~v
チャレンジ問題の解説・解答
おわりに

感想・レビュー・書評

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  • [墨田区図書館]

    同筆者の「~高校数学教室~」を読んでこちらを知り、念のために読んでみた。

    多少わかりづらかった「高校~」よりは「中学~」だしわかりやすいかな?と思ったけれど、難易度とかではなく、文章の読みやすさと解説の理解しやすさに関しては、残念ながら前者とほぼ変わりなく。惜しいな~、同じこと説明するにしても、もう少し解り易くとっつきやすく書かれていれば良書となれるのに、これでは元からの数学好きとか、どう解り易く教えてあげようという熱心な教える側にしか良書となりえなさそう。

    ただ、その種が良物であるのは間違いない。少しでも自分の中の肥しに出来るよう、しっかり読んでおこう。

    ■1章「平行線」
    特にP. 13での「なぜこの最初の1文にあるような作業をしようと思ったのか?」は秀逸だと思う。このレベルなら問題を解きこなすうちの"慣れ"で体得するものでもあるけれど、本問の場合は、「比(の移動)」→「平行線」までを「意識」させるだけでも違うんだろう。

    ■2章「面積比」
    「三角形の面積比」→「高さか底辺、どちらか同じだと楽」という考え方が大事かな。その考えを実践するために、二通り考えられる考え方を紹介しようと、三辺だの三角だのという説明も出てきたけれど、恐らく"数学の定義系"が苦手な人はこういうところも苦手。もちろんここでも説明によって真に理解出来ればいいけれど、それはある種"補助"として「目的のためにどう線をひこうとするか」の目線から教えてあげた方がいいかと思う。

    ■3章「変数」
    「変数」というよりも「割り算」のしくみ(考え方)の章となってしまったけれど、結局"変数"を考える立場からいえば、「問題文で問われている内容(作業)の本質をとらえること」ということのはず。だからよく「数学は国語もできないと~」という論争?意見?もしばしば起こるんだよな。ただホントの数学天才くんの場合は、例え国語力に欠けていても、その問題(数学)の本質を見抜いて理解する力さえあればいいわけなんだけどね。

    ■4章「因数分解」
    和積では積の方が有力という具体例による説明が全く明快と取れなかった、、、、ので、ある種そこは下手に証明(紹介)しようとせず、言い切ってしまってもいいかと思った(笑)というか、因数分解なんて別に覚える理由も何も、「式変形の結果が同じ」という事を知るだけで、その"知るべき理由づけ"なんて延々考えなくてもいいのに。これまで覚えた四則演算やら分数や小数の書き方や捉え方同様、新たな事実を知る一過程ということで。
    意識するのは、「なるべく次数の低い1文字でまとめる」→「共通因数を探す(ためになるべく係数は積の形にあする)」

    ■5章「方程式」
    「xを一か所にする」「因数分解をする」そのうえで、平方完成を利用する。
    どこかの感想で、「(中学ではお空わないのに)平方根が出てくる」的なものがあったけれど、この文中で説明されている「中学校の教科書から消えたり復活したりしている」という"消えていた"世代の声かしら…?普通に解の公式も習った世代なのでその感想は分からなかったな。そしてこの解き方の場合、中途半端に?因数分解を利用した場合は、最後にしっかりと「解を(右辺に)移行」することで符号を反転させないとだな。

    ■6章「関数」
    5章の方程式と同じ考え方。
    「x(変化するのもの)を1か所にし、定数項も1箇所にまとめ」、グラフのイメージ(直線で上がる/下がるのか、どこかを頂点にして両端は上がる/下がるのか)を読み解く。

    ■7章「連立方適式」
    「二つの式の共通解→二つの"図形"の"共有点"」という概念を理解することで加減法や代入法の正しさと解き方をイメージする、といったところかな?正直この章はよくわからんかった。当たり前のことを言っているだけだし特に新しいこともなく。そもそも「問題で何を言われているかわからない」というレベルだと多少意味がある説明なのだろうか???

    ■8章「確率」
    うーん。。この章では「起こりうる例」を考えてから確率を考えているのが分かりづらい。基本的に理科の濃度も密度も、速度なども、"その手の問題"の基本は、"比べる量÷基にする量"。この一言に尽きると思うんだよなー。これこそ「何を求めたいのか」を語源化できるかどうかの力。そして袋の問題では、私は3/4×4/6で解いてしまった。解説のように最初から平たく考えた方がいいんだろうけど、この方が分かりやすい?行動に即してるんだもん、、、そしてチャレンジ問題は最後まで納得がいかなかった。最初の解説のやり方はわかるし「くじ引きは時を超える」も分かるものの、その確証を一般的に解説されない限り実際にはその中間の方法で解こうとしていると思う、、、、でも一応この"確からしい"という表現は教えきることはできないけれど、「くじ引きは時を超える」の「「全体を見ての結果論??」的な考え方がOKだ」ということは覚えておこう。

  • 図書館で借りた。分かりやすくなってました

  • 僕はなんでこういう本を読むのでしょうか…。

  • 本書で取り上げられる分は、「図形」「関数」「確率」「方程式」。
    「中学時代数学が嫌いだったけど、この本を読めば『数学嫌い』を克服できる」と思っているみなさん……ごめんなさい。この本はそんな本ではありません。
    上記分野の基礎的な分野は最低限理解できているという前提で、本書の解説は進んでいきます。おまけに「関数」の解説では、中学数学では学ばない「平方完成」という概念が登場する。私は高校数学を復習したとき、この概念が理解できなくて途中で挫折したのだが、このことに異議を唱える読者も存在する。章末に登場する「チャレンジ問題」の解説もあっさりしたもので、数学アレルギー患者には物足りなさが残る。この本は「数学を通じて『ものの考え方』の基礎を学びたい」と思う人向けの本だと思う。

  • プロの整理・洗練されたアウトプットに感心するとともに、学校教師はこれを出来ないのかと嘆息もする。本書はプロならではの整理された一連の流れなのだが、人に教えるのであればこのくらいの理解度が必要なのではないかとも思う。

  •  こんなふうに教わりたかったと思うかどうかは別だがともかく内容、説明には納得ができる。ただ、各単元の上っ面だけなのでこの教わりたかったという気持ちを持たせられるのかは内容の核を読んでみないと分からないだろう。

  • 中学の数学を、考え方から解法まで、なぜそう考えるのかを教えてくれる本はめったにない。さすが代ゼミの先生である。

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著者プロフィール

2010年度まで代々木ゼミナールの伝説の数学科講師として約30年間、のべ100万人超の生徒を志望校へ導く。代ゼミ退職後の今もオフィシャルファンサイトが開設されるほどの絶大な人気を誇る。現在は、教員研修・出張講義のための塾プロジェクトシアターゼミナール(PTS)を主宰。全国の高等学校・中学校に出張して教師や生徒の指導にあたる。県教育庁での講演も多く、県レベルでの教育水準アップに力を入れているほか、高等学校のカリキュラム改革にも定評がある。講義を聴講する生徒には社会人も多く、「生涯教育としての数学」の啓蒙に力を入れている。著書に『こんなふうに教わりたかった! 中学数学教室』(SBクリエイティブ)など。執筆協力:定松直子(さだまつ なおこ)女優としてテレビドラマや舞台などで活動する一方、夫である著者の右腕として、十数年にわたり数学や化学のテキスト等の執筆協力を行っている。

「2015年 『こんなふうに教わりたかった!高校数学教室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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