なぜ、世界のエリートはどんなに忙しくても美術館に行くのか?
- SBクリエイティブ (2018年9月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784797397147
作品紹介・あらすじ
いま、世界中で話題の美術鑑賞法!
見方を少し変えるだけで、
アートが最高の“自分磨き”のツールに変わる。
世界のビジネスエリートの間で広まっている
美術鑑賞法「ヴィジュアル・シンキング・ストラテジー(VTS)」。
もともと、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の来館者向けに、
美術鑑賞のリテラシーを高めてもらう目的で考案されたが、
米国の小学校教育の現場で導入されると、美術作品の理解力が上がるのと同時に、
観察力や読解力、問題発見力、論理的思考力などの向上にも効果があるという結果が出たという。
そこで本書では、「ヴィジュアル・シンキング・ストラテジー(VTS)」をベースにした
美術鑑賞法の企業研修を行なっている、
京都造形芸術大学アート・コミュニケーション研究センター副所長・岡崎大輔氏を著者に迎え、
人生に役立つ美術鑑賞法を解説する。
感想・レビュー・書評
-
ミーハーで軽い人間ですので
こういう題名に踊らされる。
よく育児書にもあるパターンだけど、此の論説が
絶対ではないし
育児書もある時期の正解が誤回答にもなる
あーこんな観方もあるという一つの方法としては可。
原田マハを読んでからは
限られるけど作者によっては色々知って観るのも悪くない。
どちらかといえば感性だけで鑑賞してた、また好き、嫌いなど
詳しく背景、生い立ち、バックバーンをわかってみるのもあり、パッとみるのもありだと思う
本文より
「あなたの目に本当に作品がありのままに映っていますか?」
モナリザをしっかりみていますか?
質問
眼鏡橋のようなアーチを持つ橋がどこに描かれていますか?
うーん、参った。
改めて観ました「家に複製があるので」
このことに関しても経験はある、
自分の所感
⚪︎人は結構何もみていない、(聞いてないともおもう。)
⚪︎人は見たいものだけをみる(聞いてない、聞きたいことだけ聞く)
案外目なんて何も見てない。実感致します。
結論
今までの鑑賞の仕方とはそんなに変わらないと思うけど、しっかり観るようには心がけます。
なーんてね。
一つ重要なこと
アート作品の鑑賞を深めていくために、意識的な言語化をすることが大事。
アート作品を見るー右脳に入る
それを言葉にするー左脳
右脳に入った情報を一旦左脳に送って言語化する
まずは言葉にして口に出してみるーこれが大事なこと。 ここはこれから心がけます。
しかし一人で行って、ぶつぶついってたら
危ない人みたいね。ふふふ。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書ではVTS(Visual Thinking Strategies)という美術鑑賞法の効果や実践方法について解説しています。
VTSは、グループで1つのアート作品を見ながら、それぞれの発見や感想、疑問等を話し合う対話型鑑賞法です。
作品を見る際に、作品名や作者、作品の背景といった情報を用いず、「作品を見て自分が何を感じ、何を考えるか」をほかの鑑賞者と共有していきます。
その中で観察力や批判的思考力、言語能力などを伸ばす効果があるとのこと。
私は美術館に行くと、絵を見ながら一緒に行った人に「こうかな?ああかな?」など、見つけたことや思ったことを話しながら見ることが多いです。
作品の背景などを知らずに思ったままを口にしがちなので、詳しい方の耳にはどう聞こえていたのやら…とあとで恥ずかしくなったりもするのですが、本書に書かれていた見方と近いなぁと思い、少しうれしくなりました。
正解がないことを考える力や、他者の目線・複数の目線で物事を見る力は、ビジネスシーンでも日常生活でも必要な力だと思います。
美術館のワークショップなどで知らない方たちと話し合うのもおもしろそうですが、個人的には職場の方々とこういう研修をやってみたいと思いました。
アート作品を中心に据えて話すことで、仕事を抜きにしたその方の人柄なども垣間見えるような気がして、その後の仕事のやりやすさがかなり変わりそう。 -
