サラダ油をやめれば認知症にならない (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797382655

作品紹介・あらすじ

「誰だっけ。ほら、あの人」から始まって、最初はゆるやかな下り坂。そして、診断がつく頃には、まさに1年ごとに病状が「転げ落ちていく」状態のアルツハイマー型認知症。
厚生労働省によると、2025年に認知症を患う人の数は700万人を超えるという推計が出ている。これは65歳以上の高齢者5人に1人が罹患している計算だ。今後、何の予防策も講じなかったら、あっという間に、認知症1000万人時代を迎えることに。

実は、認知症が発症するには、発病から通常20年を要する(確定診断した患者の余命は平均10年)。
仮に、40歳で発病したとすると、ゆっくり徐々に病気が進行し、60歳で発症。その後、70歳で確定診断され、80歳で死を迎えることになる。
つまり、30代から気をつけていれば、発病じたいを避けられるかもしれないし、40~50代でも、発病や発症を5~10年は遅らせられる。そうしたら、健康寿命を平均寿命に近づけ、認知症に苦しむ期間を5~10年間は短くできる。

本書では、アルツハイマー型認知症の原因物質について有力な仮説を打ち立て、なぜ「サラダ油」が脳と体に悪いかを解説し、脱「サラダ油」生活を啓蒙していく。

感想・レビュー・書評

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  • 毎週日曜日の朝、10%割引の近隣のスーパーへの買い出しに行くようになって、かなりの期間が経過しました。先日、サラダ油を買いましたが、スーパーには多種多様な油が並んでいます。結構安い。

    そんな私にとって、この本のタイトル「サラダ油をやめれば認知症にならない」は衝撃的でした。ではどんな油が良いのかですが、第5章に書かれているように、オメガ3を代表する油である、「えごま油」「亜麻仁油」「ごま油」が良い様ですね。オリーブオイルも良い様です、しっかりと選ぶ必要があるようですが。。サラダ油は頻繁に買うものではないような気がします、少し高くても体に良いものを買うのが良いのかなと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・人の体では週単位、月単位で、毎日少しずつ古い細胞と新しい細胞とが入れ替わっている(新陳代謝)が、神経細胞だけは一生入れ替わらない。神経細胞こそが、人の性格・能力、思考を決定づける。胃腸は5日、肝臓・筋肉は2か月、皮膚は28日、赤血球は4か月(p28、79)

    ・神経細胞(ニューロン)は、ミトコンドリア(細胞のエネルギー生産装置)、核(DNAを持つ細胞の指令塔)、軸索(電気信号=刺激を伝える神経突起)、樹状突起(刺激)を受け取り細胞体を介して軸索に伝える、リソソーム(タンパク質の再生工場)、シナプス(神経細胞ネットワークをつなぐ接合装置)から成る(p29)

    ・カルボニル化という特殊な酸化損傷の原因となるのが、ヒドロキシノネナールである、これは、サラダ油の主成分である、リノール酸を200℃前後に加熱すると増加する(p34)

    ・サラダ油とは精製された植物油のことで、JASにより、サンフラワー(紅花)、ぶどう、大豆、ひまわり、とうもろこし、綿実、ごま、菜種、米、の9種の原材料が指定されている(p56)

    ・製造工程において、2回もの加熱により毒性の強い、ヒドロキシノネナールが発生する、スーパーに並んでいるのはしょせん毒入りのサラダ油である(p60)

    ・人工的に生成されたトランス脂肪酸が体内に入ると、自然界には存在しないので生体内では分解されずに体内に蓄積される(p79)

    ・サラダ油の構成成分である、シス型不飽和脂肪酸は、不安定で固まりにくいので、水素ガスを添加すると常温でも固形の飽和脂肪酸のような安定した構造になる、これがトランス脂肪酸(p88)

    ・バターはカロリーオーバーになることはあっても、適量であれば体に蓄積することは無い(p91)

    ・焼き菓子が、さくさくした口当たりでおいしいと感じるのは、ショートニングの働き(p93)

    ・ファットスプレッドの主成分は、マーガリンと同じ油脂で、油脂成分の含有率が80%以上なら、マーガリン、80%未満なら、ファットスプレッドとなる(p95)

    ・パッケージの原材料表示を見て、植物油脂・マーガリン・ショートニング・ファットスプレッド、とあるものを買ってはいけない(p117)

    ・神経細胞の細胞膜は、脂質がリン酸化されたリン脂質でできている。脳の60%を形成している成分も脂質。なので、細胞や脳の健康は、摂取する油によって決まる(p126)

    ・二重結合が2つ以上あるものを、多価不飽和脂肪酸、という。さらに最初にある二重結合の位置が、炭素の鎖の末端部のメチル基から数えて9番目にある脂肪酸を、オメガ9、同様にして、オメガ6、オメガ3がある(p128)

    ・青い魚には、オメガ3(血液をサラサラに保つ)が含まれる。鯵、鰯、マグロ、鯖、鰹、鰤などの、背の青い魚(p130)

    ・1cc10円程度の、エキストラバージン・オリーブオイル、酸度ができだけ低いもの(0.1-0.3%)を買いましょう(p138)

    ・品質の良い製品は、手間と時間をかけて低温圧搾して作られるので、価格は高い。1ccあたり、ごま油は2-3円、亜麻仁油は5-10円はする、1-2か月で使い切れる量が良い(p142)

    ・食生活の基本、1)魚・海藻(こんぶ、ひじき、のり、わかめ)、2)植物油脂を含む加工食品、お菓子、インスタント食品を避ける、3)サラダ油入りのドレッシング、マヨネーズを使わない、4)揚げ物・炒め物を減らし、自作する場合は、ごま油・オリーブオイルにする、5)マーガリンはやめて、バターかオリーブオイルなど(p146)

    2016年9月19日作成

  • 認知症は予防はできても治療ができない病気
    サラダ油は止める!
    ☆食べてはいけないもの
    ・ショートニング
    ・ファットスプレッド
    ・マーガリンは絶対ダメ
    ・植物油脂
    ☆食べ物お勧め
    ・えごま油
    ・亜麻仁油
    ・ごま油
    ・エキストラバージンオリーブオイル(酸度が0.1~0.3%)
    ・魚や海藻(こんぶ、ひじき、わかめ)

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著者プロフィール

医学博士。脳科学専門医。金沢市生まれ。1975年、金沢大学医学部卒業、1979年、金沢大学大学院医学系研究科修了。その後、金沢大学医学部付属病院医局長、金沢大学医学部助教授などを歴任。現在、金沢大学大学院医薬保健学総合研究科・再生脳外科科長をつとめ、また金沢大学病院、南ヶ丘病院にて、「高次脳機能障害」専門外来で診療を行う。「リノール酸を多く含むサラダ油の摂取が認知症などさまざまな病気を引き起こす」と警鐘を鳴らす著書、『そのサラダ油が脳と体を壊してる』『認知症が嫌なら油を変えよう!』(以上、ダイナミックセラーズ出版)、『「サラダ油」をやめれば脳がボケずに血管も詰まらない!』(ワニブックス)が話題となる。また、診療にも定評があり、独自の神経心理テストとMRIやPETスキャンを駆使して、認知症状が初発する数年も前にアルツハイマー病を早期診断し、予防的治療を行うことでも有名で多数の患者が外来を訪れる。

「2016年 『そのサラダ油があなたを殺す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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