大手新聞・テレビが報道できない「官僚」の真実 (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797393200

作品紹介・あらすじ

官僚がひた隠す「不都合な真実」を元財務官僚がすべて暴く!

新聞やテレビの報道では、連日のように「森友学園問題」や「加計学園問題」が取り上げられている。しかし、一向に真相が見えてこない。なぜか。それは、これらの問題の裏に、官僚たちが必死で隠そうとする「不都合な真実」があるからだ。
本書では、元財務官僚で霞が関を知り尽くす著者が、大手新聞・テレビが報道できないニュースの真相に切り込む。

感想・レビュー・書評

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  •  著者の立ち位置を先に言っておくと、森友・加計問題に安倍総理の関与はたぶんなく、手続きに関わった官僚が自らの不手際を隠すため、また文科省の権益を守るために、実際にはなかった首相の関与を匂わせた、と言ったところだ。

     森友学園の8億円にもなる大幅な値下げは、取得予定地の周囲の土地にゴミが埋まっていることがすでにわかっており、当然その予定地にもゴミがある可能性は予見できたにも関わらず、官僚側がそのことを森友学園側に知らせずに契約を進めたことがもともとの間違い。故意に知らせなかったのか、担当者が変わったことによって引継ぎがされなかったのか、どちらにしろ当初は適正な地価(ゴミがあることを想定していない価格)で取引を進めたのに、後から案の定ゴミがあったことがわかり、じゃあ、ゴミ処分は森友さんがやるってことなら、値引きしますよ、という単純な構造。首相や夫人が関与する余地なんてない。

     首相に対して、ちゃんと説明しろという野党やマスコミたちは、一体なにに対しての説明を求めているのか。いまいち報道を見ててもわからない。

     裁判ならこの場合、首相は被告だ。野党やマスコミは検察。やましいことがあるなら被告が否認、もしくは黙秘するのは当たり前で、犯罪だということを立証したいなら野党とマスコミが証拠を積み上げるしかないと思うのだが… 
     
      加計学園の問題の本質も、理事長と首相がお友達だなんてことにはなく、既得権益を守りたい官僚と岩盤規制を壊したい政府との主導権争いにある。そもそも前川元事務次官は文科省の天下り斡旋を進めた責任をとって辞めさせられた人。行政をゆがめられたとの発言は、要するにいままでの慣例を破られて官僚は迷惑していると言っているだけなので、よく考えずとも変な発言。だってそれが岩盤規制を壊すということなんだから。正義の告発者みたいにもてはやしている報道には違和感を感じる。
     著者の推測によると、一連の情報のリーク元はおそらく前川氏。朝日新聞や民進党に情報を流している。辞めさせられた腹いせみたいなものだ。

     忖度とか、総理の御意向とか、そんな言葉が飛び交っているのは、自らのミスや手続きのまずさを隠すために官僚が都合よく使っているだけのこと。官僚組織の悪弊は見えづらく、説明するマスコミも専門家も少ないから、この本質が報道されない。たぶん権力者を攻撃している姿を見せることが国民にはわかりやすく映るから、そうしがちなのだろう。

     もちろん真実がどちらにあるのか、今のところまだわからない。

     ただ、野党やマスコミがいまのような状況で、「説明しろ」と言うだけだと主導権は首相にある。だから解散なんて手を打たれてしまったのだ。そんな簡単なことを言うだけでいいなら、誰でも言える。真相を究明したいのに被告の自白に期待するしかない、これ以上証拠が出せないというならなら、もう詰んでいると言うしかない。
     
     法廷で勝てないなら、あとはネガティブキャンペーンで。自分の目にはそう映る。

  • 財務省の力が強いことだけ頭に残っています。

  • これはおもしろかった。仕事でいきなりMETIにきてしまい、官僚たちが財務省への予算要求説明に四苦八苦しているのを見ているが、こういう背景があったのかと知った。(財務省のほうが格上)

    客観的に、財務省がどうなっているのか、国家財政がどうなっているか、モリカケ問題をどうみるか、学ぶことができる。

    この人自身は、法案を作れる人として自らを世に(野党に?)売り出そうとしているようで、身の振り方が堅実だなと。(現政権をたたくだけでないところが現実的!?)

