宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八 (SB新書)

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  • SBクリエイティブ
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レビュー : 67
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797388503

作品紹介・あらすじ

銀河系には約1000億個もの惑星が存在すると言われています。そのうち人類が歩いた惑星は地球のただひとつ。無人探査機が近くを通り過ぎただけのものを含めても、8個しかありません。人類の宇宙への旅は、まだ始まったばかりなのです――。

本書は、人気コミック『宇宙兄弟』の公式HPで連載をもち、監修協力を務め、NASAジェット推進研究所で技術開発に従事する著者が、やさしくかみくだきながら「人類の謎」に挑む、壮大な宇宙の旅の物語です。

人類が解き明かしてきた謎とは? 「地球外生命や地球外文明は存在するのか? これからの宇宙探査はどうなる……? テクノロジーとイマジネーションを駆使して、独自の視点で語るエキサイティングな書き下ろし!

感想・レビュー・書評

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  • 宇宙に関心があるかと言われれば無かった。生命なんていないと思っていたからだ。ところが本作を読むと「もしかしたら・・」と思わされてしまった。

    本作は技術者の開発に賭けるノンフィクションさながらのドラマでいきなり心を掴んでくる。2人の技術者のどちらが先に人工衛星という宇宙への一歩を踏み出すのかという物語だ。

    生命を産み出す条件は2つあるという。水と火山による熱だ。木星と土星のいくつかの衛星でそれらが発見された。それだけでなく、一つの銀河には1,000億の惑星が存在し、銀河もまた1,000億ある。つまり、確率的に考えれば地球で起きた現象が1,000億×1,000億の惑星の中にあるかもしれないというのである。

    宇宙という未知と出会って己の無知を知らされた。2020年火星に探査ローバーを送るということで私も今からワクワクしている。知ることはワクワクの一歩だと改めて感じさせてくれた一冊だった。

  • これまで宇宙物理学の理論のほうばかり読んできたけれど、技術開発は「政治」が大いに関わっているぶん、よけいにドラマチックだ。おまけに、筆者の筆致がドラマチックなので、ぐんぐんと読まされてしまう。
    本書を読んでいちばんよかったと思うことは二つある。
    一つは、地球とは別の、地球に似た星で、生命が誕生していたと仮定した場合、その誕生がわずかでも遅れていた、あるいは進んでいた場合、その差は膨大な時間の経過を経た末に、途方もない差を生み出すだろうとの知見。を知れたこと。
    つまりそれが意味するところは、もし生命誕生が遅れた星では、地球よりもだいぶん文明が遅れている(つまりコンタクト不可能)し、誕生が早かった星においては、確実に人類よりも進んだ文明が築かれているだろうこと。
    二つめは、生命の定義というのは、そう簡単ではないということ。なんとなく、動物や植物や微生物やに似ている存在であれば生命を持っていると断定できると思っていたけど、生命の定義は、宇宙規模になると、もっと抽象的になるのだな、ということ。
    常識を破るには、妄想も時には有効だなと実感。それが結果的に、想像力として評価される。ほんとに必要なのは、「妄想力」

  • 日経の夕刊の書評にあり、おもしろそうだったので。とんでもなく、おもしろかった。宇宙を旅すること、他の星に生命を見つけることをジュールベルヌの昔から、現在まで、日に当たることのなかった科学者たちを突き動かすものが何で、どのようにして成し遂げていったかを、叙事詩のように語る。単なる科学書にとどまらず、心を動かされる表現で書き綴っている。オススメ。

  • 宇宙に関する新書は多数出版されています。本書を読んでもそれらの他の著作と比較して、目新しい事実が紹介されているわけではありません。しかし、本書は他の自然科学系の新書とは全く異なる視点で書かれています。
    人類が現代まで宇宙開発を継続してきたその動機が人間が持つ「イマジネーション」であるとし、そのイマジネーションは読者の誰でも持っていると語りかけます。宇宙を含む自然現象への理解の進展が、純粋に知的好奇心に突き動かされた数多くの研究者のリレーによって成し遂げられ、知的好奇心は誰もが持ち併せているという著者の言葉に勇気づけられる読者も多いのでは。次の一節が非常に印象的でした。
    「我々はどこからきたのか?我々はひとりぼっちなのか?もちろん、その答えを知ったところで誰の暮らしも物理的に豊かにはならない。飢えた子供を救えるわけでもない。その答えを追うことは無意味だろうか?もし、無意味と断ずるならば、物質的豊かさのみを追求するのもまた、人類の生き方だと思う。でも、僕は知りたい。あなたも知りたくはないだろうか?きっとまだ人が科学を知るはるか以前から、人は星空を見上げて自らに問いて来たのだ。我々はどこからきたのか、と。そして、人はイマジネーションの中で気づいていたのだ。その答えが、星空の中にあることを」
    著者の文章にはどんどん引き込まれる不思議な力があるように感じました。理系の研究者で、これほど文学的な雰囲気を持つ文章が書けるとは。本書のどの章を読んでも面白いですが、何といっても地球外文明の探査に触れた5章が著者の素晴らしさがダントツに凝縮されている印象でした。
    もちろん、著者はNASAの研究所で火星探査ロボットの開発に携わる第一線の研究者なので、5章以外の部分も素敵な文章の中に科学的な事実や、分かりやすい解説もちりばめられています。
    これを高校生ぐらいの時に読んだら、自然科学系の大学の学部に行きたい、と考える学生が出てきそうな気がします。