答えのないものを見て自分なりに考え、言語化する。アートは絶好の材料となる。アートの背景を知って鑑賞したくなるが、その逆をして自分なりに考えてみる。面白い。
-
対話型鑑賞の方法がわかりやすく記載された本でした。これから美術鑑賞をするときのイメージトレーニングになりました。また、美術鑑賞のメリットが様々に書いてあり、美術鑑賞が趣味の私は、こんなに役に立つんだからもっと鑑賞しよう!とモチベーションが上がりました。
-
世界のエリートが、というタイトル負けはしている印象。
acopの考え、対話型鑑賞のファシリテーションの仕方、1人対話型鑑賞、社会人にとっての対話型鑑賞の効果(著者の研修参加者の意見)
がわかってよかった。 -
『感想』
〇芸術って、当然見る人によって見方が変わるし評価も変わる。そして自分の感じ方が絶対だとは感じないだろうから、他人の違う意見に素直に耳を傾けることができるんじゃないだろうか。
〇仕事や学校という組織に属する世界では、力関係というものが存在するから、公平に意見を聞くことや、決定に平等に関与することなどできない。ただ力関係というのはそれまで積み重ねた経験や実績を反映したものではあるから、全て間違っているということではなく、ある程度合理性のあるもの。
〇本当にできる人というのは、その力関係で強引に自分の意見を押し付けるのではなく、人の意見に自分とは違う見方がないか、取り入れるべき部分がないかと考えることができる。
〇自分が正しいから、もしくは自分ではわからないから責任者が責任を取るならいいかと、熟慮しないで決めるようでは、本当の成功はない。
〇正解不正解で判断しない、自分とは違う意見を先入観なく聞くことができる、これって家庭生活でも仕事の世界でも大切な力。
〇感覚を言語化するということを普段からできている人でないと、楽しめないよな。言語化をすることで自分なりの具体的な形になり、それを生かして今後どうしていくかを考えることができる。言語化するからこそ、深く考えることができ、成功もしくは納得により近づくことができる。
〇美術館に行くような人は、そのような能力を持っているんだろう。だからこそ芸術を楽しむことができる。そしてそのような人はエリートと呼ばれたりするんだろう。
〇美術館で芸術を楽しみながら、他にも応用できる力を育てていこう。 -
舐めてたが、この本、ヤバかった。
「この本から得られるモノ」は僅かだけど、「「この本から得られるモノ」から得られるモノ」は無限の可能性を秘めてる。アート作品で自己成長ができるとは… -
借りたもの。
美術の専門知識を必ずしも必要としない美術鑑賞法・VTS(ヴィジュアル・シンキング・ストラテジーズ)を基に、「観察力」「批判的思考力」「言語能力」などの複合的な能力を伸ばすことができる。その方法について解説したもの。
ビジネスにおいて定石のモデルが通用しない――正解のない――時代。合理的な判断だけではビジネスで成功できない。合理性からの視野狭窄を打開するために、複合的な能力を鍛える。そのための教育として注目されているVTS。
アート作品に触れることで「正解のない問題に取り組む力」を磨き、「問題発見能力」「問題解決能力」を伸ばし、それを伝えるための「理論的かつ体系的な思考力」を駆使し、「多様性の受容」を育む。
そうした感性を鍛えるためにも、「学習」は必要で(美術の専門知識ではない)、「事実」と自分の「解釈」は分け、「解釈」を複数導きだし、言語化すること。
「3つの問い」はフィリップ・ヤノウィン『学力をのばす美術鑑賞』( https://booklog.jp/item/1/447303979X )と同様。
「4つのプロセス」は「見る」「考える」「話す」「聞く」は当たり前のようで、いつもより意識して、との事。
鑑賞の手助けとして「8つの視点」(p.105)は自己内省の如く。
後半は対談形式にしたハウツー。
堀越啓『論理的美術鑑賞 』( https://booklog.jp/item/1/4798164429 )の教養を深めるものとは異なる鑑賞法。
エイミー・E・ハーマン『観察力を磨く 名画読解』( https://booklog.jp/item/1/415209642X )にも近い。
flier紹介。( https://www.flierinc.com/summary/1694 )