    【官僚】
    ・作文が得意
    ・忙しいので面倒なことを嫌う
    ・縄張り意識が強い(省内、課同士でもも)
    ・省益第一主義
    ・財務省は、加えて「財政再建至上主義(収入を増やして支出を減らす)」

    【システム】
    ・審議会システム(学者がよばれるが、裏ではポチとよばれる。なんとでもなる。)
    ・与党による「事前審査」を通過すると、党議となり、自民党員は国会で反対質問ができない。野党は数が少ない。よって、野党はあんなに意味のないパフォーマンスで時間をかせぐこととなる。

    【出世コース】
    ・主計局主査―主計官ー主計局次長ー主計局長

    【財政】
    ・霞が関埋蔵金
    ・各省庁に剰余金・積立金

    【省庁との関係】
    ・課長級の主計官が概算要求を査定する
     (省庁側は、ポストが上の局次長・局長クラスが対応)
    ・財務省の権力の源泉=予算編成権と徴税権、人事権(公務員の人数を決められる)

    【提言】
    ・道州制導入⇒中央省庁スリム化

  • 2017年7月現在で、大騒ぎされている森友学園、加計学園がらみの真相が詳細に説明されていて、この本を読むことで、マスコミの報道に騙されることが無くなる良書です。加えて、官僚のだましのテクニックや役職や立場によって、どのような仕事を官僚がしているかなど、官僚のありとあらゆることが分かります。

  • 官僚の仕組みと森友・加計学園問題がわかりやすく説明!
    基本的には財務省についてしか書かれてなかったので、他の中央省庁についても、是非、教授してほしい!

  • 感謝

  • 元内閣官房参与、元財務官僚の氏が描く真実。
    敢えて誤解を惹起させることを意図しているのか。省益とか天下りのためとか、それマスコミが作ってるだけの虚像そのものでは!?
    結局人は立場でしか主張できないことを如実にする1冊。そして、終始上から目線。そんなにこの人「偉い」のだろうか…。

  • 元財務省官僚による官僚の仕事や考えについて書かれた本だった。官僚の法律を書く能力は、作文力や専門知識を必要とするため、ほかの人にはできない特殊な能力であると知り、法案作成能力とは大切なことだとわかった。審議会が官僚の根回しや準備によって形骸化していることもやっぱりそうなのかと思った。まぁ審議会の外でいろいろ専門家の知識は必要とされているのではとも思うから、専門家も大切だと思う。財務省の力の大きさの理由も少し分かりよかった。

  • 高橋洋一さんをYouTubeで知り本と出会いました。官僚と言う存在は特殊なものでマスコミに流れる様々な情報は二次的な意見・主観が入っていることがわかりました。
    特定の新聞やテレビの情報が偏向報道でうんざりしていたのでこの本によりかなりスッキリしました。

  • 高橋 洋一先生著

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著者プロフィール

1955年東京都生まれ。数量政策学者。嘉悦大学大学院ビジネス創造研究科教授、株式会社政策工房代表取締役会長。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、内閣参事官(首相官邸)などを歴任。小泉内閣・第1次安倍内閣ではブレーンとして活躍。2008年に退官。菅義偉内閣では内閣官房参与を務めた。『さらば財務省!』(講談社)で第17回山本七平賞を受賞。著書はほかに、『正しい「未来予測」のための武器になる数学アタマのつくり方』(マガジンハウス)、『高橋洋一式「デジタル仕事術」』(かや書房)、『国民のための経済と財政の基礎知識』(扶桑社)、『理系思考入門』(PHP研究所)、『国民はこうして騙される』『プーチンショック後の世界と日本』(徳間書店)など多数。YouTube「高橋洋一チャンネル」でも発信中。

「2023年 『日本の常識は、世界の非常識! これで景気回復、安全保障は取り戻せるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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