  • 今までに読んだ宇宙本の中でも屈指の面白さ。

    中でも、宇宙飛行士などの著名人ではなく、その裏にいる名もなき技術者たちに焦点を当てた章が出色。この技術者たち、偏屈で頑固で、まさに「事実は小説より奇なり」を地で行くような人たちばかり。それでも、この偏屈さがなければ、人類の宇宙への道はもっと遠くなっていたはず。

    著者はNASAのジェット推進研究所で、火星探査ロボットの開発をリードしている技術者。でも、文章が技術者っぽくないなと思っていたら、案の定、三島由紀夫を敬愛していて、ペンネームで小説を書いて文学賞を取ったことがあるという。納得。若干ナルシストっぽいところもあるけれど。

  • NASAで働く著者が書いた本。
    フォンブラウンなどアポロ計画で活躍する科学者の若かりし話なども紹介されていて楽しく読めた。
    宇宙人がいたら絶対に今の地球よりも文明が進んでいるだろうという前提で話が進むことに昔から違和感があったが、今回この本の中で、長い宇宙の歴史から考えると、1万年前はほんの一瞬の出来事と言う部分を読んで納得できた。

  • 書評で評判が良かったので手に取りました。
    宇宙探索の歴史や現在の研究段階等、宇宙工学に知識がなくても知的好奇心を掻き立てられて、面白く読めた。
    「我々は何者か?どこから来たのか?そして我々はひとりぼっちか?」その問いは哲学的だ。
    キーワードは、「イマジネーション」
    すごいなと思える人には、問題の立て方と向き合い方、そして諦めない姿勢に、学ばされることが多い。
    この本もそんな一冊でした。

  • 宇宙はやはりロマンがあるな~ ロケットとミサイルの話や、火星・木星の話等々、かなり楽しめました! 小野さんの本、もっと読んでみたいな~

  • ブクログ大賞受賞を機に手に取った一冊。
    NASAで次世代火星探査車開発に携わる若き研究者による、有史以来の宇宙探査の歴史を表舞台ではあまり知られていないキーパーソンを中心にわかりやすく伝える本。第二次世界大戦前からのロケット開発の夢、戦後の宇宙開発競争から、現代の最先端の動きや展望まで、一部の専門家や選ばれた宇宙飛行士ではなく人類全体の思いの結実だからこそ宇宙探査の話は私たちを興奮させるのだということが腑に落ちる。読みやすく引き込まれる語り口なので(若い読者を想定しているらしく「LPという規格のレコード」なんて親切な記述にちょっと感動した)、中学生ぐらいでも読めるしおすすめできる。

  • 難しい話はおいといて、宇宙本が読みたい人にはもってこいの宇宙本。何を想像したらいいんだっけ?っていうことを具他的に提示してくれるので、「そうそう、宇宙を考えるってそういうことだよね」っていうことを思い出させてくれる。根本にあるテーマは「イマジネーション」。いまそこにある空(宇宙)に目を向けて思いを巡らせれば無限のイマジネーションが広がっていく。それこそ人が宇宙に魅せられるポインと。ビートたけし作詞で玉置浩二が歌った「嘲笑」って曲があった。「今僕が見る星と、いろんな人が見た星とほとんどかわりない。それが嬉しい」とか、そういう感覚を何度も味わいながら読んだ本でした。

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著者プロフィール

小野雅裕(おの まさひろ)
大阪生まれ、東京育ち。2005年東京大学工学部航空宇宙工学科卒業。2012年マサチューセッツ工科大学(MIT)航空宇宙工学科博士課程および同技術政策プログラム修士課程終了。慶應義塾大学理工学部助教を経て、現在NASAジェット推進研究所に研究者として勤務。2007年、短編小説『天梯』で織田作之助青春賞。2014年に著書『宇宙を目指して海を渡る』を刊行。2017年『宇宙に命はあるのか』を刊行し、第6回ブクログ大賞人文・自然科学部門を受賞。

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